mixiユーザー(id:37214)

2020年01月20日12:19

38 view

麒麟がくる第1回「光秀、西へ」を見る。

傑作すぎる「いだてん」の後だけに、なかなか麒麟を待つ気分になれません。
「真田丸」後の「直虎」のときも、子役時代の間、ずっと冷ややかに見てしまいました。
それではいけないと、気合を入れて見始めた「麒麟が来る」ですが、
なるほど、こう来たか。

いきなり10分以上のチャンバラ、10数騎の夜盗が村の稜線に並ぶという画面の美しさ。
腕は立ち、才覚もあり、勇気もあり、心は真直ぐという申し分のない主人公。
しかも、わかりやすい。

西部劇、もしくは昔の古き良き時代の娯楽時代劇を思い起こさせます。
オープニングの壮大さと雲に騎馬武者の影という画面も、懐かしい。
これぞ大河ドラマ、こんな作品を待っていたんだという方も少なからずいるでしょう。

それでいて、堺までの道中や京の町で見られた庶民の暮らしや理不尽な社会の描き方は、
英雄の活躍を紹介するばかりだった講談由来の昔の演出とは一味違います。
また、足利将軍家に対抗する時代の覇者として三好家を置いたのも意欲的です。
ほんの十数年時計をさかのぼるだけで、信長の天下取りとは違う時代が見えてきます。

初回とは、物語のツカミであるとともに、
一年間描き続ける物語の世界観を提示する役割があります。
その点では、どんな大河にしたいのかということはよく見えてきました。
それを好きになれるかどうかについては、今のところ微妙なのですが。

というわけで、今回の秀逸は、
いかに戦国時代に派手な色遣いをしていたのが史実とはいえ、
どうしても若手落語家の化繊の着物を思い起こさせる衣装の彩度の高さでも、
不死身の光秀が堺でやっと手に入れた鉄砲を初対面の駒に預けてまで子どもを助けた時、
駒の思い出で語られた「麒麟を連れてくる大きな手の人」のキーワードっぽさでもなく、
見るからにクセモノ感を漂わせつつ、鉄砲を渡すくらいには光秀のことを気に入ったが、
安く買いたたいてたぶん残った金は自分のものにしただろう松永久秀のペロリ舌。
(アインシュタインにさかのぼること、約400年。) 
1 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年01月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031