いかに主君の道三が鉄砲に興味を示したとはいえ、後の展開はなんともRPG的でした。
パカッと扉が開くように、唐突に伊平次という人物が光秀の旅の目的になり、
クニトモの村を訪れ、村人と話すことで次の手がかりをつかみます。
キョウの街に行くと、なぜか将軍・義輝をはじめ室町幕府の要人と顔見知りとなり、
松永久秀と再会すると、言われるがままに「ぱふぱふ」関連のイベントに突入し、
なんとか伊平次と会うことができました。
それでも、お尋ね者だった久秀が三淵と交渉をするくらいには関係が改善していたり、
その一方、見るからに高位な三淵に平気で刀を向けるほどには久秀が力を持っていたり、
刻々と変化する京の情勢も描写をしています。
久秀の「鉄砲抑止論」に、伊平次が「軍拡競争になるだけ」と返すあたりは上手く、
少なくとも、すべての大名が望むと望まないとにかかわらず、
鉄砲とどう付き合うかについて考えねばならない時代になっていくことは明らかでした。
となれば、藤孝がたしなめるように、鉄砲を背負って平気で市中を歩く光秀は、
さながら核爆弾を隠し持ったテロリストのように写るのかもしれません。
それにしても、遊女あしらいをはじめ、松永久秀の世慣れたオヤジぶりと比べると、
誰にでも何でも正直に話しすぎる光秀のカワイイけれど使えないヤツ感が好対照、
というか、むしろ心配になってきます。
というわけで、今回の秀逸は、
後々、光秀(20歳)と因縁浅からぬこととなる細川藤孝が実は当時14歳の若者で、
将軍・義輝に至ってはまだ12歳の子どもだったことでも、
「先月までは本能寺にいた」と三淵が語る伊平次の「港のヨーコ」感でもなく、
いろいろな考証を経た結果であろうと思われる、
薄暗い遊女屋で女たちが興じている足相撲のけだるい微妙な色気。
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