ついいましがた、民放のテレビでやっていたが、ヨーロッパでは、感染者数や感染者数を分母にした致死率が、国ごとに全然違うようだ。イタリアは、感染者の絶対数でも致死率でも、ヨーロッパでは群を抜いて高い。一方、致死率が最も低いのはドイツである。ドイツの致死率は0.2%台だというからイタリアとは雲泥の差だ。この差は何に起因するのか。
ドイツで30年間医大の教授を務め、心臓移植の医療にも従事してきた南和友医師によると、ドイツは医療の公共サービスのインフラが非常に充実しているらしい。まず国民皆保険制度が確立している。国民の10%にあたる富裕層の人たちは、民間の健康保険に加入しており、残りの90%の国民も政府管掌の国民健康保険に加入している。
また、ドイツには「ホームドクター制度」というのがあるようだ。国民はみな自分の「ホームドクター」というものを持たなければならないことになっている。健康保険証も、自分を担当するホームドクターに預けることになっている。そしてドイツ国民は病気になると、まずホームドクターに診てもらう。ホームドクターの主な役割は、その病気が自分のところで治せる病気なのか、そうでないのかを判定する。もし自分のところで治せない病気ならば、専門医療機関、総合病院、大学病院といった選択肢の中から適当な医療機関を選択し、紹介状を書くことになっている。
「ホームドクター」になるのはなかなか大変で、医療機関で内科、外科、整形外科、その他の診療科目で15年以上実務経験を積まないと、「ホームドクター」としての受験資格が得られない。大学の医学部教授とは対等の身分であると考えられているようだ。
イタリアの医療インフラがどうなっているのかは分からないが、おそらくドイツとは比べ物にならないだろう。こういった医療インフラのレベルの違いを念頭に入れないと、単に感染者数や致死率の数字だけを見て「新型コロナウイルスはイタリアで猛威を振るっている」と即断することはできない。
【関連項目】
南和友先生のコメント
http://www.heart2heart-npo.jp/about/minami.html
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■イタリア、死者2千人超える 新型コロナ、中国以外で初
(朝日新聞デジタル - 03月17日 11:28)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6011783
イタリア政府の発表によると、同国内の新型コロナウイルスの感染者は16日午後6時(日本時間17日午前2時)現在、2万7980人となった。死亡者数は2158人で、中国以外で初めて、死亡者が2千人を超えた。イタリアは、欧州での感染者数の急拡大の起点となっている。
同国では12日から、食料品店や薬局などを除いてすべての商業活動を停止。全土で不要な外出が禁止されている。
集中治療が必要な人は1851人いる一方で、2749人がすでに回復。伊ANSA通信によると、保健当局の担当者は「感染者数の増加幅が小さくなった。これまで取ってきた対策によるもので、この一両日中に傾向が定まってくるだろう」との見方を示した。
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