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2017年09月29日16:29

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(その他)映画『パーフェクト・レボリューション』鑑賞記録

25日の夜、NHKの『クローズアップ現代』で、この映画『パーフェクト・レボリューション』のテーマ、「障害者の恋と姓」についてやっていたので見ていた。番組の中では、NHKの方針として『パーフェクト・レボリューション』のタイトル名は伏せていたため、番組制作のきっかけがこの映画にあることは後から知ることになった。映画については興味があったので、今日、昭島のシネマコンプレックスに行ってみてきた。

全体的な感想を申し上げると、主人公の交際の過程で生じるスポット的なエピソードを連ねて並べるような構成になっている。私は映画に登場させるエピソードはもう少し数を絞って、逆に絞って登場させたエピソードについてはその前後をしっかり掘り下げた方がよかったように思う。

具体的に言うと、例えば映画のうしろ1/3ぐらいのところに、女主人公ミツが車いすにクマのぬいぐるみを乗せて公園の階段のようなところで車いすごと突き落とすシーンが現れる。これは、ミツが男主人公のクマを「殺してしまいたい」という心理をいだきはじめたことを暗示させるちょっと怖いシーンだ。実際、その直後、クマとミツは海岸に散歩に行き、そこでミツはクマを車いすごと沈めて殺害しようと試みる。クマの介護責任者の恵理(小池栄子)がすんでのところで止めに入ってクマは助かる。

こういったエピソードをストーリー展開の中に入れること自体は決して悪いことではない。しかし、せっかくこういったエピソードをストーリー展開の中に入れるのであれば、ミツがなぜクマを殺害しようとしたのか、その「心が折れる」ところの心模様をもっと精密に描いてみてはどうだろう。また、ミツがこういった事件を起こしたのなら、これは「殺人未遂の刑事事件」に該当するはずだ。ミツは警察に逮捕され、検察に起訴され、裁判にかけられても何ら不思議はない。

映画ではそういうところを描いてもよかったのではないかという感想をもった。そして裁判のシーンの中で、参考人という形で精神科の専門医を登場させ、ミツが病んでいる人格障害の学術的な解説を参考人の供述という形で導入し、映画の鑑賞者がミツの人格障害がどういうものなのかについて理解を深める、という仕掛けにしてはどうだろう。

このような深刻な事件を経て、クマとミツは相互に隔離される。映画の最後のほうで、一時的に隔離を解かれてホテルのロビーのようなところで、会話することを許される。「僕たちの愛の試み、革命の試みは終わったのだ」ということを確認しあって、最後にクマがミツとダンスを踊ることを提案する。私は映画はこのダンスのシーンで幕にすればよかったのではないかと思えた。そのほうが終わり方としてきれいだし、「二人の革命はなぜ未達に終わったのか」という問題意識が映画の鑑賞者の心に去来する。

ところが、映画の制作者は、この映画のストーリーを無理やり「疑似ハッピーエンド」に導きたかったようだ。ミツがホテルからの帰り、監視のスタッフと駐車場を歩いていると、ミツの保護者役の晶子(余貴美子)と恵理とがワゴン車に乗って現れる。晶子がナイフをかざして監視スタッフのひとたちをひるませている間に、恵理がミツに「あなたたちならやれる。彼のところに行きなさい」とけしかける。晶子や恵理は、いったいどんな根拠があってそんな「あなたならやれる」などという思想を抱くようになったのだろう。その思想の変節について映画の鑑賞者が納得できる理由は全く描かれていない。ミツはクマのところへ走り、映画は終わるが、こんな終わり方は映画をかえって安っぽくしているように感じた。

もう一つ気になるのは、ミツはなんにせよ、一旦クマの殺害を試みた人間だ。そんな事件が起これば、普通はクマとミツの信頼関係は崩れるはずだ。上述したような「疑似ハッピーエンド」にまとめるのなら、クマとミツがどのようにして信頼関係を回復したのか、そのプロセスを描くべきだったのではないだろうか。全体のストーリー展開は緻密さに欠けるように思う。

クマとミツの恋は失敗し、二人が試みた革命は未達に終わる、そういう結論でいいのではないかと思った。その代り、なぜ二人の恋は失敗したのか、なぜ二人が試みた革命は未達に終わったのか、二人に何が欠けていたのか、革命の構想のどこが未熟だったのか、そういう問題を映画の鑑賞者に投げかけるような終わり方がよかったのではないかと思った。

【関連項目】

クローズアップ現代「障害者と恋とセックスと」番組HP

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4037/index.html

映画「パーフェクト・レボリューション」HP

http://perfect-revolution.jp/

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■障害者も健常者も関係ない! リリー・フランキーと清野菜名が不器用に愛を叫ぶ!!
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=53&from=diary&id=4788455

 9月29日より全国公開される映画『パーフェクト・レボリューション』は、幼いころに脳性麻痺を患い、手足を自由に動かすことができなくなったクマ(リリー・フランキー)と、人格障害を抱えた風俗嬢のミツ(清野菜名)が、互いの障害を乗り越えて本当の幸せをつかもうとする物語だ。
 クマのモデルとなったのは、脳性麻痺を抱えながら障害者の性への理解を訴える活動を続ける熊篠慶彦氏。そして本作の監督を務めたのが、東京大学工学部建築学科卒ながら、吉本総合芸能学院(NSC)12期生という、異色の経歴を持つ松本准平氏だ。
 そんな松本氏と、本作の企画の段階から関わり、クマの従弟・東海林二郎役として出演した増田俊樹氏に見どころを聞いた。
***
――非常にエッジの効いた映画ですが、どういうキッカケで企画を?
松本 増田と熊篠さんが旧知の中で、紹介してもらったのがきっかけです。そのとき、熊篠さんが障害者の映画を作りたいと話していて、そこから話が進んだんです。僕は当初、プロデューサーとして入る予定でした。
――それが、なぜ監督を?
松本 仕事仲間にお願いしてプロットを書いてもらったんですが、それを読んだとき、ちょっと違うなあと感じたんですね。そのプロットは健常者から見た障害者問題だったんですが、この映画をやるなら、熊篠さんを等身大でナチュラルに描かないといけない。そう考え、自分でやろうと思い始めたんです。
――それは松本監督ご自身が、熊篠さんと接するうちに、熊篠さんのことを障害者ではなくて、一人の友人として接するようになったからということでしょうか?
松本 そうですね。世間一般には、障害者というと、『24時間テレビ』(日本テレビ系)で目にするような障害者像を思い描かれるかもしれません。聖人君子的で、言い方は悪いかもしれないけれど、感動ポルノ的に理解しているケースも多いと思います。でも、モデルとなった熊篠さん自身は「障害者だってセックスをしたい」と、障害者の性問題を世間に訴えている。こうしたことから考えても、この映画を作るに当たっては、障害者と健常者を分け隔てちゃダメなんです。そこで、友人がじかに体験した恋愛物語をベースにして、その目線で話を作って撮りました。
――映画の中のクマは、皮肉屋でリアリストですが、ミツと出会ってから変わっていきますね。
松本 今の時代、いろんなことにあきらめていたり、不自由なものを抱えている人がたくさんいると思います。本作は障害者同士が恋をする話ですが、この不自由な感じって、健常者の人も同様に持っているテーマだと思うんです。ただ、クマとミツは、普通の人よりもより多くの困難を抱えているだけで。
――ラストは印象的ですね。
松本 試写会をご覧になった方からは賛否両論が出ていますが、僕はラストにはありがちな<物語の結末>を描くのではなく、「この瞬間、あなただったらどうする?」と観客に問いかけるものにしたかったんです。「ここから先は、あなたのストーリーですよ」って。
■不器用で不細工、だからかっこいい
――映画では、リリー・フランキーさんがクマを演じられていますね。
松本 リリーさんは、クマのモデルとなった熊篠さんとロフトプラスワンのトークショーなどで親交を重ね、長年の付き合いがありました。こうしたこともあって、僕が「熊篠さんの実話を元にした映画を考えている」と話したときに、すごく興味を持ってくれたんです。僕はリリーさんのユーモアをまぶした性格とか、顔立ちとかも熊篠さんと似ていると思っていたから、クマはリリーさんが演じるしかないと企画当初から思っていました。リリーさんは一見クールに見えるけれど、実は熱い人です。リハーサルのたびに2人で飲みに行って、脚本のことを語り合っていましたね。例えば、熊篠さんは普段、「夢は立ちバックで」って言ってるんですけれど、リリーさんは「ここは映画に入れたい」と言ったことから、脚本に盛り込んだりもしました。
増田 僕は長い間、ロフトプラスワンでトークライブの企画を手掛けてきて、リリーさんも熊篠君もずっと近くで見てきた人間なんですけど、撮影中のリリーさんからは少し違ったオーラが漂っていました。熊篠君が現場を訪れた際、電動車椅子に乗ったままの2人を遠目に見ると、どっちがどっちだか見分けがつかないくらい似ていましたよね。松本監督が描こうとする突き抜けた世界観に、一表現者として懸命に応えるリリーさんの姿勢が、とても素敵でした。
――清野菜名さんとの相性は、どうでしたか?
松本 リリーさんと清野さんは本当に仲が良くて、最後のほうは本当にクマとミツのようでした。そんな2人の雰囲気が映画の画面にも表れ、僕が想像していたよりも生き生きとしたクマとミツになったんです。おかげで演出が楽でしたね。待ち時間に、2人でよくわからないCMソングを歌っていたんですが、それがやけに耳に残っています(笑)。
――松本監督はキリスト教徒ということもあり、これまで『まだ、人間』や『最後の命』などの作品に、自身の思想を色濃く反映させていました。そこが一部で難解とも称される作風になっていましたが、今回はダイレクトに人間の生きざまを描き、エンタテインメント色が非常に強い作品になっています。
松本 そうですね。今回は、誰もが楽しむことのできるエンタテインメントであること、そしてポップであることを心がけました。ポップっていうのは、ダサさだと思うんですよね。かっこいいだけだど、ポップにならない。どこかダサくないと。その不器用さとか、不細工さが、この作品にマッチすると思ったんです。まず、タイトルが『パーフェクト・レボリューション』なんですけれど、このタイトルはダサさがあると思うんですね。ミツが「革命を起こす」と言ってるのも、実はダサい。カメラもほぼ手持ちでしたが、かっこよく撮ろうという意識もありませんでした。単純に人間としてクマとミツが向き合って、ぶつかり合うというところで作っていきました。そんな2人の生き方は不器用だけれど、泥まみれになってもがいているから、逆に一番かっこいいと思うんです。今のように息苦しい時代、そんな2人の生き方が、お客さんの心にどう響くのか、とても楽しみな半面、興行的な成否も気になってプレッシャーにもなっていますよ(苦笑)。
(取材・文=井川楊枝)

●『パーフェクト・レボリューション』
9月29日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本 松本准平  企画・原案 熊篠慶彦
出演 リリー・フランキー、清野菜名、小池栄子、岡山天音、丘みつ子、下村愛、増田俊樹、螢雪次朗、石川恋、榊英雄、余貴美子 ほか
配給/東北新社 PG12 
(c)2017「パーフェクト・レボリューション」製作委員会
http://perfect-revolution.jp/
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