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2019年12月18日12:09

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(教育)混乱の最大の責任者は大学である

この大学入学共通テストにおける国語と数学の記述式問題導入見送りについて、本日の日本経済新聞に興味深い論評記事が載っていたので紹介したい。その趣旨は、「大学は政府当局の言いなりになってばかりいて、主体性が見えない」と批判するものである。

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大学の主体性見えず

国の言いなりで人材は育たない

 大山鳴動してネズミ一匹―。英語民間試験に続き国語と数学の記述式問題の導入も見送られ、2020年度大学入試改革の“目玉”は「センター試験」から「共通テスト」への名称変更のみとなった。

 「明治以来の大改革」と大風呂敷を広げ、共通試験の複数回実施や一点刻み入試からの脱却、合科目型出題など様々な論点を掲げた顛末(てんまつ)は事実上の現状維持。受験生を翻弄しただけだった。

 迷走の原因は何か。思いつきのアイディアをぶち上げた政治・首相官邸。無理筋と知りながら従った文部科学官僚。ビジネスチャンスとばかりに飛びついた教育産業。現場の負担を口実に現状維持に走った高校……。だが、最も責任を負うべきは、当事者意識もなく国に追随した大学だろう。

 入試とは自分たちが教えたい学生を、自分たちの責任で選抜する取り組みだ。最重要事項のはずなのに、大学、特に国立大学は受け身に徹した。
 
 目的も実施方法も異なる複数の民間英語試験を入試で本当に使えるのか。50万人規模の試験で記述式問題の採点を、公平・公正かつ迅速にできるのか。大学が多様化する中で大規模の共通試験に意味はあるのか……。論点は山積したが、個々の大学も国立大学協会も「国の方針が固まっていない」と正面からのオープンな議論を避け続けた。

 受け身の象徴が英語民間試験への対応だった。一旦は82校中78校が活用を表明したが、国が見送りを決めた途端、大半が取りやめたのである。

 内外で大学間競争は激しさを増す。競争の核心は教育と研究だ。どんな教育を目指し、それにふさわしい学生をどうやって集めるのか。そこでしのぎを削るべきなのに、国の言いなり・横並びでは、まともな戦略を持てるはずもない。国の指示待ち大学からは、指示待ち人間しか育たない。今こそ、大学は主体性を取り戻すべきだ。
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まことに当を得た厳しい批判であるが、ひとつ大学側を弁護しておくと、大学にとって、入試問題の作成は非常にエネルギーを費やす作業で、大学側としては、「共通テスト」で政府当局がおあつらえ向きな入試問題を作成してくれるなら、これにあやかりたいという思惑はやはりあるのだと思う。

なお、一部に「入試問題の作成が大変ならば、問題作成を外部の業者に外注すればよい」と考えている人がいるようだ。しかし、大学が入試問題の作成を外注するようになるということは、レストランのシェフが食材に既成の冷凍食品を採用するようなものだと思う。

レストランのシェフは、「自分のお店だけが提供できる一流の味」を誇りにすべきだろう。そのためには、調理法に工夫を凝らすだけでなく、食材も厳選するはずだ。そこを、市販の冷凍食品で間に合わせるようなことをすれば、レストランのブランドイメージは地に堕ちて大衆食堂以下になるおそれがある。

それにしても、「国の指示待ち大学からは、指示待ち人間しか育たない」という言葉は刺さりますなぁ。

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■国・数記述式見送り=採点への懸念解消できず―入試改革振り出し・文科省
(時事通信社 - 12月17日 10:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5904863

 大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題について、萩生田光一文部科学相は17日の閣議後の記者会見で、2020年度の導入を見送ると正式に発表した。採点の質や公平性の確保などへの懸念が拭えず、現状で受験生らの不安を取り除き予定通り実施することは困難と判断した。文科省は、各大学に個別試験での記述式問題の積極的な活用も促す考え。

 共通テストをめぐっては、11月に英語の「読む・聞く・話す・書く」4技能を測る民間試験の導入見送りが発表された。大学入試改革で掲げた二本柱が失われ、改革は振り出しに戻った形だ。

 萩生田氏は見送りの主な理由として、(1)実際の採点者決定が来年秋から冬になる(2)採点ミスを完全になくすには限界がある(3)自己採点と実際の採点結果との不一致の大幅な改善は困難―を挙げ、「生徒や保護者などにはご迷惑をお掛けする結果となり、誠に申し訳なく思う」と述べた。

 今後、新たな英語試験の実施に向けた検討会議で、記述式の充実策を併せて検討する。萩生田氏は「期限を区切った延期ではない。まっさらな状態から対応したい」と強調した。共通テストでの国語と数学の時間配分や配点も変更になるという。

 記述式問題は、現行の大学入試センター試験のマークシート方式では測れない、受験生の思考力や判断力、表現力を見る狙いで、国語と数学I、数学I・Aでそれぞれ3問出題する予定だった。
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