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2016年07月29日23:06

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アメリカ民主主義の生命力、自浄力・復元能力、他の国が真似が出来ないようなスケールの大きさ、汲み尽せない様な力強さ、可能性を信じよう。―民主党大会第二弾論評。  塩見孝也

●僕は、本日30日(土)始めて、この大会の全体像、とりわけヒラリーさんの素晴らしい受諾演説を全部、通して視聴し、実感を持って掴むことが出来ました。サンダースさんとヒラリーさんらとの意見交換・交渉過程の具体的な過程もサン氏スピーチで確認しました。
 そして、サンさんが、予想以上に、説得力を持って、サン潮流の綱領をヒラリー氏に取り入れさせていることが分かりました。取り入れていった点で、ヒラリーさんはまったく、過去の経緯があったとしても、虚心に自己を改めていること。それを、「背に腹は変えられない窮余の一術策」と考えるのは余りにも低次元と言える。
 ヒラリーさん(民主党指導部)が、この大会を前にして、紛れもなく、格調高い思想的なパラダイム・チェインジを行ったこと。 つまり、この日記の表題「アメリカ民主主義の生命力、自浄力・復元能力、他の国が真似が出来ないようなスケール大きさ、汲み尽せない様な可能性」へとチェインジして行っていることを僕に確信させた。
言い替えれば、ヒラリーさん達は、この大会において、これまで受身、防御的関係にあった対トランプに対して、このサン潮流の思想を吸収し、この地平をしっかりと自覚し、ここからトランプ氏に対して、切り返しを行える地平に立った。つまり、トランプ批判の強烈な<管制高地>、<武器>を獲得して来ているということ。それは、今後の本選で、必ずや、トランプ氏を打ち負かして行くであろう。
  一日目の大会に、実は最大の難関があった。それは、ヒラリーさんの私用携帯で公事を行ったこと。ヒラリー、サンダース双方に、公正・中立であるべき選対委員長が、ヒラリー氏に肩入れしたこと。それが、皮肉なことに、外国のプーチン・ロシアのハッカー部隊から暴かれたこと。ウオール街との癒着とその対極のサンさん達の格差社会批判に態度を曖昧にする態度、これらの諸点がサン潮流を推進する人々(そして、僕等にも)に相当のシニシズムを憑依させ、頑(かたく)なにしてきたこと。オバマ政治の「レガシーの継承」も、これではシニックに見えもするのである。
 ●人は、自分が破局か、飛躍かの二者択一の崖っぷちにに追い込まれれて行く時、過去に拘り、限りなく頽落してゆくか、過去を反省し、跳躍し、ワープしてゆくかの絶対的岐路に立たされることがある。 ここで、ヒラリー氏等民主党指導部は虚心坦懐となり、正に虚心にサン潮流の綱領を取り入れて行ったのである。
 これは、宗教的「神の啓示による奇跡」の事柄であろうか?断じて、そうは言えない。アメリカ人が歴史的に創造し、アメリカ社会の固い固い岩盤となっているフロンティア精神の為せる技、と言わなければならない。
 アメリカ民主主義の歴史には、この「奇跡」を可能にしてゆくような、自浄能力、復元力、他の国が真似が出来ないような強靭な<想像力><創造力>を基とする<生命力>、<強さ>が秘められていたからである。
 メイ・フラワー号やピルグリム・ファーザーズ以来の生き抜くための開拓者精神、フランスと先住民の連合と闘った歴史。(※先住民差別には、人類が許容してきた、悲哀感無しに辿ることの出来ない理不尽さが、いつまでも、留意されなければならない。映画「モヒカン族の最後」や「モフォークの太鼓」をご覧下さい。) イロクオイ連合民主主義をアメリカ憲法に取り込んでいったこと。イギリス国王体制からの訣別した独立革命、なんと60万人以上の犠牲を出した南北戦争らの国の生い立ちに植え込まれた筋金(やき)入りの自由と民主主義の精神は、クニが崖っぷちに立つような歴史的事態に遭う度にに、必ず必ずアメリカ人のインスピレーションのなかに、その姿を顕在化させるのである。国(クニ)の危機のたびに、蘇生してくるのである。
 これは、ロシア10月革命後のレーニン指導下の民主主義、その後に続く<ソ連スターリニズム>の<民主主義の擬制(スターリン独裁の恐怖政治)>、あるいは、すぐに官僚専制支配に変質して行く唯生産力主義を土台とする覇権主義や拡張主義の中国や朝鮮国の王朝・世襲制政治の底の浅さ、「民主主義(実は<封建社会主義>)」とは訳が違うのである。この筋金入りのアメリカ民主主義こそが、実はフランス革命の原動力であったこと。
 この復元力、自浄力、想像力、創造力ららの広大さ、生命力が<大いなるアメリカ人>の<善良さ>を育てていったのである。この善良性、≪愛が憎しみ≫を超え、隣人に奉仕し、ともに連帯し、生きてゆくこと、<みんなの団結>、<皆で結束して生きて行く>生き様を、僕等は根底的には信じて行く必要がある。 社会主義を選択してゆく場合の、母胎であるべきなのだ。
 実を言うと、この<強さ>を意外と昔から、人には言ってこなかったが、僕は固く信じていたのです。今回、この生命力、可能性はサン潮流として最初に蘇生され、それがヒラリー氏を先頭に民主党全体に伝播、蘇生して行ったこと。
 これに、大きく見て、対等か一馬身秀でているのが、キューバ革命の民主主義と言えます。キューバ革命民主主義は、本当は別格なのですが。
● 一日目は、民主党選対委員長のルール違反が指摘され、辞任したという波乱から始まった。 その後、バーニー・サンダースさんが登場し、ヒラリー支持をアッピールした。その内容、理由は、サン潮流の選挙綱領を大幅に取り入れられていったこと、その経過の報告であった。
 ★ ウオール街を規制する事、格差構造を是正してゆくこと。勤労人民、労働者の労働、生産、教育の不平等、貧乏人の子弟の学習、教育、研究条件の整備が約束されたこと。
 ★最低賃金制を実行すること。★ウオール街や企業の内部蓄積金を税を掛け、拠出させること。
 ★トランプの「女性を豚」というような差別をなくすこと。
 ★格差を拡大してゆくTPPに慎重になること
 ★中国の狡猾にして品性無き元減価(中国はアメリカと同じように陰で輪転機を回し、造幣する抜け道を覚えた。)や為替操作や知的所有権の無視と闘うこと。理不尽極まる「国際秩序の≪力による現状変更≫」を決して容認しないこと。
 これらの選挙綱領委員会の討論内情がサンダースさんによって報告された。
 こうされてゆく度ごとに、僕のシニシズムは少しずつ薄らぎ、頑なさは融けて行きました。
★ この論点に於ける解決策が確認されてゆけば、オバマ氏やヒラリー氏らの得意分野である人種差別、ヒスパニック差別、黒人差別、先住民差別、アジア人差別に反対する立場、主張は「時とところを得る」こと。
★<信仰の自由>の厳守はあくまで許容されてゆくべきこと。

教育・経済差別・貧困の課題が確認され、共通政策となれば、これと両々相まってこれらの反差別・平等の見地は輝いて行きます。決して、「雑炊」ではなく、<多様性の包括能力の開花>となって行きます。
● 同時に、民主党でも、僕でも、持っていたトランプ批判はこれまで以上に鋭く対象化されて、その批判の刃は研ぎ澄まされて行きました。
ヒラリーさんは、トランプ批判において、次の如く、以下断言する。
 a,女性を「豚」と差別し、蔑視すること、断じて許せないこと。
 b,ヒスパニック系判事を「相応しくない」と断言し、批判すること。「壁を作る」という言葉で、ヒスパニックを排除しようとすること。
 c,ワスプ中心で、平気で、人種、民族、先住民、アジア人を差別すること。
 d,「自分はヒラリー氏と違って、イスラム原理主義のISらを誰よりも知悉している」と根拠もなく大言壮語を重ねること。
 e、一応、格差を生み出すにしても、グローバリズムは互恵・互助を形式上は原理としていること。  したがって、競い合いつつも、今のプラグマチックでマキャべリスティックな中国政治の底の浅さ、始めは「猫を被り」、「時到れば豹変する」「原理・原則無き戦略−戦術」主義。とは言え、このような今の中国政治に1対1的に対応し、簡単に中国と訣別してはならないこと。しかし、「無法極まる力の変化に応じた力によるな現状の変更」を許さないこと。このマキャべりスティックな政治と毅然として闘うこと。このような対応が分からず、トランプ氏は、冷静さを失い力みかえるだけなこと。
 f、同盟国に<応分の負担>を要求すること。応じなければ、「引きこもること」の無責任さ。ここまで登りつめてきている<アメリカ>には、第一次、第二次世界大戦時におけるようなモンロー主義に回帰することは許されないこと。解決方向は、アメリカ的民主主義を通じて、無階級の人類共同体の方向しかないのである。
 g、概して、トランプは自分中心主義、ある種の「英雄主義」「(悪い意味での)マッチョイズム」、「ヒットラー」まがいの独裁政治への憧憬、それを<強さ>と錯覚し、アメリカを作り変えンとしていること。これは、冷静に、客観的に国際情勢の現状を分析してゆくことを放棄し、一方では「強がり」を言いつつもこの<虚勢を張る心理、感情>、≪下意識(げいしき−フロイト)≫の心理の根底には、「(底が深い)悲感主義」があり、隣人、他民族、他国家に対して、強い<恐怖心>を持っていること。独善主義で、国際間でも、国内においても、相手を中傷する排外主義で分裂、分断、孤立を志向する体質。これこそ、ヒットラーと何処が違うのか!。
 h,ヒラリー氏は、トランプ氏がアメリカ民主主義の歴史的に形成されてきた<真の強さ>を何も理解していず、反対に、批判、否定、破壊しようとしているのだ。判断力は粗雑で、感情の起伏が激しく、こんな資質の人物に核の引き金をゆだねることは出来ない、とヒラリーさんは断言する。
これは、当たっていること。世界には、男性よりも優秀な女性指導者は輩出しており、女性だからといって大統領の資質を備えていないとは断じて言えないこと。これらの言はまったくもっともなことである。
 ヒラリーはトランプについて、これまでの認識を改めようとしている。自分達(ヒラリーさん達)は、トランプを単なるポピュリストの放言家、大道芸をテレビに置き換えて多用する劇場型エンターテイナーとしてしか、遇して来なかったこと。これは、間違った対応であった、と反省していること。
 今のような、現代アメリカ社会の行き詰まりの状況では、デマゴギー、単なる放言が強烈な力を発揮する必然性があること。 デマゴギストが虚構家であるにも関わらず、否、虚構家であるからこそ、そのデマが社会的に、巨大な影響力を持って行くこと。このことについて、重視して来なかったこと。それこそが、つまり、虚構家、デマゴギストが彼の真の正体であること。 しかし、それが、社会の解体的危機状態、行きつまりを背景にした場合、不気味な恐ろしさを発揮すること。それを、これまで馬鹿にし、揶揄するだけで終わりにして来たこと。その正体が何であるかを、理性に照らして、科学的に解明し、系統的批判を蓄積してゆくべきであったこと。批判の武器を磨き上げ、トランプの一挙一投足に到るまで、注視し、放言が発せられる度ごとに、間髪をいれず徹底的に批判して行くべきこと。こう反省したのである。これは全く、理にかなった、もっともなことである。
 i,僕は、a〜hのヒラリーさんの指摘に大賛成であるが(ヒラリーさんの言を僕流に解釈して、紹介したのですが)、これに新たな集約的批判を付け加えます。一皮向けば、本当はトランプはその<下意識(フロイト)>の底に≪巨大な悲感主義、ニヒリズム>を潜ませていること。<強がり>を言う、その裏で≪恐怖≫や≪軽薄なプライド≫に固執する<コンプレックス>を持つ、日和見主義なこと。このことを強く指摘しておきます。 
 他方、ヒラリーさ、んは、一皮も二皮も剥けて行っていると思う。女性指導者であるが故に、始めてそれが<透明>であるからこそ<天井がない>ように見えるが、強固な女性差別の<天井>があること、これを喝破しているからこそ、彼女はその向こうに≪無窮の大空≫があることを見据え、目的意識的に、この<ガラスの天井>を打ち壊そうとしていること。僕は、この彼女の認識を高く高く評価したいです。やはり、アメリカに於ける初の女性大統領出現は、画期的意義があるのだ!
バーニー・サンダースさんについては、一番難しい役どころであったわけですが、僕の方がシニシズムに陥っていたこと。元のサンダース像に戻したいと思う。
● 二日目は、クリントン元大統領が夫の立場、家庭人の立場から、ヒラリーさんが類まれな指導者の資質を有している女性であることを、娘さんとともに臆することなく語った。ミシェル・オバマ大統領夫人の支援演説は非常に印象深かった。彼女には何処までも、≪出来た≫素晴らしい女性として何度も僕は感激されてきました。トランプ氏やその夫人が、性差別について、彼女の演説を盗用するのは、単なるエピソードでは済まされない、深い理由があるのである。オバマ大統領の応援演説も良かった。
 突如、サンダースさんが立ち上がり、投票中止を提出した。ブーイングもあったが、サンダース潮流の若い人々は、その言を8割は取り入れ、ヒラリー氏への投票を思い立った。10%くらいの人々が外に出て、「ヒラリーには投票しないぞ」とデモンストレーションした。しかしこの人々は、決してトランプ氏には投票しないであろう。
 三日目は、副大統領候補のケイン氏の名演説があった。
 そして最後は指名受諾演説を力強くやり遂げた1時間余のヒラリーさんの受諾演説だ。大会はここで、最高潮は達してい行ったのである。彼女は歴史に残るような圧巻の名演説を行った。彼女は、アメリカ民主主義の<生命力><強さ>を全身全霊で、語りました。
 ここが、受諾演説の芯、<管制高地」であることをしっかりと自覚した演説であった。そして、この「管制高地」から、彼女は、その返す刀で、強い決意をもって、トランプ氏を一刀両断に批判したのである。
 この受諾演説は、全ゆる方面に目配りした、格調高いもので、参加者の心を掴み、精神的高揚、興奮を促した。とりわけ、トランプ批判は出色でした。
 トランプに批判的な、共和党要人達にも目配りしつつ、「生命力を持ったアメリカンスピリット、民主主義対ヒットラーまがいの独断専行のデマゴギスト」という論争陣形を構築して行ったのである。「民主党対共和党」の図式ではなく、「自主的で創造的な強さを持つアメリカ人対アメリカ民主主義を破壊する一独善家のコンプレクスにまみれたデマゴギスト」という論争陣形が作られつつあります。
●今朝の新聞やテレビを見ると、「民主党は、トランプほど≪俺が俺が≫で、他を排除しなかった」「トランプ氏は、ブッシュ親子をはじめとし、共和党の無数の諸要人達も無視し、孤立した体制を作ってしまった。」「それに比べれば、民主党は、相対的に結束を維持し、<多様性>を許容した点で、マシである。」「しかし、内部は、不協和音が、渦巻いており、共和党と同じである。一寸だけマシナだけのことだ」と。
 この評価は圧倒的に間違っている。味噌と糞を一緒にしている、僕なども少々嵌まり込んだシニシズムを残したものである。彼女は、エスタブリッシュ性を遂に脱却しつつあるのだ。民主党は、この大会で、サンさん達と思想的に合流し、人民大衆中心主義の思想・政治の攻勢の陣形、布石を隙間なく作ったのである。
 この正規の陣形で、後、3ヶ月間の本選を、民主党は、ひたひたと押してゆけば良いのだ。サン潮流を中核にしたヒラリー民主党体制は、もろもろのシニシズムから脱却し、アメリカ民主主義精神再構築を果たしつつあるのだ。この過程で、ヒラリーさんのエスタブリッシュ性は自己揚棄されてゆくであろう。

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