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2020年11月21日17:00

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オフィシャル・シークレット(Official Secrets)

 イラク戦争開戦前夜に英米政府を揺るがせた告発事件を、キーラ・ナイトレイ主演で映画化したポリティカルサスペンス。2003年、イギリスの諜報機関GCHQで働くキャサリン・ガンは、アメリカの諜報機関NSAから驚きのメールを受け取る。イラクを攻撃するための違法な工作活動を要請するその内容に強い憤りを感じた彼女は、マスコミへのリークを決意。2週間後、オブザーバー紙の記者マーティン・ブライトにより、メールの内容が記事化される。キャサリンは自分がリークしたことを名乗り出るが、告発も空しくイラク侵攻は開始され、彼女は起訴されてしまう。キャサリンを救うため、人権派弁護士ベン・エマーソンらが立ち上がるが……。弁護士エマーソン役に名優レイフ・ファインズ、記者ブライト役にテレビシリーズ「ドクター・フー」のマット・スミス。監督は「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」のギャビン・フッド。(映画.comより)







 この事実はどこの国にとっても汚点ですね。アメリカでも似たような題材の映画、すでに作られましたね。イギリスで今、この題材を取り上げる必要があったのか、と個人的には思いますが、実話っていうのは映画化しやすいのでしょうね。

 今回の主役はキーラ・ナイトレイ。キーラ!個人的には大好きな女優さんでした。かわいらしいのに鼻っ柱が強くて。「ドミノ」にころの突っ張ったキーラが一番好きかな。「ジャケット」とか。私はよくウィノナ・ライダーとイメージがかぶってました。だいぶ違うかもしれませんが、なんとなくね。最近はあんまり見ないなぁ、と思っていたのでうれしかったです。あ、「コレット」があったかな。

 明らかな政治的情報操作を知ってしまったら、愕然としますよね。でも自分は機密事項を知りうる立場にあって、それは仕事でもある。義憤やりかたなくても、それを公開するわけにはいかない。自分には家族もある。葛藤するところですね。いつの時代も政府に機密事項はつきものだろうし、結局のところ、庶民は「長いものに巻かれる」しか生きてゆくすべはないんだろうと、凡人の私は思います。昨今の香港だって、最初こそ民主派は鼻息も荒かったけれど、数の力や政治のパワーゲームには勝てなくて、このまま中国の思いのままに進んでしまうのではないかなぁ、と思っています。わからないですけどね。

 いろんなカラクリがおもしろかったです。すごい勇気と手間をかけて公表した記事が結局「捏造だ」とされてしまうシーン。「アメリカからのメールのはずなのに、イギリス英語が使われている!イギリス人による捏造だ!」と突き上げられるのですが、現場で確認するとちゃんとアメリカ英語のメールです。「誰だ!すり替えたのは!」と興奮冷めやらぬ記者たち。すると一事務員が「私がいつも通りに校正しました」と名乗り出るのです。今更何を言っても言い訳にしか聞こえない段になって、誰の悪意でもない、いつもの校正だとわかるのです。事実なんて、こんなものなんでしょうね。

 題材からいうと、今更感のあるもの。また、話の展開も「そうだったのか!」という仰天事実があるわけでもなく(私が気づいてないだけかもしれないけれど)、まぁラスト近くの「見せしめだったのさ」ってところくらいかな、驚いたと言えば。久しぶりに見たジェレミー・ノーサムが歳取ってたことのほうが驚きだったりして(笑)。でも、やっぱりここを一度映画にしないと、イギリスは前に進めなかったのかもしれませんね。日本人にはわからないけれど。

 結局、戦争は起こってしまい、キーラは起訴されます。でも、な〜んかたいした処罰も受けずにうやむやになってしまう感じです。まさに「見せしめにしたかっただけ」なんでしょうね、本当に。個人的には、題材の割にはゆるい映画だったんじゃないかなぁ、と思います。私が鈍いだけだったら、ごめんなさい。
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