mixiユーザー(id:38449523)

2020年01月23日08:04

71 view

映画 キャビンインザウッズ

ホラー映画として有名なのは「chain」の方だが、原題は「chain in the woods」だそうで。

逆に「キャビンインザウッズ」の原題は「resolution」
ポスター的にも似てるので検索する時にこの映画に巡り会えない時もある。

アマプラで検索したけどchainの方が先に来てしまった。

けど、俺はキャビンはすでに見たのでresolutionの方をずっと探してた。

そしてとうとう見れた。

今回の映画は、正直発想の勝利というか、発想がストーリーを追い抜いた感じだった。
その発想というのは、POV方式の応用とホラー映画の皮肉的なストーリーである。その2つをバラバラの表現にするのではなく上手く合致させたことによりこの作品の中に1つの小論文が作られていたと感じる。


それは感想の中で述べるとして、この映画の特徴を説明したいと思う。
まずこの映画には、観測者がいる。観測者の存在をほのめかす場面は様々であり、言うなれば序盤からほのめかしている。視聴者によってそれに気付く時間はまちまちだ。中盤には確実に気付く事ができるわけだが、その時間まで謎解きは出来ない作りになっている。
更に、このホラー的ミステリーの謎は明かされないために明確な答えにたどり着けないまま映画が終わってしまう事もある。
物語の読解力が試される話だ。


さて、俺はどこで気づいたかと言えば2人の主人公が話しているシーンがなぜか小屋の外から眺める様に写っていたところに起因している。1回目は不思議に思った、なぜならそれまで中で話がされていたのに急に外側から覗いている絵になったからだ。今まで2人の会話の内容がメインであったため、少し俯瞰に撮るにしても、小屋の中で2人が会話をしていれば良いわけで、急にこれを小屋の外からという意図として写しているのであれば、このシーンのメインは2人の会話ではないと感じた。
2回目に同じ様に窓から映されたシーンで俺は確信した、犯人は俺たちが今見ている映像を共有している。 つまり、この映画の全体像として、時折犯人の視点が映し出されている。最後のシーンについてはその答え合わせ様に、謎の犯人の目線で主人公を見ている。
簡単に言えば、物語を結末まで導くのは視聴者自身であるという部分もあるのだ。先ほど述べたPOV方式の応用というのはこの事を言い、一人称の視点を織り交ぜている事によってストーリーを映す中で視聴者に違和感を持たせる事ができ、更に正体不明のままであってもそれなりに納得できる様に仕上げているのだ。

しかし、ホラー映画のいくつかにはやはり最後まで正体不明で終わる物語がある。これが良いことかどうかというのは判別出来ないが見終わった後にモヤモヤするのは否めない。ことこの映画に関してはこの2人がラストのシーンの後どうなったかという点には全く想像できないのである。

また、呪われた土地、呪われた家という設定も多くあるがストーリーを進めていくうちに正体が分かってくるのが通常であるものの、この映画はとてつもなく良い塩梅で「なんとなくしかわからない」所で終わってしまっている。曖昧な回答を残しつつ、とにかく危険であると言う表現だけにとどめている。個人的にはアリだと思う。主人公の1人は結構感がよく、視聴者の俯瞰的な思考による推理に追いついてくれるからだ。
よく、視聴者はもうある程度理解しているのに主人公は状況から何も読み取れていない時間が存在する。仕方ないにせよ「お前どこまで鈍感なんだよ」と思ってしまうのだ。


chainは、ホラー映画のお約束を逆手にとって裏側大公開、更に皮肉めいた表現であったがキャビンインザウッズもある種ホラー映画に対しての批評的なものであった。しかも、露骨に批判的な思考を表現するわけではなく独立した映画として視聴者に考えさせ、その感想に一切の口出しはしないというものだ。
映像や画像での怪奇現象は、斬新なアイデアであったし終盤の畳み掛けも見事だった。
それ故に最後のシーンはもうちょっと後まで行ってよかったと思う。


久しぶりに感想が長くなる程度に面白い作品だった。










0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する