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2020年03月15日14:16

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(社会)助け合う社会のゆくえ

私が最近読んだ『サル化する世界』(内田樹著:文芸春秋社)には、この事件の植松被告の思想と行動のどこが間違っているのかを論じた部分が載っている。それによると、人間というのは、今現在、健常者として元気に活動している人でも、いつ人の世話にならなければ生きていけない境遇に陥らないとも限らない。例えば交通事故に遭うとか、突然ALSのような難病を発症するなどして肢体不自由な身になるかもしれない。

仮にそういう身になっても、「身体に障害がある人でも支えてもらえる仕組み」がこの社会にあれば、それだけ安心して暮らせる。そういう「安心して暮らせる社会を作ろう」という意志が我々社会の成員の合意のはずだとしている。植松被告の思想と行動は、そういう社会の合意を踏みにじる思想と行動であるがゆえに間違いなのだという論理である。もちろん私はこの論理は正しいと考えている。

しかし植松被告は、「自分は死刑になっても構わない、いい仕事をしたと思う」などと言っている。これは、植松被告自身が交通事故に遭うとか、ALSのような難病を患うことなどを怖れてはいないということなのだろう。そういう植松被告のような「怖れを知らない人間」には内田の論理は、抑止力としては役に立たないということではないだろうか。

【関連項目】

(読書)『サル化する世界』(内田樹著:文芸春秋社)

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974912909&owner_id=3879221

(社会)シャバの居心地

https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1974260322&owner_id=3879221

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■死刑求刑も持論譲らず=植松被告「控訴しない」―相模原殺傷、16日判決・横浜地裁
(時事通信社 - 03月15日 07:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6009421

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したとして、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(30)の裁判員裁判の判決が16日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で言い渡される。植松被告は判決を前に時事通信の接見取材に応じ、「自分の言っていることを実践できれば幸せが増える。(犯行は)いい仕事だったと思う」と改めて事件を正当化する一方、検察側の死刑求刑を受け入れる考えを示した。


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