ラグビー観戦記16

ワールドカップ開催が決まったときからいちばん大事な試合になるであろう第4戦を楽しみにしていましたが、ライブで見れないのは宿業の宿命であります。というわけで昨日昼に録画でゆっくり見せてもらいました。いやあ〜中身の濃い試合でした。この試合を現地で見た方は入場料がお安かったですな。

田村が短いキックでマイボールにして試合が始まりました。
気合充分なスコットランドは徐々に反撃を開始。ティア1のプライドをかけてFW戦を挑んできました。6分にラッセルに密集サイドをつかれて先制されましたが、流が少しかぶってしまったすきを突いたのはさすがでした。
その後はスコットランドの日本対策がハマりました。サポートを早くしてラックにさせずバインディングを強くしてボールアンプレアブルにしてしまう作戦です。こうすると日本ボールもスコットランドボールでのスクラムになるのでかなり有利になります。
しかし日本も二人目のサポートを早くしてすぐに修正。前半の中盤以降は極力ラックにすることが出来ました。

16分田村が長いPKをはずしたあと、福岡の見事なオフロードパスから松島がトライ。ラファエレからのパスといい、まさに教科書通りのトライで追いつきました。
FWは20分のスクラムで押し勝ち、スコットランドからコラプシングの反則をとったのが自信となり、以降互角以上の勝負に持ち込みました。
こうなると日本の規律とスピードがいきてきます。
速攻でフォローした稲垣がゴール下にトライ。
終了間際にはゴロパントを福岡が抑えて21−7で折り返せたのはゲームプラン以上でした。

後半しゃかりきに攻めてくるであろうスコットランドから、福岡がジャッカルから独走トライを奪えて勝利を大きく手繰り寄せました。
その後二本トライを取られて28−21となりましたが、ばたばたせず不思議と安定感がありました。交代で入ってくる選手も先発陣と力量が変わらないのも大きかったです。特に中島の突破は光りました。
残り24分を一本もトライを取らせず締めくくれたのは大きな収穫です。
アイルランド戦も後半ノートライに抑えましたが、今のジャパンは一番きつい残り10分が実に充実しています。

この勝利に驚きはなく、世界は称賛に包まれています。スピードと情熱ではスコットランドを圧倒していたのは確かです。
アイルランド・スコットランドから勝利をもぎ取って堂々の1位通過に、世界の日本ラグビーを見る目は変わりました。
今後トップリーグに参戦しようとする選手も多くなるのは大きな財産ですし、なんでスーパーラグビーから除外するんやという声も出てくるかもしれません。
まあ今後の分析はこれからとして、まずは十分休養をとって南アフリカ戦です。決勝トーナメント進出は、台風で被害を受けた方々にも大きな励ましになったのではないでしょうか。あと2つ勝って、イングランドかニュージーランドと決勝戦も夢でなくなってきました。

最後に敵ながらあっぱれはフランカーのリッチーでした。再三ジャッカルでボールを奪い、モールやラックでは芯になって奮闘していました。まだ23歳、今後の活躍に注目です。