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2021年11月26日16:55

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モスル あるSWAT部隊の戦い(Mosul)

 IS(イスラム過激派組織)によって何もかもを奪われた男たちが、命がけでゲリラ戦を仕掛ける姿を実話ベースで描いた戦争アクション。「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟がプロデュース。監督は「ワールド・ウォーZ」「キングダム 見えざる敵」などの脚本を手がけてきたマシュー・マイケル・カーナハン。長引く紛争により、荒廃したイラク第二の都市モスル。21歳の新米警察官カーワは重武装したISに襲われたところを、ジャーセム少佐率いるSWAT部隊に救われる。カーワが身内をISに殺されたと聞いたジャーセムは、その場で彼をSWATの一員に招き入れる。少佐を頂点に統制が取られ、十数名の元警察官から構成されるその部隊は、本部からの命令を無視して独自の戦闘をおこない、カーワには明かされないある使命でつながっていた。激しい戦闘で仲間を失い、絶望的な状況に直面しつつも、部隊はISの要塞に向かう決断をする。その決断の裏には、彼らの隠されたある任務があった。(映画.comより)







<2021年11月21日 劇場鑑賞>

 ちょっと変わった”色”の映画でしたね。ISを題材にした映画と言えば、例えば”貧しくない層の白人青年”が、勧誘されてしまう顛末とか、被害者になってしまった人たちの目線の映画とか、そういったものはあったと思うのですが、今回のように「全編アラビア語」「キャストもアラブにルーツを持つ者たちだけ」というのは初めてなんじゃないかな。しかも、セットとは思えない臨場感。銃を撃つ音が本当にお腹に響き、しかもそれが切れ目なく続くので、次に何が起こるかわからない緊張感も相まって、精神が続かないかと思うほどでした。しんどかった。

 イラク第二の都市、モスル。IS(ここでは映画に倣ってダーイッシュと呼ぶことにします)に奪われ、奪還しても残党がくすぶり、どこからダーイッシュが飛び出してくるか、どこかから狙われているのか、予測もできない現地で、とにかく、歩くことも角を曲がることもままならない状況です。現地の若き警察官カーワは、仕事中にダーイッシュに襲われ、叔父を殺され、もうダメだという時にSWATに助けられます。SWATといっても有志で、元警察官の面々ではあるのですが、正式なものではありません。隊長は、身内を殺された経験があるというだけでカーワをスカウト、SWATに引き入れます。もちろん、隊長もプロですから、彼は使えると見て取る何かがあったのかもしれません。

 冒頭から銃撃に次ぐ銃撃。見ているほうも気が休まる場面がありません。SWATの面々は、安全地帯を目指しているのではなく、ISの本拠地を目指して進んでいるのです。隊長は、立派な指揮官なのですが、なぜかよくゴミの始末をしています。若い兵士たちが散らかせば拾い、兵士たちにも「ゴミを集めろ」と命令したりします。どこかに踏み込めば、まずゴミを拾うなどその辺を簡単に整理整頓するのです。お片付け大好きな私は、ここ、ウケました。これに関する説明はなかったので、単に隊長の癖なのか、あるいはゴミが最も危険だという認識でもあるのか、そのへんはわかりません。

 隊長は戦闘により家族を失ったからか、子供には優しく、車で移動している最中に、父親の遺体を運んでいる少年たちを見つけ、乗せてやろうとします。兄は父との約束があると言って現地にとどまり、弟だけが乗せてもらっているのを見るのは辛かった。どちらが安全なのかはわからないけれど、彼らはもう会えなかったかも。隊長は、家族連れを見つけて弟を託すのです。自分たちは進軍しなくてはなりませんから。

 過酷な戦闘下、SWATは一人、二人と減ってきます。それでも粛々と進むしかありません。





<ここからネタバレ>

 隊長はある罠にはまり、死亡。残った隊員たちは泣く暇もなく進軍します。そしてダーイッシュに掌握された街中まで進んだ彼らは・・・そうです、家族に再会するのです。これが彼らの隠されたミッションでした。隊長曰く、若者を一人でも多く、希望を持って残すことができたなら、次に国家を再建するから、と。

 少し不意を突かれた展開でした。そして、まだ新人警察官だった主人公のカーワは、この頃には目つき・顔つきが鋭く変わっているのです。この辺は「太陽の帝国」のクリスチャン・ベイルを想起しました。

 緊張感MAXだった作品だけに、最後にはどんな展開をするのだろうと思っていたのですが、まさか家族との再会とは。もちろん、「死んだ」と聞かされていた妻が再婚してたりとか、そんなこともあったりするのですが。このおきまりの展開、不要だったかも(笑)。

 怖かったですね、本当に。身体の弱い人にはお勧めしないです。
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