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2020年11月21日17:26

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(社会)新自由主義がもたらす弊害

その国の産業経済が新自由主義的であると、どうしても若年労働者にそのしわ寄せがくるような気がしてならない。というのは、その国の産業経済が新自由主義的であると、個々の企業は人材に教育投資をしたがらないのではないだろうか。

というのは、その産業経済に新自由主義的なイデオロギーがびまんしていると、個々の企業経営者は近視眼的な経営合理性だけを追い求めるかのような経営判断をしがちになる。すると人材を雇用して育成する局面でも、個々の企業は、教育投資をしなくても、すでになんらかの人的資源を蓄積していて、その人的資源がその職務にマッチングしている人だけを即戦力として使おうとするだけになる。すると、戦力として使えるようになるまで教育投資を必要としている若年労働者は、積極的に雇用しようとはしなくなるのではないだろうか。

あるいは、若年労働者を使う場合でも、教育投資を必要とするような職務でその人を使いながら育成していこうという意欲が低調になる。すると、「教育投資を必要とするような職務」ではないような職務、いわば奥行きのない薄っぺらな職務で、若年労働者をあたかも消耗品労働力のように使ってしまう。そういう傾向が生まれるように思う。

いずれにせよ、若年労働者の賃金水準は上がっていかない。若年労働者の賃金が上がっていくシナリオとは、まず「教育投資を必要とするような職務」に就き、そこで企業から教育投資をしてもらい、自身の中に高度な人的資源を蓄積し、その高度な人的資源を十分に生かして、付加価値が高く、創造性や生産性も高い仕事ができるように成長して、しかる後に賃金が上がっていくというシナリオの上を歩むことが必要になる。そういう

勤労者としての成長のシナリオ⇒賃金上昇のシナリオ

という方程式の上を歩むことが必要になる。ところが、現実の若年労働者のほとんどは、この方程式の上を歩むことができず、「使い捨て人材」の層の中で浮遊するだけになっているのではないだろうか。そういう「使い捨て人材」の層にある労働者が男女交際や恋愛やセックスを楽しむなんて絵空事なのではないだろうか。

【関連項目】

(社会)交際手当

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1977524100&owner_id=3879221

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■若者の恋愛離れ、草食化は本当に"個人の嗜好の問題"なのか 低学歴、低収入、非正規雇用が独身であることに関係
(キャリコネ - 11月21日 08:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=6314713

東京大学大学院医学系研究科のグループは11月、結婚や交際をしていない人の割合が増えているという分析結果を発表した。分析は国の出生動向基本調査をもとに実施し、18〜39歳の結婚や交際に対する意識がどう変化したかを調べた。

1992年から2015年の約20年間で、未婚かつ交際相手がいない人の割合は男性で40.3%から50.8%、女性で27.4%から40.7%に増加していた。女性ではおよそ1.5倍と、特に顕著に増えている。

るんるん交際に関心のない男性の特徴は「定職に就いていない」「低年収」

年齢別にみると、18〜24 歳は60.0%から65.5%、25〜29 歳で23.0%から41.9%、30〜34 歳で11.3%から30.2%、35〜39 歳では11.2%から24.4%と、年齢が上がるほど異性と交際していない人の割合が大幅に増加していた。

一方、交際中の未婚者の割合は、女性で微増にとどまり、男性では横ばいに推移。つまり、既婚者の割合減少はそのまま"未婚かつ交際相手がいない人"の割合増加につながったと言える。

また、2015年時点で「異性との交際を望んでいない」と男性の25.1%、女性の21.4%が回答。男女ともに、異性との交際に関心がない人は、関心があると答えた人に比べて、収入や学歴が低く、定職に就いている可能性も低かった。

女性に限定すると、交際に関心がない人は関心がある人に比べて、高卒以下の学歴の割合が多かった。一方、男性でも、定職に就いている割合は既婚者、交際中、交際に関心のあるシングル、交際に関心のないシングルの順で減っていく。年収についても同様の傾向がみられた。

研究発表資料では「日本においては、収入と男性の婚姻状態は関連しており、過去数十年にわたる不安定な雇用状況が、日本における低い婚姻率及び出生率に関連しているとされている」と紹介した上で、

「同様に、今回の研究からも雇用や収入状態が男性においては異性との交際機会の有無にも影響していることが明らかになった」

とまとめている。

るんるん"個人の嗜好"で片付けると問題の本質が見えなくなる

同研究科の坂元晴香特任研究員は、今回の分析結果を受けて「結婚も交際もしていない日本人の割合は欧米諸国と比較してかなり高く、特に30代の割合が増加していることに驚きました」と印象を語る。

日本人の草食化の要因については「『草食化』は、一般的には内気な個人が、セックスや恋愛には無関心であるかのようにステレオタイプで表現されてきました。言い換えれば、『草食化』は主に個人の特性としてみなされてきました」と振り返った上で、次のように説明する。

「今回の調査結果から、低学歴・低収入および安定した雇用に就けないことがシングルであることや交際に関心がないことと関係していることが分かり、(草食化は個人の特性であると言う)このステレオタイプが必ずしも正しいわけではないことを示唆しています」

さらに「特に男性においては安定的に高収入を得ている場合には交際市場で人気が高いことが分かっていますし、収入の低い人は恋愛相手を見つけるのが比較的難しい可能性があると言えると思います」と付け加えた。

今後は、ますます草食化の傾向が続いていくのだろうか。改善のために必要と思われる政策について聞くと、「前提として、恋愛や交際、結婚などは完全に個人の問題で、第三者から何か言われる問題でもなければ、政府が介入するような問題ではないと考えています」と断った上で、

「恋愛や交際をしない、結婚をしない、というのを単に『個人の嗜好の問題』として考えてしまうと、『本当は交際や結婚をしたいのにできない』という人たちの存在が見えなくなります」

と危機感をあらわにする。坂元さんは「なぜ人が恋愛や結婚できないのか」という構造的な問題に目が行かなくなると、構造的な障壁を取り除くと解決するはずの問題が解決しなくなる、とした。

その上で、構造的な問題について「若い世代の低い年収や不安定な雇用形態(非正規雇用)が該当すると思います」と指摘する。

「異性と交際をしたいと感じることはある意味で自然な感情で、本来的にはそれは『贅沢なこと』ではないと思います。他方、現代社会が、お金がないと恋愛できない社会であるなら、それはやはり問題であり、政策としては、若い人の収入の上昇、安定した雇用の提供などが必要となると思います」

と持論を述べた上で「仮に、若い人たちの置かれている環境がこのままであるなら(低い年収、不安定な雇用)、草食化の傾向は今後も続くのではと思います」と推測している。

坂元さんは、今回の分析結果について

「何よりもこれまで、『草食化は若い人の特性・娯楽の多様化』で片付けられていた部分があると思うのですが、実際には、交際相手の有無や異性との交際の興味に関しては、収入や雇用形態と明確に相関がありました。これは単に個人の嗜好の問題だけではなく、恋愛・交際をしたいけれど、(収入や雇用状況を理由に)諦めている人が一定程度いることが明らかになったことの意義は大きいと考えています」

とコメントした。
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