こういう報道に接すると、いったい経営が傾きかかった当初の日産自動車は、ルノーという外国資本(外部の力)に頼ることしか再建の道がなかったのだろうか、と情けなくなる。つまり、日産は、自力で再建再生の道を見出すことはできなかったのだろうかという疑問を禁じ得ない。
もし日産が会社の再建再生を外部の力に頼るしか道がなかったものとすると、このことは、日産には本当の意味で会社をリードし、コントロールする頭脳が欠如していたということを示唆していると思う。逆に言えば、日本の会社、特に日産のような製造業の会社は、会社全体が筋肉でできているのだ。というか、筋肉しかないのだ。いわば「筋ニクマン」である。
その筋肉自体は精妙でエネルギッシュだ。しかし一旦筋肉系全体のコーディネーションが不調に陥ると、正常な状態に戻すためのコントロールができなくなるのだ。そういえば、日本の製薬会社のトップ企業である武田薬品がアイルランドの製薬大手シャイヤーを7兆円で買収したが、そのリーダーシップはクリストフ・ウェバー氏という外国人によって取られている。武田薬品の内部でも、日本人生え抜きの取締役は、筋肉型役員(パターン化した実務を精力的にこなすだけの人)しかいないということを示唆していないだろうか。
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■ルノー副社長に「隠し報酬」 書簡にゴーン前会長サイン
(朝日新聞デジタル - 01月11日 05:11)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5452202
日産自動車前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の側近で仏ルノー副社長のムナ・セペリ氏に、3社連合を組む日産、ルノー、三菱自動車の統括会社「ルノー・日産B・V」から不透明な報酬が支払われていたことが10日わかった。セペリ氏はオランダ・アムステルダムにある統括会社の取締役を兼ねるが、2012〜16年の5年間に役員報酬とは異なる非公表の報酬として計約50万ユーロ(約6200万円)を受け取っていた。
統括会社内に設けられた「ガバナンス(企業統治)・人事・報酬委員会」の委員でもあるセペリ氏に対し、委員の報酬として年10万ユーロが支払われており、統括会社のトップを務めるゴーン容疑者が支給を承認していた。3社連合の関係者が、支給を認めたゴーン容疑者らの直筆のサインが入った書簡や、セペリ氏に約50万ユーロが支払われたことを示す証明書を入手し、その内容を明らかにした。
ゴーン容疑者が日産における自身の報酬を隠しただけでなく、ルノー幹部への「隠し報酬」に関与した疑いも明るみに出たことで、ゴーン容疑者の会長兼CEO(最高経営責任者)職の解任を見送っているルノーの判断に影響を及ぼす可能性もある。
書簡は13年3月26日付。役員報酬の虚偽記載の疑いで逮捕されたゴーン容疑者と日産前代表取締役のグレッグ・ケリー被告の署名が末尾に直筆で記されていた。報酬の支払いを示す証明書には、ゴーン容疑者の役員報酬の過少記載などに加担したとされる日産の秘書室幹部の直筆サインがあった。
統括会社の取締役には日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEOらも名を連ねるが、統括会社から役員報酬を受け取っている取締役はいないとされる。同委員会はゴーン容疑者、ケリー被告とセペリ氏の3人のみで構成され、セペリ氏だけが委員報酬を受け取っていたとみられる。
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