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2021年04月06日15:57

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世界で一番しあわせな食堂(Mestari Cheng)

 「旅人は夢を奏でる」「GO!GO!L.A.」のミカ・カウリスマキ監督が、フィンランドの小さな村にある食堂を舞台に、異国から来た料理人と地元の人々が織りなす心の交流を描いたヒューマンドラマ。フィンランド北部の小さな村。シルカが営む食堂に、上海からやって来た料理人チェンとその息子が訪れる。チェンは恩人を捜していると言うが知る人は誰もおらず、シルカは恩人捜しに協力する代わりに食堂を手伝ってもらうことに。チェンの料理は評判を呼び、食堂は大盛況。シルカや常連客たちと親しくなっていくチェンだったが、観光ビザの期限が迫り、帰国の日が近づいてくる。(映画.comより)







<2021年3月28日鑑賞>

 久しぶりに見たカウリスマキ監督の映画。フィンランドは親日家が多いと聞くけれど、今回の主人公は中国人シェフ。いっとき上海の一流料理店で働いていたというチェン氏は、しかし妻を交通事故で亡くしてから人生に行き詰まった時期があったのでした。そんな時に心の支えとなってくれた恩人を探して、はるばるフィンランドの片田舎までやってきたのです。

 しかし、言葉の壁もあって、なかなか恩人に行きつきません。ダイナーも一軒だけ、他にな〜んにもないようなド田舎で、途方に暮れるチェン氏。ダイナーのオーナー女性に世話になっていると、ある時中国人の団体観光客が!ポテトとソーセージくらいしかないジャンクフードに中国人は文句たらたら。「私が作りましょう」と、シェフだった素性を明かします。そしてこれが本当に美味しそう!!日本人の私も、思わず見とれてしまいました。私のような貧乏人が”中華料理”と言うと、チェーン店「王○」のチャーハンやギョーザ、ちゃんぽんくらいしか浮かばないわけですが、ここで出てくる料理は違います。見るからにヘルシーでまさに「医食同源」を目で見ている感じです。美味しそうだったなぁ。北欧の端まで行って、こんな料理を食べれたら幸せでしょうね。

 ということで、あっという間に評判が評判を呼んで、さびれたダイナーは大はやりに。チェン氏は息子を連れているのですが、最初はふさぎ込んでいた息子にも友人ができ、彼らは根が優しい地元の人たちとも仲良くなっていきます。もちろん、定住資格を持っているわけではありませんし、若干のトラブルは起きます。が、お話は想像通りのハッピーエンドへときちんと展開します。

 しかし、世界で一番幸福な国で、皆のんびりしているのに、食事は案外不健康なんですね。ちょっと驚きでした。「かもめ食堂」がはやったり、カウリスマキ監督がお寿司好きだったりするのも、理由があったのかもしれませんね。いや、お寿司やワサビが出てくるのはアキ監督だけかもしれませんが。ちゃんと区別してなくてすみません。

 現地のおじいさんたちも皮肉屋なのに、絶妙におもしろくて、笑った。本当にうまいこと映画を作りますよねぇ。才能のある人は違います。おススメです。
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