（産業経済）2021年日本の労働市場

たいていの人は、この記事は日本の労働者の「職業選び」や「働き方」にまつわる記事として読んでしまうことだろう。もちろんそういうアプローチは間違っているわけではない。だが、私は、日本の労働市場の貧しさが、この記事が活写しているような意識の労働者を大量に生み出してしまっている、というふうに解読する。

アンケート質問項目の１問目。ブラック企業にて就労する労働者が、辞めたくても辞められない理由は、「転職活動が不安だから」らしい。このことは、逆に言えば、日本の労働市場は、労働者が転職しようと思えば安心して転職活動に取り組める環境が整備されていないということを示している。これからの日本の産業界は、いろいろな業種が潰れたり生まれたりしうる。そういった激しい変化と浮き沈みの中で、労働者の転職も必須の要素になる。労働者が転職しようと思えば安心して転職活動に取り組める環境を整備する。このことの重要性はいくら強調しても強調しすぎることはないと思われる。だが、そういう環境整備を推進する主体はいったい誰になるのか。厚生労働省の当局者だろうか。もちろん厚生労働省の当局者には頑張ってもらう必要があるが、日本人が労働市場の公正さを保とうとする「公（おおやけ）」の意識をもつことも重要になる。公の意識といえばハンナ・アーレントが連想される。一部の識者は、「アーレントの公の意識は言葉のゲームに過ぎない」などと言っているが、これは世間知らずの学者のほざきに過ぎない。

アンケート質問項目の２問目。「人間関係に不満」を理由とする転職は、もっとも「思いとどまった方がいい」転職理由だという。これは一理あるが、その「一理」とは何かを考えてみる必要がある。私が考える理由は、「転職先で多少なりともましな人間関係が得られる保証は全くない」にある。仮に転職に成功し、転職先の企業等に就職できたとしても、どういう部署に配属され、どういう上司を付けられるかは選ぶことができない。そこで、一層劣悪な人格の持ち主を上司に付けられる可能性も相当ある。なぜかというと、その転職先の部署が求人を行った理由が、「いやな上司の下で働くことに愛想をつかし人が辞めてしまったので、空席ができた」ということである可能性が相当あるからだ。

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■【2021年…仕事・転職にまつわる調査結果】「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング　トヨタ自動車を超えた1位は
(まいどなニュース - 12月30日 17:10)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=6797578

振り返ればコロナに翻弄されたこの1年。新規感染者が減少し、経済活動も戻りつつありますが、ご自身の仕事について見つめ直したり、転職を考えたりした方も少なくなかったのではないでしょうか。ネットでは「職業選び」や「働き方」にまつわる記事もよく読まれました。今年紹介してきた調査結果などを振り返ります。

「ブラック企業」辞められない理由ランキング　「家族を不安にさせる」「生活が困窮する」を超えた1位は？

自分の勤め先が「ブラック企業」だと思っていても「辞めていない・辞められない理由」1位は、「転職活動が不安」だから―。労働問題などに取り組む日本労働調査組合が行った「ブラック企業に関するアンケート」で、そのような結果が明らかになりました。「生活が困窮する」という理由も2位になっており、同組合は「長時間労働により充分な転職活動時間が取れず、収入のない期間が発生することを懸念する様子が伺い知れます」と説明しています。

「転職しないほうがいいと思うケース」ランキング　3位「収入に不満」2位「仕事内容に不満」…では1位は？

転職したい気持ちはあるけれど、「本当に転職したほうがいいのかどうか、分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。転職経験のある男女500人に「転職しないほうがいいと思うケース」について聞いた調査によると、第1位は「人間関係に不満」という結果に。2位以下は「仕事内容に不満」「収入に不満」と続いており、調査した企業は「現在の仕事や会社についての不満を理由に転職するのは、思いとどまったほうがいいと考える人が多いと分かりました」としています。

「月収25万円で出社勤務」と「月収18万円でテレワーク」　85％の学生が選んだのは？

「月収25万円で出社勤務」と「月収18万円でテレワーク勤務」だったら、どちらを選びますか―。2023年3月に卒業、終了予定の大学生・大学院生を対象に「テレワークと給与」について行われた調査によると、85％近い人が「月収25万円で出社勤務」を選んだことが分かりました。

コロナ禍もあり普及・定着したテレワークですが、11月に入ると経団連が「テレワークなどによる出勤者数の7割削減」を見直すべきだと政府に提言したこともあり、さまざまな議論が起こっています。テレワークよりも給与を重視する理由としては、「同じ仕事で、給与が異なるなら高いほうを選びたい」「給与にも差が出てくると、出社勤務のほうが、重要な仕事を任せてもらえると思う。成果を上げることや、社会人として成長することを考えると出社したい」といった声が寄せられたといいます。

「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング　「安定志向」で選ばれた、トヨタ自動車を超えた1位は？

年末年始を目前に、パートナーの存在を意識したり「結婚したい」と感じることも多くなるのではないでしょうか。全国の男女800人に「結婚相手の勤務先として望む会社」を聞いたところ、1位は「地方公務員」（回答率28.6％）、2位「国家公務員」（25.6％）、3位「トヨタ自動車」（7.3％）となりました。調査した企業によると「不安定な経済状況が続く中、雇用や収入が『安定』しているイメージの強い公務員に人気が集中」しているといいます。一方で、ランキング上位の企業や業種をみると、コロナ禍など近年の社会情勢の変化がかいま見えるといいます。

生まれ変わったら…「なりたい職業」ランキング　3位「看護師」2位「スポーツ選手」を超えた1位は？

あなたは生まれ変わったらどんな職業に就きたいですか？　全国の男女1000人に「生まれ変わったらなりたい職業」を聞いたところ1位は「医師」という結果に。男女別でみると、女性は「医療関係」と「芸能関係」が人気を集めた一方、男性は「スポーツ選手」「エンジニア・プログラマー」といったように、自分の腕一本で稼げたり主体的に活躍できる職業が上位になったそうです。