昨年、大きな被害をもたらした台風21号の記憶も残る中、今年も幾つもの台風が日本にやってきました。
直近では9月早々に襲来し千葉県などでライフラインの復旧に長い時間がかかった15号、そして先週から各地に大規模な水害もたらしている19号。特に19号は、亡くなった方や今も行方が分からない方が100名近くになるという大災害になっており、命を落とされた方に深いお悔やみを、被害に遭われた方、怪我をされた方、今も不安な夜を過ごされている方にお見舞いを申し上げます。
また、復旧や防災で今も奮闘している方々にも深く感謝いたします。
毎回、こうした災害を目の当たりにしても「どうして良いか分からず」日赤への募金だけで過ごして来た反省から、今回は災害復旧ボランティアにも初参加してみました。以下はその備忘です。
もともと10/12-13は、東北の「西吾妻山」へ紅葉登山に出掛ける予定でした。しかしケタ外れの台風接近に予定は早々に中止となり、一時は翌週（つまり今週）に登山の再チャレンジも考えてみましたが、これだけの状況で登山もないかな、と思い、有志で日帰りのボランティアに出掛ける事にしました。
場所は那珂川の氾濫で度々ニュースに取り上げられていた水戸市に決め、事前に纏まった人数での参加を水戸市の社会福祉協議会へ連絡したところ、受け入れ枠か何かの関係で一般枠での受付となるため、朝、直接現地に来て欲しいとのお話をいただきました。（那珂川は何度も訪れている那須や三斗小屋温泉を源流としていてこれも何かの繋がりかと・・）
この週末は19日(土)が天候によりボランティアの受け入れが中止となり、我々も20日(日)の朝、現地に集合する事として、各自必要な準備をして向かいました。
20日(日)の早朝、どんより曇ってはいましたが雨は落ちておらず、私を含む電車組はバラバラに水戸駅に集合しました。途中の車窓からはそんな被害があったとは思えないようなのどかな田園風景が拡がり、途中見える広大なレンコン畑(水田)もいつもと変わりないような景色でした。
水戸駅から仲間の車に分乗してボランティアセンタへ向かいます。近くの駐車場は既に多くの先着車で満車となっているため近隣の小学校に案内頂き、そこから徒歩でセンタに向かいます。到着すると・・まだ受付が始まって間もない時間ですが、受付待ちがかなりの行列になっていて、我々も団体登録ができなかったのでその最後尾について順番を待ちますが、後にも次々ボランティア希望者が並びます。
１時間くらい待っていると少し列が進み、これからの手続きの説明を受けます。手続きの大まかな流れは下記の通り。
１）受付→�仝朕佑僚蕕瓩討諒�(今回の災害)
→��個人の２回目以降の方(今回の災害)
→�Ｃ賃里諒�
�，諒�が多く、行列も滞っていた感じです。
２）保険加入→�，△�
→�△覆�(新規加入)
ボランティア保険の加入は個人毎の書類記入が必要です。
今年度他所で加入した保険は年度内有効。
３）ボランティアについての詳細説明
心構えや対応方法などの説明を受けます（順番がちょっと違うかも知れません）
４）マッチング→�ー崢鷆＿�
→�△修梁�
センタに随時要請されるボランティアの要請を、内容や物量別に細かく分類し「要請」と「対応者」をマッチさせます。要望に対して対応できる人（グループ）が応じる入札のような形式です。（これがとても大変なようです）
５）道具の受け取り、遠方であれば送迎車を待ち、出発。
６）現地ではグループのリーダが休憩、作業進捗を管理、概ね16時にはセンタに戻れるように作業を終了させ、翌日の作業要否、要望を実施先の方に聞き取り、戻ったセンタで報告。
７）道具、長靴を洗浄し、手足を消毒して解散。
と、いった感じのようです。
「のようです・・」というのは、実はこの日、前日が雨で受け入れ中止だった事や、被害の報道の那珂川(渡里)の水没映像がショキングだった事もあってか多くのボランティアが集中し、一時的に需要が共有を上回る状態となり、当日の作業は「なし」となったためでした。（地域の偏りもずいぶんあったようです）
お昼頃には上記の状況が説明され、我々を含めまだ100人以上はいたボランティアはそのまま解散となりました。「間に合ってる」というのは、それはそれで良い事なので、何となく満たされない表情ながらも「じゃあ、地元貢献で美味いものでも食べて・・」といった感覚でしょうか。
我々もそこで帰宅する組と、もう少し自分たちで探す組に分かれ、自分を含む居残り組は、行政に言い出せない方やそれでも不足しているであろうリアルタイムの声をツイッターやFacebookなどで探しました。
すると、水戸市からは少し離れていますが、ある農家で畑が大きな被害を受けていてとにかく人手が欲しい、という発信を見つけました。ツイッターには大量の泥が溜まった畑の写真があり、早速リンク先のHP記載の連絡先に電話しますが、電話は不通(後で聞きましたが、そのエリアはライフライン全ては止まっているとの事)で状況が聞けません。畑に出ているのか、ツイッターにも返信なく、それでも色々調べて行くと近隣のフォロワーのFacebookの番号に連絡が付き「状況分からないが、行ってみれば」とのアドバイスを頂きました。
ボランティアは社会福祉協議会を通さないと保険も効かず、万一の際はトラブルになる事もあるため、こうした個別のアプローチは控えるべきなのですが、とにかく現地に向かって作業可否や状況を見て判断しよう、という事で残ったメンバの車に分乗して現地に向かいました。
沿道の光景はすさまじいもので、通り過ぎる家々でもたくさんのボランティアや地域の方が作業をしていましたが、一方で手つかずの家や畑、店舗も多くあり、まだまだ時間がかかりそうな状況です。
到着すると作業はシャベルでひたすら泥をかき出し、バケツや一輪車で数十メートル離れた集積場に積み上げている様子。少なくとも物理的な怪我のリスクは少ないと判断して、農場主らしき方に声を掛け、こちらの状況と自己責任で手伝いたい旨をお願いしました。
既に作業を始めていたメンバ（若い人が多かったですね）も多数いましたが、エリアが大きくまだまだ片付かない様子もあり、ありがたく受けていただける事になりました。
作業は・・・見た通り、水を吸って固まった重い土をひたすら運び出すかなりの重労働で、薄日も射し、ビニールハウス内はかなりの暑さ。経験した事の無いような大汗が体中から吹き出し、腰で泥を入れたケースを支え運び出す作業は想像を超えて過酷でした。ただ、私より明らかに年上の地元も方なども多く手伝いに駆け付けていて、自分も何とか踏ん張りました。
農場主の方はこのような状況でも細かく休憩の声掛けをしたり（水が出ないのに）水の入ったタンクで飲料水や手洗い水、その他もお茶や果物など様々用意して頂いていたようですが、多くの参加者はあまりそれらに手を付けず、長靴もドロドロのまま帰路についていたようでした。
今回、ちょっとイレギュラーな形での参加となってしまいましたが、次回（残念ながら機会がある場合は）はもう少し準備して対応したいと思っていますし、ICTなどでボランティアの偏りやマッチングの難しさを軽減できる仕組みなども考えられたらなあ、などと(あくまで願望ですが)思っています。
※追記
地域は違いますが、写真入りで分かりやすいボランティア受付の流れがありましたのでリンクを貼っておきます。地域差はあると思いますが大きな流れとして参考になればという思いです。
https://www.iwaki-shakyo.com/volunteer/saigai-volunteer/vcday.html
（いわき市社会福祉協議会のページにリンクします）
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