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2015年10月09日08:31

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アベノミックスの破綻を、更に屋上屋の過ちを積み重ね、弥縫(びほう)せんとするペテン、新アベノミックス批判。    塩見孝也

 ●9月24日安倍首相は、「アベノミクスが新たなステージに移った」として、「新3本の矢」なるものを発表し、それを「経済政策運営」の基本に据えることに言及した。
 「三つの矢」どころか、新たにもう三つ矢を並べ立てれば、「六つの矢」となる。こうなれば、国民・民衆は戸惑うばかりであろうし、ソモソモ、このような政治手法は、もう二番煎じであり、「賞味期限切れ」も良いところとなっており、国民、民衆にはなんの新味も感じられないのではなかろうか。
 第二に、内容的に見れば、まったくと言って空疎で、説得性に欠け、アベノミックスの破綻を誤魔化し、自己の主観的願望と決意表明を吐露することで開き直っている代物と言える。
 およそ、政権担当者が、新たな政権構想を述べるなら、これまで自己が提唱した政治、路線、政策の検証、総括の上にそれはなされるべきであろう。又、その達成のための具体的な算段や工程を語るべきであろう。ところが、こういった当たり前な、問題設定、手続きが、まったくなされていない。
 政治標語、言葉だけが派手〜に踊っているだけで、内容はまったく空疎極まりないものなのだ。 結論から言えば、この「旧アベノミックス」は「強い経済」をもたらすどころか、反対に「弱い経済」をもたらし、破綻してしまっていること。この破綻を認めようとせず、言葉、スローガンを並べ立て、弥縫(びほう)し、更なる屋上屋を重ねる誤りをやろうとしているのが新アベノミックスと言えること。
 ●「新たなステージ」の<新アベノミックス>なるものについて以下のように言う。
 第1の矢なるものは「希望を生み出す強い経済」、「2020年までの3年間に、名目GDP600兆円達成(2015年の名目、GDPは490兆円)」、「一億総活躍」なるものである。
 第2の矢は「夢をつむぐ子育て支援」(出生率の1、8%への回復、現在は1、4%)、 
第3の矢は「安心につながる社会保障」(介護離職ゼロ)」である。


 新「第一の矢」についての批判。
安倍晋三はアベノミックスの破産で、追い詰められて、心身こう弱状態に陥り、自己の破産を取り繕うべく、「どんなにしても自己の破産を認めてはならじ」で「何事にも目的・意志のなきところに、未来は無い」と最後的な開き直りをしているように思えます。これは、傍目からすれば、戯言(たわごと)、病者のうわ言のように感じられます。
 実際、彼のこの「新三本の矢」について誰もがまったくの空疎で、非現実な印象を受けたであろう。
 3年後にGDP600兆円だと!この数字は、年率「名目成長率」3%と安倍らが、これまでに定めたモノをただただ機械的に3倍にしたものに過ぎないこと。そこには、何の算段や工程も掲げられていない。
 「強い経済」だと!まったくチャンチャラおかしい。この嘘八百の批判については9月26日「日記」に於いて僕が述べた批判で十分と言えます。
「アベノミックスについては、何度も論じ、批判してきましたが、経済成長率は、この7月から8月の4半期、これまでと比較してマイナス成長に転じてしまったこと。民主党政権時代は、1・6%あったものが0・9%にに減じていること。経済成長率は、民主党政権時代よりも下がっているのである。経済は収縮しているのです。肝心のモノづくり、製造業の分野で、まったく経済成長していないのである。「百万人雇用があった」というが、これは、非正規雇用であり、しかも、主としてサービス産業分野でのことで、労働条件は悪化し、実質賃金は下がっており、それに8%への消費税値上げが加わリ、民衆側の消費率は下がっています。」
もう一つ、これらの判断を補強するものとして、以下を付け加えておきます。
昨日、「毎日新聞」10・8夕刊は、一面で「機械受注」の分野で、「8月は5・7%減」と報じています。 今朝の「毎日」朝刊もこのことを、より詳しく報じています。

「内閣府が8日発表した8月の機械受注統計(季節調整値)によると、民間設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額は、前月比5・7%減の7594億円で、3ヶ月連続のマイナスとなった。基調判断は「持ち直しの動きに足踏みが見られる」からはっきりと「足踏みが見られる」に下方修正された。下方修正は2ヶ月連続である。」「製造業は3・2%減の3479億円で、3ヶ月連続の減小。鉄鋼業、電気機械、情報通信機械など幅広い業種からの引き合いが減った。非製造業部門は6・1%減の4221億円で、2ヶ月連続のマイナスであった」「外需は26・1%減の8723億円で大きく落ち込み、4ヶ月ぶりのマイナスとなった。」
 景気の目安の中心数値は、製造業部門(中小企業も含む)での設備投資が目安になりますが、そこが以上のような始末なのである。
経済の「<好循環>を生み出す」どころか、日本経済は<悪循環>の段階に入っており、アベノミックスは元の民主党政権時代の振り出しに戻ってしまったのである。このマイナス成長になっているところにアベノミックスの現実であります。これで、どうして「強い経済」に転換した、言えるでしょうか!
 これらの事柄からして、「GDPを2020年までに600兆円にする」「一億総活躍」なるものは空理・空論の願望のまくし立て以外の何ものでもないことは明らかです。
 それどころか、これまでの目玉、セールス・ポイントであった「金融緩和」による株価値上がりそのものすらが怪しくなってきています。中国恐慌もあり、乱高下しつつも、株価が1800円台を割ってしまうような事態が再三生まれています。
  「二つ目の矢」もまた、一千兆円の国債発行により借金はまったく解消されはいず、逆に利子の支払いがドンドン上積みされている始末なのです。こんな始末であれば、「<強い経済>になった」とはトテモいえません。 
  このような経済・財政状態で、新アベノミックスの<第二の矢>と名づける「夢をつむぐ子育て支援」(出生率の1、.8%への上昇、今は1・4%)、<第3の矢>は「安心につながる社会保障」(介護離職ゼロ)、などできるわけがないのである。
 僕は、別に出生率の引き上げや「安心につながる社会保障」などの<新二つの矢>について、それを掲げること自体に反対するものではありません。
 「新第三の矢」ともなれば、こうあって欲しい、実現目標として、掲げること自体に反対しているのではないこと。なぜなら、このような目標は、国民・民衆自身がが期待する事柄であるからです。
 しかし、出生率をいきなり、この4〜5年で、かく引き上げて行くなど、これまで言われたことでありながら、できなかったことであり、この課題に応えるには、若者、青年男女の貧困、将来性の無さについての抜本的な、経済・政治上の対策が必要であり、極めて難しい課題であることを指摘しておきたい、ということです。。
  新「第3の矢」の「安心につながる社会保障」(介護離職ゼロ)」の課題もこれまた極めて難しい課題であります。この新第二、第三の矢は、旧アベノミックスの破綻から生まれた、「富めるものは益々富み、貧困者は、益々貧困化している」不公平な格差社会化の状態を如何にしてなくしてゆくか、が基本問題として横たわっていることを、真摯に見つめ直そして行くこと抜きには、まったく空理・空論であることを強調しているのです。
 
 国民・民衆の新自由主義のアベノミックス経済路線に対する不公平と格差化批判は鬱積しています。これは、「(たとえ少なくなった全体のパイとは言え)そのパイが平等・公正に分配されるか否かに収斂してきています。「現実は富める者だけが富み、貧困者はますます貧困になっている」「分配を平等・公平にしろ!」こういったシンプルでまっとうな要求が、社会の基底部で渦巻いているのです。
 安倍はこのような要求に驚愕し、インチキでウソ八百の格差社会をもたらしたアベノミックスの「ウソの<強い経済>」「経済成長第一」すなわち、金融独占資本優先の新自由主義経済路線を改めようとはせず、「あれもあります、これもあります」でスローガン、言葉を並べ立て、タダタダ国民、民衆に擦り寄り、媚態を呈しているだけのパーフォーマンスに終始していることを指摘しているのです。
 もはや、彼等にとっての唯一ともいえる確実な財源、消費税の10%への増税も強硬突破の見通しが立たず、見送らざるを得なくなっています。
  これを強行するならば、とんでもない政治危機、政権危機が惹起されるのは火を見るより明らかですから。国民・民衆の政治闘争の分野(反戦争・平和・民主主義=反改憲・立憲主義、反安保・沖縄連帯、反原発での分野、すなわち具体的な「特定秘密保護法」や「日本安全保障法(戦争法)」制定での強行採決の批判や沖縄辺野古への基地移転、原発再稼動らへの批判の鬱積)と、いのちと生活と暮らしの破壊、社会保障の切捨てらから鬱積している経済分野からの民衆の不満・批判が合流し、より広く、深い社会政治闘争が爆発させてゆく可能性が十分にあるからです。
 かつて橋本政権が倒れたように、倒れざるを得ないことを知っているから、この政治闘争と経済闘争の結合を恐れ、国民・民衆の不満をかわし、分散させるべく、あたかも取り込んで行くような媚態政治をやっている、と捉えられます。
  付け焼刃でなく、本気で取り込もうとするならば、新自由主義のグローバリズムの「成長第一」、「戦争準備」の自民党政治の根本的な政治・経済の在り様を世界の民衆と連帯する内需開拓の民衆中心、人間中心、自然と人間が循環し、共生するエコロジカルな、福祉社会を目指す政治・経済の在り様に、根本的に全面的に転換してゆかなければなりません。



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