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2022年07月01日12:13

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(産業経済)性風俗業の事業継続を下支え

この判決の報道に触れたとき、性風俗産業は納税をきちんとしていないだろう、そんな産業に対して国庫財源から支援金を支出するのは不合理だから当然の判決だ、という印象を持っていた。しかしこの記事を読むと、原告は「適法に事業を営んで税金も払ってきた」と主張しているようだ。この主張の信ぴょう性には疑問なしとしないが、とにかく納税意識は一応あるようだ。

仮に風俗産業において納税がきちんとなされていても、やはり、この判決は妥当だと私は思う。というのは、国が国庫資金を支出してその事業の下支えをするという措置自体も、かならずしも「文句なしの妥当性」があるとは言えないからだ。なぜなら、こういう措置には、「労働力の流動性を高め、労働市場における労働力資源の再配置を促す」という側面からは逆行しているからだ。もしその産業が衰退しているのなら、衰退しているだけの必然性が必ずある。そういう産業セクターからはむしろ労働力が離れ、より将来性のある産業セクターに労働力が移動してくことが、日本の産業界全体を強くしていくことにつながる。

ということは、その産業が、性風俗産業のように「大多数の国民が共有する性的道義観念に反する」とみられるネガティブな側面を持っているわけではない産業であっても、「労働力の流動性を高め、労働市場における労働力資源の再配置を促す」という側面からは、持続化給付金を支給することが妥当ではないと判断される産業セクターはあり得るということである。

ということは、「コロナ禍で収益低下に見舞われた産業ならなんであっても持続化給付金が支払われてしかるべきだ、それが憲法の下の平等だ」という命題は、無批判に成り立っているわけではないと考えられるのである。ましてや、性風俗産業のように「大多数の国民が共有する性的道義観念に反する」とみられるネガティブな側面を持っている産業なら、給付金の対象外となることはあり得ると考えるべきだと思う。

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■性風俗事業者はコロナ給付金の対象外 東京地裁「合理的な区別」
(朝日新聞デジタル - 06月30日 15:07)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7016174

 性風俗事業者が新型コロナ対策の持続化給付金などで支給対象外とされたのは、憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、関西地方のデリバリーヘルス(無店舗の派遣型風俗店)運営会社が、国などに未払いの給付金など計約450万円を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。岡田幸人裁判長は「合理的な区別で違憲とは言えない」と述べ、請求を退けた。

 性風俗業の除外の是非を問う訴訟の判決は初めてとみられる。原告は判決を不服として即日控訴した。

 判決は、まず風俗営業法が飲食店やパチンコ店は許可制、性風俗業は届け出制にしている違いについて検討。性風俗業は「大多数の国民が共有する性的道義観念に反し、国が許可という形で公的に認知するのは相当ではない」という考えに基づく区別で、「合理的な理由がある」と指摘した。

 その上でコロナ給付金について「限られた財源の国庫からの支出で、性風俗業の事業継続を下支えすることは相当ではない」と判断。他の公的支援との整合性や、納税者である国民の理解を得られるかなども考慮し、性風俗業の除外は「国の裁量の範囲を超えない」と結論づけた。

■「事業の特徴に着目して対象外」

 原告は「反社会的勢力との関係はなく、適法に事業を営んで税金も払ってきた」と訴えていた。しかし判決は、そうした場合も「事業の特徴に着目して対象外にすることはあり得る」と判断した。

 一方で判決は「性風俗事業者や従業員が個人として尊重され、平等な取り扱いを受けるべきことは当然で、職業に基づく差別が許容されるわけではない」とも言及した。

 国が除外したのは、自治体などの公共法人、政治団体、宗教団体と、風営法上の「性風俗関連特殊営業」。デリヘル、ソープランド、ラブホテルなどが該当する。
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