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2020年06月06日17:38

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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(Les traducteurs)

 世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をはじめとするダン・ブラウンの小説「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー映画。シリーズ4作目「インフェルノ」出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったという前代未聞のエピソードを題材に描く。フランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売に向けて、9人の翻訳家が集められた。翻訳家たちは外部との接触を一切禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿を翻訳していく。しかしある夜、出版社社長のもとに「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。社長役に「神々と男たち」のランベール・ウィルソン、翻訳家役に「007 慰めの報酬」のオルガ・キュリレンコ、「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のアレックス・ロウザー。「タイピスト!」のレジス・ロワンサルが監督・脚本を手がけた。(映画.comより)









 この頃はコロナ禍もあり、ほとんどと言うかまったく県から出ずに過ごしていました。元々自分の行動範囲が狭いというのもあるのですが、唯一の趣味”映画”でも、都会に出ることを控えていたため、和歌山で上映されていた作品ばかりになっています。この作品も、都落ちの映画。よく落ちてきてくれました。おかげで秀作を見ることができました。

 主演のランベール・ウィルソンは最近「パリに見いだされたピアニスト」でも見ました。良い感じに歳を取って、めちゃシブおじさんになっててカッコいいです。でも、今回の人物設定は浅かった。彼を生かしきれてなかったように思います。話題作の続編を独占発売するにあたって、9か国で同時発売して話題を集めようと、密室の地下室に9か国語の翻訳家を集めて作業をさせる、という設定です。それだけで、金儲け至上主義者かなぁって感じはするのだけれど、でも今まで成功してお金持ちにはなってるし、どこか「なるほど〜」と思えるところもあるような、あるいは文学に対してある種の偏愛を持っているとか、なんかこう、味のある人物造形を期待していました。それは私が彼の見かけやイメージに左右されているだけかもしれませんが。

 お話は、二転三転、遮断されているはずの地下室から原稿は流出するし、今度こそ真実か、と思う暴露があってもまだ違うかったりするし、自分は凡人なので型通りにミスリードされて、アタマ混乱でした。一人カオス(笑)。

 ネタバレするわけにいかないので書きづらいのですが、9人も翻訳家がいたってこともあり、英語翻訳のアレックス以外の人物描写がほとんどないし、少しご都合主義に展開したり、不必要かと思われるシーンがあったり、全体的にもう少し作りこんだ方が素晴らしい映画になったんじゃないかと思うのですが、それでもサスペンスとしては一級だったと思います。個人的には、上にも書いた通り、ランベールがただの強欲男だったことが一番残念。そのせいで、展開は一級サスペンスなのに結末はありがちなものに。

 そうそう、昔何本かの映画で見たエドゥアルド・ノリエガを久しぶりに見れたのがうれしかった。「open your eyes」とか「テシス 次に私が殺される」「novo」とか。あの頃は怖いスペイン映画が結構来てました。「rec」とか(ノリエガの作品じゃないけど)。年代が少し前後しているかもしれません。ともかく、懐かしかったのです。オルガ・キュリレンコも出てます。相変わらず美しい。見る価値ありです。

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