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2021年05月01日15:27

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(人生)自らが原因となることに悦びを見出す

最近、デヴィッド・グレーバー著『ブルシット・ジョブ』という本を読んで大変啓発を受けた。この本から得た知見の中の項目の一つについて、読書感想文という枠から出て考察を展開してみたい衝動に駆られた。その項目というのは、人間は、自らが原因となることに悦びを見出す存在であるということが指摘されている(P119〜P121)。

私はこの指摘から連想することが2点ほどある。一つは例えば企業組織や官僚組織などにおいて、人間が一旦権力の座についたものは、なかなかその権力の座から降りたがらない傾向があることは、たいていの人が認めるところだろう。これはなぜなのか、その答えのひとつが「人間は、自らが原因となることに悦びを見出す存在である」というところに求められるような気がする。人間はなにか権力の座に就くと、配下の人間が自分の影響を受けながら動いていく。その様が心地よくて権力の座から降りられないということがあるのではないだろうか。

もう一つ私が注目したいのは、「イジメの心理」である。人はなぜ他人をいじめるのか。例えばここにAさんという人がいて、Bさんという人をイジメているとする。つまり、
Aさん:イジメる人、
Bさん:イジメられる人、
という図式が成立しているのである。この図式は、「Aさんはイジメ行為を通じてBさんに影響を与えている」という図式でもあるのではないだろうか。この「他人に影響を与える存在」というのは「自らが原因の存在となる」という悦びに重なるところがあると思う。


【関連項目】

(読書)デヴィッド・グレーバー著『ブルシット・ジョブ』(岩波書店)

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979062474&owner_id=3879221

(その他)経済学と道徳哲学

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979074920&owner_id=3879221

(人生)道徳羨望

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979082766&owner_id=3879221

(産業経済)仕事は人格陶冶に役に立つか

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979086581&owner_id=3879221
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