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2019年08月09日11:55

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(読書)『これならわかる!電磁気学』(遠藤雅守著:ナツメ社)

私は大学は機械工学が専攻なので、電磁気学への理解度は、電気・電子工学専攻の人とくらべると、弱点になっていた。そこで、私のような人間にも電磁気学をわかりやすく説明してくれている本はないものか、いろいろ探していたところだ。この本は、そういう私にはドンピシャの本だった。

この本で、電磁気学の解説書には「E−B対応の電磁気学」と「E−H対応の電磁気学」があるということを述べている部分がある(P190)。「E−B対応の電磁気学」とは、磁場は「単位の電流素片が受ける力」として定義する観点から組み立てられた電磁気学である。一方、「E−H対応の電磁気学」とは、磁場は磁石から発するものであるとし、磁石に含まれると考えられる「磁荷」が受ける力として定義する観点から組み立てられた電磁気学を指す。私がこれまで教科書として使ってきたコロナ者の「基礎電磁気学」は、後者の立場で書かれていることがはじめて認識できた。

また、電磁気学と相対論の関係がとても興味深く書かれている。以前から「電磁気学と相対論とは相性が良い」というようなことは断片的な知識として知ってはいたが、その内容はほとんど理解していなかった。本書で与えられた相対論との関係の予備知識を踏まえて一層精密な記述がなされた教科書を読んでいけば、理解が容易になることだろう。

なお、本書にはラザフォードの原子モデルについて言及している部分がある(P46)。本書を読了したあと、『物理テキストシリーズ 電磁気学』(砂川重信著:岩波書店)をざっと読み返してみた。すると、こちらの本に、ラザフォードの原子モデルがなぜ破綻してしまうのかということが書かれていることに気づいた(P309)。この知見はやがてボーアの原子モデル→量子力学の萌芽につながるのである。電磁気学はまさに、相対論や量子力学が生まれる前段階のかなめの位置にある物理学と言っていいだろう。

【目次】

第1章 電磁気学を学ぶ前に
第2章 クーロンの法則と電場
第3章 ガウスの法則
第4章 静電ポテンシャルとエネルギー
第5章 誘電体と電束密度
第6章 電流と磁場
第7章 電流とエネルギー
第8章 磁性体と「磁場の強さ」
第9章 電磁誘導とマクスウェル方程式
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