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2020年11月22日14:55

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スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(Hors normes)

 「最強のふたり」のエリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ監督がケア施設に働く2人の男たちの実話を、ユーモアを交えて描いたヒューマンドラマ。自閉症児をケアする施設「正義の声」を経営するブリュノ。他の施設などで見放された子どもたちも断らずに受け入れる彼の施設には、さまざまな問題を抱えた子どもたちであふれていた。この施設では、ブリュノの友人のマリクに教育されたドロップアウトした若者たちが働いている。社会からはじかれた子どもたちをまとめて救おうとしていたブリュノとマリクだったが、無認可で赤字経営の「正義の声」に監査が入ることになり、施設閉鎖の危機に迫られる。ブリュノ役を「ブラック・スワン」「ジェイソン・ボーン」のバンサン・カッセル、マリク役を「アランフエスの麗しき日々」「世界の涯ての鼓動」のレダ・カティブがそれぞれ演じるほか、本物の介護者と自閉症の若者、その家族たちが多数キャスティングされている。(映画.comより)









 こういう映画に弱いんです。映画と言うより題材かな、ともかく子供たちの話が好きです。できれば幸せなお話がいいのですが、現実には弱い立場の子供たちも多数存在します。この映画の主人公ヴァンサン・カッセルのように他の施設などで見放された子供たちを引き受ける、というのは並大抵のことではないはずです。この映画の中でも、役人が「資格のない職員が子供たちの世話を?」というくだりがあり、そのとおり、手伝いとしてストリートボーイみたいな子を拾って来てあるわけですが、それはその子を救うためでもあるわけで、やればできる子と見込んでの上で、なわけです。経営者の一人レダ・カティブが「学位があれば気持ちに寄り添えると?」と問い返すのですが、本当にその通りだと思いました。レダは顔こそハンサムではないのですが(と私は思う。ファンの方、ごめんなさい)、いろんな映画に出ていて印象深く、味のある役者さんだなぁ、と思っていました。最初に気づいたのは「愛について、ある土曜日の面会室」でした。いったん気づくと、「黒いスーツを着た男」とか「永遠のジャンゴ」「涙するまで、生きる」とか、結構出てるんですね。個人的にはむしろ「ゼロ・ダーク・サーティ」を覚えてないかな。今回も子供たちに接する深い指導者を演じて光っていました。

 世の中って、本当に理屈ではなくて、誰も悪くなくても、福祉制度が整っているはずの先進国でも、そして子供たち本人がどんなに一生懸命でも、やっぱりままならないことがあまりに多くて、やるせなくなります。電車に数駅乗るのがものすごく大変だとか(リー・リンチェイの「海洋天堂」でも、バスに乗る練習をしていましたね)、ダメとわかっていても非常ボタンを押してしまうとか(火災報知器だったり)、みんなわかってるんだろうけど、やっぱり社会生活を成り立たせるためには黙認できない。優しい人も多いとは思うんだけどね、職場で優しく接してくれるからって、女性職員にへばりつかれても困るんですね、経営者も。本人に他意はないのはわかっているんだけどね。でも、施設に入れるような幼いうちはいいんだけれど、日々大きくなるし、大人になった時が行き場に困るんですよね。これは日本でも同じだし、「海洋天堂」でもそう言ってました。なんでわかってるのに改善されていかないんだろうね。やっぱ、私もそうだけど、生活に余裕がなくて、皆が自分が生きてゆくのに精一杯になってしまうからだろうか。個人的には、自分が子供の頃あるいは若い頃に比べて、いわゆる”作業所”と言われるものは増えているように思いますけどね。

 ヴァンサン・カッセル、今回も素敵でしたね。野性味あふれる若い頃も好きでしたが、「トランス」や「美女と野獣」くらいからぐっと渋くなって、見違えます。どちらも素敵だと思います。

 とにかく、物事がきれいに解決するわけではないのですが、どの子も一生懸命生きているんだということ、そしてきれいごとではなく、救うべき子供たちがまだまだいるのだ、ということを提示する映画にはなっていると思います。そして、頑張っている人たちがいることも。


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