mixiユーザー(id:39816565)

2020年06月04日17:19

246 view

ジュディ 虹の彼方に(Judy)

 「オズの魔法使」で知られるハリウッド黄金期のミュージカル女優ジュディ・ガーランドが、47歳の若さで急逝する半年前の1968年冬に行ったロンドン公演の日々を鮮烈に描いた伝記ドラマ。「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズのレニー・ゼルウィガーが、ジュディの奔放で愛すべき女性像と、その圧倒的なカリスマ性で人々を惹きつける姿を見事に演じきり、第92回アカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞など数多くの映画賞で主演女優賞を受賞した。1968年。かつてミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨したジュディは、度重なる遅刻や無断欠勤によって映画出演のオファーが途絶え、巡業ショーで生計を立てる日々を送っていた。住む家もなく借金も膨らむばかりの彼女は、幼い娘や息子との幸せな生活のため、起死回生をかけてロンドン公演へと旅立つ。共演に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のフィン・ウィットロック、テレビドラマ「チェルノブイリ」のジェシー・バックリー、「ハリー・ポッター」シリーズのマイケル・ガンボン。「トゥルー・ストーリー」のルパート・グールド監督がメガホンをとった。(映画.comより)







 ジュディ・ガーランドは、「オズの魔法使い」を大人になってから録画で見ただけで、他の作品を知らないのです。歌も全然知らなくて。なので、今回才能があるからという理由で、子供のころから制限されまくって生きてきたジュディの一生を見て、とても驚きました。いやもちろん(その昔日本で人気があった)エマニュエル坊や(黒人)は成長抑制剤を飲まされている、とか、ドル箱となる子供の信じられない扱いは、今までにも聞いたことがあります(デマかもしれませんが)。そのたびに同じことを考えてました。「親は黙っているのかな」って。だって、いくら今は小さくてかわいいからって、成長なんか抑制しちゃうと、将来どうするんですか?そんなことでお金をもらっても、先のほうが長い人生、どう過ごすんですかって。

 今回のジュディも、見かけを維持するために(要するに太らないために)子供のころから厳しい食事制限をされています。ケーキなんか、1ピースをまるごと食べたことがありません。ハンバーガーもダメ、ポテトなんて論外です。学校だって、ちゃんと行けてたんでしょうか。見た目を制限するのに、ちゃんと栄養は計算されてたのでしょうか。どんな世界でも、勝ち残るためには人がやらない努力をし、幼い頃からのいろんな制限はある意味当たり前なんでしょうが、日本の歌舞伎界のように、親がすぐそばにいるのと、専門家にまかせてしまうのとでは、かなり違うような気がします。私は「シャイン」のデビット・ヘルプゴットを思い出しました。小さい子供には酷な世界なんじゃないでしょうか。

 映画はジュディの晩年を描きます。栄光は過去のものとなり、今は経済力も仕事もなく、子供を取り上げられそうになっています。本人は子供との生活を守るために必死ですが、もはや住むところもありません。それでも、彼女の熱烈なファンは存在し、そのおかげで仕事が舞い込むことも。そこへ降ってわいたロンドン公演、お金が必要だった彼女は起死回生をかけて挑みます。

 ボロボロになった彼女には、出待ちをしてくれるファンもありません。唯一、待ってくれていたのは彼女のコアなファンだというゲイカップル。当時は同性愛者は逮捕されるような時代、それでもファンをやめずについてきてくれる彼らと、ジュディは心を通わせます。ここは本当に暖かいシーンでした。彼らは、ジュディが死ぬまで公演に足を運び続けてくれたのです。普通に働いているし、誰に迷惑をかけているわけでもないのに、同性愛者だというだけで逮捕される現実に腹が立ち、「チョコレートドーナツ」を思い出したりしました。今はそんなことないだろうけれど、そもそも人の嗜好なんて、他人に関係ないじゃないか!とか思いました。

 それでも、ジュディはジュディ。どんなに体がボロボロでも、一度舞台に立てば、やっぱり素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるのです。さすがですね、一生をかけて培ってきたものって、やっぱりすごいですね。早世だったことは残念ですが、凡人ではない人って、人生における一瞬のきらめき、それこそが才能なのかもしれませんね。
2 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する