前回秋華賞は桜花賞馬もオークス馬も出走しない
という異例な三冠の最終戦になりました。
今年はそういう年なのでしょうか？
まさか牡馬でも…とは思いませんでした。
第80回 菊花賞 (Ｇ��)
京都競馬場 芝3,000ｍ 3歳 国際 馬齢
第80回という記念大会なのですが、
皐月賞馬でＧ��2勝のサートゥルナーリアは、
天皇賞(秋)の路線へ舵を切ってしまい、
ダービー馬ロジャーバローズは脚部不安で引退。
昨年の2歳チャンプのアドマイヤマーズはマイル路線へ
進んでしまったので、なんとこの菊花賞でも、
秋華賞同様Ｇ�鞠呂�1頭も出ません。
しかも出走18頭中で重賞ウィナーが4頭という、
本当にめったに見られないメンバーとなりました。
どうしてこんなことになってしまうのだろうか？
やはりクラシックのレース体系が難しいのかもしれませんね。
日本の3歳馬クラシック路線は、ご存知の通り、
英国の3歳馬ローテーションを範にして設定されています。
第1戦の英2000ギニー(英Ｇ�機┝�8ハロン)が皐月賞、
英ダービー(英Ｇ�機┝�12ハロン)はもちろん日本ダービーです。
英国の英セントレジャー(英Ｇ�機┝�14ハロン115ヤード)が
3戦目にあたる菊花賞と相当のレースです。
英国でも2000ギニー、ダービー、セントレジャーの
3戦を制覇した3歳馬が英国三冠と呼ばれますが、
史上15頭現れておりますけど、英国競馬の長い歴史に比べると、
かなり少ないです。しかも最も近年の三冠馬というと、
49年前(1970年)に三冠馬となったニジンスキー以来
現れておりません。
達成するのが難しいのではないのです。最近は二冠まで
達成した馬ですら、凱旋門賞や英チャンピオンＳに回ってしまい、
セントレジャーに出走する馬が少なくなってしまいました。
つまり、2,000ｍ前後で走る馬にとって、3,000ｍ前後の
距離を走らせる挑戦をしなくなっているのですね。菊花賞でも
同じようなことがいえる時代になってきたのでしょうか。
さて、そうするとこういうレースになった場合、
どういった馬を選んでいくといいのかですね。
最近のセントレジャーはやはり長距離馬の独壇場になっています。
そのことから考えると、長距離の適性は絶対考慮すべきですね。
7枠13番 ヴェロックス
皐月賞でサートゥルナーリアの2着に入った馬です。
こうした大きなレースでも活躍できる馬というのは、
最終的な競り合いでの強さに力を発揮します。
重賞経験の少ない他馬と、こういう馬との力の違いが
こういうところに出てくるんですね。
ダービーでも3着ですので、距離延長を苦にしませんし、
父のジャスタウェイはハーツクライの子で、サンデー系ですけど、
新進気鋭の種牡馬の中では結構優秀な子を輩出してきています。
Ｇ��2着という子がこれで2頭も出てきていますし、
かなり早いうちにＧ�鞠呂�誕生するような気がします。
母系はブランフォード系という珍しい血統にあたりますね。
母父のモンズーンはアラルポカル(独Ｇ�機┝�2,400ｍ)の
優勝馬ですし、わりと長距離の方が得意なようです。
ただしヴェロックス自身も重賞優勝はなく、
2着ないし3着ばかりです。
それでもこの馬の力を評価できるのは、重賞経験が多い中では、
一番大崩れしたことが無い馬だということですね。
これほど新人ばかりが集まるレースとなると、
本当に評価も難しくなります。
3枠5番 ワールドプレミア
こちらも重賞優勝の経験のない馬ですけど、
3着以内という着順から落ちたことが無いという点で、
安定感はあります。前走でサートゥルナーリアとの対戦をしていて
なおこの着順であることに、力は十分にあることを感じさせます。
問題はどの馬にも言える問題、この距離に対する経験が未知数。
2,400ｍを走っても失速した感はなかったので、長距離でも
いけるとは思うのですけど、このあたりが本当に難しいです。
前走の神戸新聞杯(阪神Ｇ�機┝�2,400ｍ)では、
サートゥルナーリアが優勝の、ヴェロックスが2着。
この馬が3着でした。重賞経験のある馬の中では、
サートゥルナーリアとの比較からいって、このヴェロックスと
ワールドプレミアの評価が高くなるわけです。
父はディープインパクトですので、あの天才的な瞬発力が
期待できることと、母父のアカテナンゴといえば、
ドイツのＧ�汽▲薀襯櫂�ルとバーデン大賞(独Ｇ�機�2,400ｍ)
を連覇した長距離の名手。この長距離の血筋が母系に入ることで、
スタミナの強化が期待できます。この馬、長距離は強そうですね。
1枠1番 ザダル
前走セントライト記念(中山Ｇ�供┝�2,200ｍ)で3着に入りました。
いわゆるトライアル上がりの馬ですが、もともとダービーＴＲの
プリンシパルＳ(東京ＯＰ；芝2,000ｍ)でも優勝しており、
そこからもしっかりと路線を踏んできた馬でもあります。
ただダービーを回避せざるを得ないなど、大舞台になかなか
恵まれてきませんでした。
セントライト記念までの3戦では無敗の3連勝で勝ち上がってきて、
ダービーなども順当に勝ち上がってこられれば…という
期待もされたのですが、そこは調整の面で運がありませんでした。
秋から再び再調整をしてきて、ここに駒を進めてきました。
もちろん重賞は未勝利ですが、キャリア4戦で3勝1敗3着1回
という安定感を誇ります。
父はトーセンラーでディープインパクトの流れの血統です。
その中でもトーセンラーは天皇賞(春)(京都Ｇ�機┝�3,200ｍ)で
2着という好成績をあげながら、
マイルＣＳ(京都Ｇ�機┝�1,600ｍ)を優勝するという、
驚異の距離適性の広さを持っています。というよりもむしろ、
距離に関係なく、京都であれば抜群の適性を発揮するという
馬で、その点がこの馬にどう伝わっているかに期待です。
母父はキングマンボ系のレモンドロップキッド。
この馬自身はベルモントステークス(米Ｇ�機┘澄璽�2,400ｍ)の
優勝馬ですので、距離が長くても力強い踏み込みが維持できる
という点が魅力的な血統ですね。
両親ともに長距離に強いのが、この馬の魅力です。
7枠15番 ホウオウサーベル
とにかく長距離に強そうな血統ということで目を引きます。
競争実績については、まだこれからの馬なのですが、
血統から見たポテンシャルでは、この距離はまさに適距離です。
父がハーツクライで、母父がアカテナンゴです。
アカテナンゴは先ほどのワールドプレミアと同様ですね。
同じアカテナンゴを母父にもつという点で、ワールド
プレミアと血統の上では同質の馬です。そうなると、
レース経験の豊富なワールドプレミアの方が評価は
高いといえるのですが、まだ本当に底を見せていない
という、秘めた爆発力の存在を感じます。
今回のようなメンバーの時は、秘めた爆発力が
発揮された馬に、ポッと優勝が転がり込むこともあります。
1枠2番 ニシノデイジー
2歳時にはずいぶんと活躍し、朝日杯の時は注目馬でも
ありました。3歳になり、サートゥルナーリア等と
対戦するようになり、少し影をひそめてしまいました。
ということは、サートゥルナーリア等が出走していない
菊花賞ならば…という意図で出走してきただけでは
ありません。ホープフルＳ(中山Ｇ�機┝�2,000ｍ)では
サートゥルナーリアに0.3秒差の3着で、
十分に迫ったといえる強さを見せました。しかもこの距離
よりもさらに距離を延ばした方が強さを発揮します。
血統でいえば父はＫＧ＆ＱＥＳ(英Ｇ�機┝�2,400ｍ)優勝の
ハービンジャーで、ダンジリの流れ、
母父がアグネスタキオンですので、中距離のスピード
タイプというようにも感じますが、こうしたレースの
様子を見ていると、2,400ｍよりもさらに長い方が
好きなのかもしれないと感じます。
菊花賞でその適性が発揮されるでしょうか。
母父がマンハッタンカフェの6枠12番 レッドジェニアル は
母父の血統だけでも長距離の名手という期待をもたせてくれます。
菊花賞はこれほどまで、距離適性が強さを発揮することが
ありますからね。実績が全くない馬でも、適性さえあえば
ということが時折あります。その点ではこの時点までで、
最も距離の長いレースを経験している馬も要注意です。
4枠7番 ヒシゲッコウ 距離適性という点だけで、
考えた場合に、ルーラーシップ産駒であるこういう
馬がその適性だけでぶっちぎってしまうこともあるかも
しれません。
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