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2020年09月22日02:39

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プロDD・M 〜その24

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

「多少は手こずったが、もうこれで終わりのようだなァ、コウヘインゴ」
「……」
「吐け。黒幕は誰だ?協力者の名前は?教えれば、命だけは助けてやってもいいぞ」
「あ、あ、」
「そうだよなァ、命は惜しいよなァ?なんだ、声が出ないのか?聞いてやるぞ」
 そう言って、アネンゴは倒れている俺の方に屈み、耳を傾けた。
「ア、ネ、ン、ゴ、の、ク、ソ、バ、カ、ヤ、ロ、ウ」
「てめぇええええええええええ!!!!………こいつ、もう死んでる」


 ……俺はトランゴ。コウヘインゴから請け負った依頼達成の為、アッキーという人物を探している。
 いろんなコンカフェで遊び尽くし、ついに、目的のアッキーの居場所を突き止めた!
「……長かった」
 名残惜しいが、コンカフェ巡りも今日で終わりか。また後で来よう。
「……あなたがアッキーか?」
「そうだけどー?俺に何か用かい?」
「……コウヘインゴから預かった物を渡しにきた」
「コウヘインゴから?そっか…。これを自分で届けに来ないってことは、彼はもう…」
 ……どういうことだ。さっぱりわからん。
「……いったいこれは何なんだ?」
「これはね、パーツなんだ。ある男のね、パーツなんだ」
「……ある男??」
「報告によると、アネンゴに手足胴体はバラバラにされ、粉々にされたって聞いてたけど、頭部だけは、コウヘインゴが回収してくれたんだ」
「……アネンゴに?それってまさか」
 これが、コウヘインゴの言う希望の意味なのか。


 僕はオーハシンゴ。勇者とまで持て囃されたが、最近何も活躍していない。
 今は逃亡の最中だが、助けに来るはずのDDが来ず、結局、妻トアピの友人のナギヒコのお世話になっている。
「とりあえず、話は通してあるっちゃ!DDの里はもうすぐっちゃ!」
「ありがとうナギヒコ、助かったよ」
 トアピがお礼を言う。僕も何か目立つことがしたい。
 すると、国境付近で、奴が現れた。
「ナギヒコ〜!どこ行くんだよ〜!構ってくれよ〜ナギヒコ〜ナギヒコ〜!」
「四天王!オルマンゴ!!」
 こんなところで待ち伏せていたのか!
 よし、ここは勇者たるオーハシンゴの出番だ!
 前へ出ようとする僕を、ぐいっとトアピが制止した。
「オーハシンゴ、バット」
 僕はトアピに、黙ってバットを差し出した。
「な、なんや〜?わしとナギヒコの邪魔するなよ〜」
「女の敵、ストーカー。この私が成敗する」
「なんやて〜?酔うとってよう聞こえんわ〜」
「オーハシ流フルスイング!!」
「ぽんぽこぴー!!」
「あなたはナギヒコ出禁よ!!」
 あー…オルマンゴの首から上がトアピのフルスイングで遙か彼方へ吹っ飛んでいったなー。
 それにしても、トアピ、いつの間にあんな技を…。末恐ろしいな。

 俺の名はマルス、プロのDDだ。ついに任務を達成した俺達は、DDの里へ帰るところだ。
 そして、俺達は険しい崖の上に到着した。
「ここを抜けられるのか?」
「あー、近道ですよ」
「どうやって抜ければ…」
 俺が思案していると、突然ブルーベアーが笑い出した。
「くっくっくっ…」
「ど、どうしたんだ、ブルーベアー」
「あーはっは!これが笑わずにいられますか!おかしい!おかしいったらありゃしない!」
 本当にいったいどうしたんだ、あの冷静なブルーベアーがこんなにも笑うなんて。
「あなた、まだ気づかないんですか!?」
「え…?」
 気づくと、腹にナイフが突き刺さっていた。
「ど…う…して…」
「察しが悪すぎてお話になりませんね」
「ブルー…ベアー…」
「冥土の土産に教えてあげましょう!私の本当の名は、アオクマンゴ!林檎の女神様の忠実なる僕!!」
「まさか…最初から…」
「むしろ、気づかなかったのですか!?どうしてあんな寂れた道場にアネンゴが来たのか!どうしてナギヒコの屋敷にサエカピが待ち伏せていたのか!」
 冷静に考えれば、おかしなことの連続だった…。
 そうか、そうだったのか、全てブルーベアー…いや、アオクマンゴの仕業だったのか…。
「くそ…」
 俺は最後の力を振り絞って、アオクマンゴから離れた。
「どっちにしろ逃げ場はないんですよ。ちゃんと上には、マルスは勇敢に戦ったと伝えておきますから」
「ふ、ふふ…」
「何!」
 俺は、誰かの手にかかるぐらいなら自分で死んでやらぁ…
「うわぁーーーーーーーーー…………」
 こうして俺の身体は高い崖から落ちていった。
「悪あがきを…まぁ、あの傷で、この高さから落ちて、万が一にも助かるわけがありません。さて、今回の任務も終了です。ふふふ」

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