2/17(月) さいたま芸術劇場 大ホール 13:00〜16:30(休15)
作 W.シェイクスピア
翻訳 松岡和子
演出 吉田鋼太郎
出演 阿部寛 吉田鋼太郎 金子大地 宮本裕子 山谷花純 谷田歩 河内大和 他
彩の国シェイクスピアシリーズ第35弾。吉田鋼太郎演出3作目。
「英国王室史上、最もスキャンダラスな王」と言われるヘンリー八世。
政権のためには容赦なく配下を切り捨て、王妃を替える。(六人も・・・)
事前のシェイクスピア勉強会でしっかり予備知識も得て、満を持しての舞台です。
蜷川さん色もだいぶ薄めていきたい鋼太郎さんの独自性もちょっと期待しながら・・・
お話は…ヘンリー八世の寵愛を受け、出世のために策略をめぐらす枢機卿ウルジー(吉田)の
栄華と転落、熾烈な地位争い、王妃の女官に心を奪われた王の横暴な離婚と結婚・・・
エリザベス女王洗礼の祝祭などが描かれる。
王妃キャサリン(宮本)、ウルジー、バッキンガム公爵らの去る者の台詞の妙。
地位を守るクランマー(金子)や、公爵たちの動向に対し、
「はっ」の一言ですべてを牛耳るヘンリー八世(阿部)の存在感が大きい。
その最強の王でさえも・・・王子(後継者)が生まれないことに悩む姿も露呈する。
人間の傲慢さ、弱さ、全てを許す心・・・晩年のシェイクスピアの心象を感じさせる場面が、台詞が散りばめられる。
もちろんエリザベス万歳も強調される。
入り口で受け取った小旗を振る…いつの間にか観客が熱狂的な市民になる。
(巧みな観客取り込みです)
衣装も、貴族たちの英国紳士っぽいスマートないで立ちと、宗教色豊かな豪華さが良いバランスになっていた。
音楽がチェンバロ的(?)な音色で、とても印象的でした。
(パイプオルガンが塔のようにそびえている。)
役者と演出を熟した鋼太郎さん。面白かったです!
勉強したおかげで、理解は深くなったけど、単純に楽しむ気持ちも捨て難い。
シェイクスピアその人の人生や考え方にも興味が出てきてしまった。
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