記録的な暖冬の今冬、冬らしい山歩きが出来るチャンスは少なく、弱い冬型が去った連休最終日が最後のチャンスかも、と思うと居ても立ってもいられず、日帰りでサクっと出掛けてきました。
目的地は昨冬同じような強迫観念で向かった北八ヶ岳(北横岳)のお隣の「縞枯山」です。
あまり聞き慣れない名前の山ですが、北八ヶ岳ロープウエイを上がった溶岩台地(坪庭)から夏場は縞模様の植生(青々とした森林と枯れ木林が高度毎に層をなしている姿)が見られる観光地としては有名な景色の山です。
そして、もう1点、出掛けたのには、冬用の登山靴を新調したという理由もあります。
写真右(青色)は、これまでお世話になった靴で、またまだ新しく見えるのですが、このタイプの登山靴に多い「靴底の剥離」が始まっていて、年末の八ヶ岳でも僅かに水滲みが起きていました。
GW頃の登山でも雪の上を歩く事があるため、思い切って2月の初めに写真左(黒にオレンジ)をシーズン終わりのバーゲンで購入し、試し履きの意味もありました。
翌日が仕事のため、始発のロープウエイを狙って午前5時前に家を出ます。天気予報を見つつ日曜日に決定したため、同行したがった息子は準備が間に合わす、今回は1人で向かいます。
午前9時少し前にピラタス蓼科スノーリゾートの駐車場に到着です。さっそくセンターハウスの赤い屋根越しに良い具合に樹氷の付いた山肌が見え、寝不足の頭も急速に覚醒して行きます。
登山靴に履き替え、身支度をしてロープウエイ乗り場へ向かいますが、ちょっと出遅れてチケット購入、乗車行列に時間がかかり乗車は9時40分に・・・
この日、山頂駅の朝の気温はマイナス9度、風が弱そうなのでちょうど良い散歩陽気になりそうです。ロープウエイはあっという間(7分)で山頂駅へ。そこは既に樹氷の世界です。
前日の雪と風で一見銀世界ですが、積雪は薄く、昨年より更に雪不足の様相です。
それでも昨冬散歩した北横岳方面は綺麗に樹氷が付いているようです。
夏場は観光客が運動靴でも散歩する「坪庭」の横を雨池峠方向に歩き始めると、早速左右に美しい樹林が現れます。
道は広く、傾斜も緩やかで歩き易い行程です。
午前中の強い日差しが、粉雪の細かな影を立体的に映しています。
10分も歩くと、青い三角屋根が雪に映える縞枯山荘に到着です。
出発して直ぐなので、写真を撮りまくりますが、一服はせず先に進みます。
5分ほど歩くと縞枯山への登りの分岐「雨池峠」に到着です。
これから向かう山頂も見えます。
ここで、急な登りに備え、チェーンスパイク(簡易アイゼン)を装着。簡易アイゼンは凍り付いた登山道や急坂には向かないものの、装着が簡単なため、こうした軽登山では重宝します。
一瞬でスパイクを履いて出発です。最初こそ緩やかな登りで日差しがありますが、やがて樹林帯の喘ぐような急坂になります。
20分ほど歩き、汗が噴き出してくる頃、周囲が明るくなり山頂が近い事が感じられます。
見上げる毎に素晴らしい樹氷で、シャッターを切りっぱなし、疲れも全く感じません。
前方が拓け、間もなく山頂です。
雨池峠の分岐からちょうど30分、縞枯山山頂(2403m)に到着です!
周囲に背の低い樹木があり、山頂から360度の展望という訳には行きませんが、木々は見事に凍り付いています。
荒い息のまま写真を撮り、少し離れた展望台へ、真っ青な「八ヶ岳ブルー」の空と真っ白な雪と氷が見事なコントラストの尾根道を進みます。
尾根の半ばでは樹林が切れ、北アルプス・霧ヶ峰方面、富士見高原方面などが望めます。
山頂から20分ほどで、展望台と言われる岩場が一段高くなっているポイントに到着。ここからは特に南八ヶ岳や秩父方面の眺めが見事です。
岩場の上はさすがに風があり、じっとしていると寒さが堪えそうなため、風の当たらない登山道脇の窪みに移動してからお昼にしました。
お昼は道中のセブンイレブンで仕入れたパンなどを手早く頂きます。
パンを食べていても見上げればこの景色
時刻はまだ午前中でしたが、目的の樹氷は満喫できたので、通常はセットで向かう茶臼岳には向かわず、ゆっくり山頂駅に戻る事を決定。戻り道は、このまま山を五辻方面へ下るのではなく、美しい樹氷の稜線を味わうため、来た道を逆戻りする事に。
五辻・茶臼岳方面への下り(こちらには行かず、雨池峠方向へ逆戻り)
尾根道を戻ります。美しい・・・微かに浅間山も。
縞枯山山頂で稜線の樹氷にお別れ。
往路の急坂をゆっくり下りますが、午後の日差しが美しく雪面を照らすため何度も何度も立ち止まり神秘的な光景を堪能します。
この付近は坪庭あたりよりかなり雪が深く、登山道を外れると軽く腿まで新雪に埋まってしまいます。
雪は軽く締まっていてスキーであれば最高の雪質です。自分を追い越して行った元気なシルバー登山隊は靴裏を器用につかってグリセードで下っていましたが、ここは登りが一番苦しいところなので、自分は足場を取りにくくする下り方はせず、均された坂道にステップを作るように踵からゆっくり下りました。
写真は登山している方を下から見上げた構図です。
20分ほど下ると、対岸の雨池山の急斜面を下る登山者(下山者?)が見えました。
樹林を抜けて、再び峠の分岐に到着です。
縞枯山荘を過ぎてロープウエイ山頂駅に向かう道中では、クロスカントリースキーの一行とも行き合いました。
13時半少し前に山頂駅到着。スパイクを外して40分発のロープウエイに乗車します。登りはスキーヤーで一杯でしたが、下りは登山者で一杯です。
眼下にはスキー場
今回目的地で迷った蓼科山も見えました。
下山後は、おきまりの「こけももソフトクリーム」。昨年のコケモモだけのものではなく、バニラとのミックスの方がはるかに美味しく感じました。
昨年も見た風景。また来るよ!
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