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2020年01月19日19:04

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(音楽)第九と合唱幻想曲の演奏会

昨日は、地元のホール(宮地楽器ホール)で、ベートーヴェンの第九交響曲と、同じくベートーヴェン作曲の『合唱幻想曲』の演奏会に行ってきた。演奏者は以下のとおり。

1.合唱幻想曲(ベートーヴェン作曲)

ピアノ:橋詰香菜
第1ソプラノ:清水理恵
第2ソプラノ:東田枝穂子
アルト:堀万里絵
第1テノール:手島英
第2テノール:森道太郎
バリトン:米谷毅彦
演奏:東京多摩交響楽団
指揮:新田敏則
合唱:TAMAコンセール・アミ混声合唱団
合唱指揮:草原哲広

2.交響曲第9番『合唱付き』(ベートーヴェン作曲)

ソプラノ:清水理恵
アルト:堀万里絵
テノール:手島英
バリトン:米谷毅彦
演奏:東京多摩交響楽団
指揮:新田敏則
合唱:TAMAコンセール・アミ混声合唱団
合唱指揮:草原哲広

1曲目の合唱幻想曲はなかなか良かった。オーケストラ、ピアノソロ、6人の声楽ソリスト、そして合唱団による演奏だったが、各パートのバランスがとれていて、音も綺麗でとても満足した。

聴衆の多くは、1曲目の『合唱幻想曲』よりも、むしろこの交響曲第9番のほうがメインと受け止めて期待していたかもしれない。しかし曲全体の演奏の出来栄えは、『合唱幻想曲』のほうが良かったような印象を受けた。

私がこの第九の演奏で若干不満だったのは、全体が漫然とうるさいように感じた。何が原因なのだろうと一生懸命考察してみたが、たぶんオーケストラの管楽器パートの各奏者のメロディの歌い方がいまいち歌心に欠けているからだろう。メロディの歌い方がもっと歌心に富んでいれば、音量はもっと抑制できるはずだ。つまり、それほど音量で自己主張しなくとも、メロディの歌心の美しさによって、自然と聴衆の耳に溶け込んでいく。弦楽器セクションも、管楽器セクションの漫然とした音の出し方につられているようなところがあって、やはり若干ではあるが、うるさく感じた。

このオーケストラのこういった傾向において一番気になったのは第4楽章のまだ声楽パートが出てこない部分だ。出だしのメインテーマをチェロが歌い、それをビオラが受け継ぐところなど、私は大好きだ。この曲を何回聴いても、この部分にはゾクゾクする。しかし、歌心がいまいちしっくりこない。ここでファゴットがビオラのメロディに絡んでくるのだが、ファゴット奏者にはもっとアンサンブルを志向した音の出し方が求められる。ファゴット奏者に限らず、このオーケストラの管楽器奏者全般に、室内楽的な歌い方、アンサンブルを重視した演奏の仕方が求められると感じた。

第4楽章の、声楽のソリストや合唱パートが音を出すようになると、オーケストラのそういった側面はさほど気にならなくなった。合唱の「TAMAコンセール・アミ混声合唱団」は、たぶん一般の愛好家を募って構成されたアマチュアの合唱団だろうとは思うが、国分寺のいずみホールで毎年秋に開催される「秋の市民音楽祭」に出演する様々な合唱団よりも上手だと感じた。各パートのメンバーの声の音程がそろっている。メンバー一人ひとりの声の出し方には若干の不ぞろいがあるが、そこがかえって面白みになっている。これ以上無理に声の出し方をそろえる必要はないと感じた。

第九交響曲は、生で聴くのは本当に久しぶりだ。NHKのテレビなどで時々聴くことはあるが、テレビの場合、カメラが狙っている演奏者の姿しか見ることができない。その点、生演奏は、どの瞬間にどの奏者がどんな演奏をしているか、自由に見ることができるので、本当に興味深かった。


【関連項目】

https://koganei-civic-center.jp/calendar/2020/01/039175.html
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