今年の３歳馬はとにかく怪物級が多い。
それは２歳の時から、圧倒的な存在感のあった馬が
多いということ。クラシックレースでなくとも、
３歳G�気�らは目が離せません。
第25回 ＮＨＫマイルカップ (Ｇ��)
東京競馬場 芝1,600ｍ 3歳 国際 定量
２歳重賞で、レースレコードが乱立したのが昨年。
東京の芝コースでは、２歳馬のレース４部門の
距離において、昨年はその４部門すべてで
レコードタイムを塗り替えました。
そのうち２部門は国内レコードです。
札幌で２部門、中山で２部門、中京で１部門、
阪神で３部門(５部門中の３部門)もあります。
合計１２部門でレコードタイムを更新している、
本当に怪物級が集まったのが今年の３歳馬たちです。
ここまで３歳馬に出場の機会が与えられてきた
G�汽譟璽垢�、合計で５レースあり、
４頭の馬がG�鞠呂留標�に輝いています。
その４頭中、いずれかの部門でレコードタイムを
保持していないのは、桜花賞馬のデアリングタクトだけ。
それ以外の３頭はレコードタイムの保持者です。
各レースの２着馬までを含めると、合計７頭いるうちの、
レコードタイム保持者は５頭もおります。
ものすごい層の厚い中で競り合っており、
こうした実力のある馬が、
確実に上位に食い込んでいるわけです。
ＮＨＫマイルＣは、３歳クラシックとは別路線の
レースではありますけど、いずれここから安田記念を
目指す馬などが現れる登竜門ともなります。
このレースにも、レコードタイムの保持者が２頭、
しっかりと顔をそろえてきております。
1枠2番 タイセイビジョン
キャリア５戦で３勝２着２回。そのうち重賞でも４戦で
２勝をあげている、驚くべき安定感の持ち主。
そして２歳馬の東京芝1,400m部門でレコードタイムを
保持する強者です。
ついでにいうと重賞での2着のうちその1回は、
朝日杯ＦＳ(阪神Ｇ�機┝�1,600m)。ということは、
その時の優勝馬が皐月賞2着のサリオス。
サリオスは2歳馬の東京芝1,600mでレコードタイムを
更新している馬です。この時のレースはレコードタイム
保持者同士のワンツーフィニッシュでした。
それだけでもハイレベルなレースだったことがわかります。
しかもそのサリオスは、先日の皐月賞でコントレイルから
わずか0.1秒差の２着ですからね。
ちなみにそのコントレイルは、２歳馬の芝1,800mで、
国内レコードを保持している馬なんです。
本当になんというハイレベルなのか、ここ数年で、
これほど上位が圧倒的に強い世代を見たことがありません。
そしてこのタイセイビジョも、これら上位グループの一角を
担う１頭であることは間違いありません。
父はナイトシフト系というノーザンダンサーの流れをくむ
血統なのですが、日本ではそうとう馴染みがないです。
StジェームズパレスS(1,600m)からKG＆QES(2,400m)と、
幅広い距離でG�気鮴�したアザムールを輩出したことで、
一躍有名になりました。父のタートルボウルはマイルG��
1勝をあげているフランスの馬です。
そこに母父がスペシャルウィークという組み合わせですので、
もしかするとマイル以上でも活躍できそうな予感を
感じさせます。このレースのレースぶりいかんでは、
このあとダービーという可能性もあるのかも。
2枠3番 レシステンシア
出走18頭中で唯一のG�鞠蓮�２歳女王の登場です。
阪神JF(阪神Ｇ�機┝�1,600m)で優勝。それもその時の
タイムが阪神ＪＦのレースレコードでもあり、
阪神の２歳馬芝1,600m部門のレコードタイムでもあります。
そんな圧倒的な力の差を見せつけて、見事に２歳女王に
輝きました。明けて３歳になり、残念ながらここまでは
未勝利ですが、２着１回、３着が１回。
その１回の２着というのが、先日デアリングタクトとの
デッドヒートを演じた桜花賞(阪神Ｇ�機┝�1,600m)です。
あの競り合いを制したデアリングタクトも強いのですが、
レシステンシアの方も負けてなお強しという印象を与えました。
３歳牝馬の中でもこの２頭はやはり抜きに出ています。
父がダイワメジャー、母系はデインヒル系で、
この組み合わせだと、おそらく桜花賞以降はマイルの方へ
進むのかなと思っていました。その予想通り、
お得意のマイル、しかもダイワメジャー産駒ですから、
東京のマイルは大の得意なのではないかという気がします。
東京コースは初体験なのですけど、それを不安材料に
しないのは、父がダイワメジャーであるからこそですね。
7枠14番 ルフトシュトローム
ニュージーランドＴ(中山Ｇ�供┝�1,400m)の優勝馬として、
これまた不気味な一頭が現れました。
ＮＨＫマイルＣのステップレースとして、重要な一角を
占めるのがニュージーランドＴです。過去１０年で、
ニュージーランドＴの優勝馬が１頭、２着馬が１頭、
３着馬が２頭と、ニュージーランドＴの３着以内だった
馬が４頭、このＮＨＫマイルＣを制しています。
近１０年でのこの勝率は、桜花賞の上位組とも並ぶ成績で、
このステップレースがＮＨＫマイルＣ戦線を占ううえで、
いかに重要なのかがお分かりかと思います。
そしてこのルフトシュトローム、キャリ３戦で３勝無敗。
ここにきて、無敗のまま重賞を制した馬が出現したわけです。
父が高松宮記念を連破したキンシャサノキセキというあたりが
とても渋い。今後のマイル界、あるいはスプリント界を
引っ張っていく存在になりそうな予感がします。
母父がキングカメハメハですので、母系からのスタミナの
底上げも期待でき、スプリントだけではなく、
マイルでも通用しそうだと感じるのはこのあたりです。
ここから未来のマイル王が生まれるのでしょうか。
8枠17番 サトノインプレッサ
もう一頭キャリア３戦で３戦無敗。
無敗のまま重賞の毎日杯(阪神Ｇ�掘┝�1,800m)を
制して重賞ウィナーになった馬です。
上位２頭でもお腹いっぱいなのに、ここで無敗の馬が
２頭も出てきてしまうあたり、本当にどうなってんの？
と言いたいところですね。
父がディープインパクトで、母はサンチャリオットＳ
というＧ�気鬘穫�覇したフランスの名牝で、
血統でいえばミスタープロスペクター系です。
マイルももちろんいけるでしょうけど、
もしかすると、さらに長い距離も狙えるのかもしれません。
ここで優勝あるいは上位入賞して賞金を底上げして、
ダービーも視野に入れているのかもしれません。
興味深い一頭です。
3枠5番 シャインガーネット
オルフェーヴル産駒の牝馬。
前走はファルコンＳ(中京Ｇ�掘┝�1,400m)を制して
重賞ウィナーになりました。
キャリア４戦で３勝４着１回と、成績の上でも、
大負けしたことはありません。なかなかの安定感です。
父がオルフェーヴルですので、その自在な脚質を
使いこなす器用さが魅力の血統ですし、
母父はゴーンウェスト。ミスタープロスペクター系に
連なる血統ですが、ゴーンウェストからはザフォニック
などの名馬を生みだしているこれもメジャーな系譜です。
ゴーンウェスト自身は、マイルもクラシックディスタンスも
こなしていた馬ですので、オルフェーヴルの持つ適距離の
広さと相まって、今回のマイルから、さらに長い距離も
見据えているのかもしれません。
このあとはオークスへ向かうのか、将来的にヴィクトリアＭ
に向けていくのか、その方向性を占うレースになるのかも。
ニュージーランドＴの３着が8枠18番 ウイングレイテスト
このレースの優勝馬、ルフトシュトロームの不気味さを
考えると、そんな馬の３着ということに、同じような
不気味さを感じます。この馬は朝日杯でサリオスとも
対戦があり、勝ち切れてはいないものの、こうした
強敵との対戦を経験している分、経験値の上で評価が
高いです。
そしてアーリントンＣでタイセイビジョンの３着に
入ったのが2枠4番 プリンスリターン です。
アーリントンＣの上位組からもＮＨＫマイルＣ優勝馬は
たくさん現れており、この路線からの上がり馬も
要注意なんです。タイセイビジョンが恐らく最も
注目される馬になるでしょうから、比較対象的に
この馬も軽視できない存在だと感じます。
これほど目移りするのはＮＨＫマイルＣとしては
本当に珍しいことかもしれません。
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