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2022年07月01日10:14

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「実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン」の話題、そして1年の半分が終わる。

 昨年の2021年11月公開「囚人ディリ」を6月24日(金)に自宅観賞。

「囚人ディリ」(ロケーシュ・カナガラージ)
インド映画、約2時間半になんなんとする長尺。例によって歌って踊ってブンチャカドンチャカ満載と思っていたら、そういうのはゼロ。無期懲役で仮釈放になった男が、生まれて初めて孤児院の娘に逢いに行く途中で、麻薬組織撲滅刑事のピンチに巻き込まれ、病院から警察本部までの長距離トラック運転を受けざるを得なくなる。麻薬大量摘発の深夜から夜明けまでの一夜の物語。組織は警察上層部まで巻き込んでおり、その危機また危機の連続はハラハラドキドキのしっぱなしで、その仕掛けは私が拙いストーリーを追うよりも、観た方の眼で直接に確かめていただく方がいいだろう。そんなコンパクトアクションに、何で2時間半?私の好みのタイプのシムプル映画とはいえ、娘のエピソードと麻薬撲滅の2つのラインがあるとしても、とても持たんだろうと危惧したが、これを徹底したサスペンスで押し切るのである。ボリウットもここまで来たか!ただ、過去の荒れた生活を匂わせているとはいえ、主人公ディリが無茶苦茶に強過ぎて、お前は東映時代劇ヒーローか!と突っ込みたくなる。終盤で主人公も含め、数少ない味方が次々と脱落していくが、これが死にそうでなかなか死なないで復活する。東映ヒーローよりもむしろ韓流の粗っぽさか。これも含めて、歌って踊ってだけではないボリウッドの新しい荒唐無稽として楽しめばよいのかもしれない。(よかった)

「実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン」を、自宅録画観賞する。TV放映された5話分を35mmブローアップし、繋ぎシーンを加え再編集して劇場公開した一篇だ。当然ながら、私はリアルタイムで全話ともに観賞済である。

 改めてこうしてセレクトされると、さすが実相寺作品(脚本・佐々木守)でユニークな物が多い。子供達の落書きが、宇宙線を浴びて実体化してしまう二次元怪獣ガヴァドン。長年地底に雌伏していた人類が地上進出のため、その先兵にされる地底怪獣テレスドン。辺境の惑星に放逐された宇宙飛行士が過酷な環境の中で怪獣化してしまったジャミラ。宇宙から自分の意思と関わりなく降ってきてしまい、どう宇宙に送り返すかと、人類を苦心惨憺させる超重量のメガトン怪獣スカイドン。そして、白眉は映画最終エピソード「怪獣惑星」のシーボーズだ。間違って地球に降臨してしまい、宇宙墓場に戻りたくて、高層ビルの天辺に立ち悲しく咆哮する哀愁は切ない。

 いずれの怪獣も、単なる地球侵略の敵ではなく、あるべき場所でない所に現れてしまった不条理感に包まれており、SF的センスオブワンダーに溢れている。「怪獣惑星」は鮮やかなエピローグを構成していた。

 CG合成が簡単で無かった時代の作品で、全てミニチュアで造り込まねばならず、今の眼で観るとかなりチープである。でも、そのミニチュアの手の込んだ壮大さには、逆に感嘆させられる。感心したのは背景の大自然の雄大なホリゾントだ。(この後、平成ガメラで自然の実景の前にミニチュアを組んだ金子修介・樋口真嗣のセンスに、眼から鱗でさらに感嘆させられるのであるが、それは後世の話だ)

 ただ、当時の私は周囲の熱狂に対して、かなり醒めていた。いや憎しみ半分ですらあった。劇場映画至上主義であった私にとって、これが映画斜陽化に益々拍車をかけていくのが、見るに忍びなかった。技術水準から言えば、この頃の映画の円谷特撮の足元にも及んでいなかった。こんなのに喜ぶなよ!もっと映画を観に行けよ!と、孤独に叫んでいたのである。

 今回のCS放映での最も大きな収穫は、オリジナルのカラーで観られたことである。リアルタイムで観た時は、お金持ちでない当家にとって、当然モノクロ版観賞だ。カラーなんてこれ見よがしなタイトル表示を横目にしつつ、モノクロTVで楽しんでいた。今でもモノクロTVにカラー放送表示の意味がどこにあったんだろうと疑問に思っている。ここまで来ると、もはや時代劇の世界ですね。

 昨年の2021年1月公開「KCIA 南山の部長たち」を6月27日(日)に自宅観賞。

「KCIA 南山の部長たち」(ウ・ミンホ)
1979年に時の韓国・朴大統領がKCIA部長に暗殺された実話に基づく一篇。理想に燃えて民衆のために起こしたクーデターだったはずが、自己保身の利権漁りと庶民弾圧に腐敗していったことへの怒りに至るとの骨子に新味は無いし、それ以前にホントかいなと眉に唾をつけたくなる。韓国人の眼で観ると、違った感想が出るのだろうか。唯一の見所は、ストイックでクールな魅力を全開発散させたイ・ビョンホンの演技のみといったところだ。(まあまあ)

 前回日記から6月末までに観た自宅観賞作品は次の9本。

「デンジャー・クロース 極限着弾」「囚人ディリ」
「実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン」「ウェイバック−脱出6500km−」
「KCIA 南山の部長たち」「スウェプト・アウェイ」「恋は邪魔者」
「ワイルド・ブレイブ」「リベンジ・リスト」

 6月が終わる。半年が終わっての、昨年の令和3年公開の日本映画観賞済作品35本、2021年公開の外国映画観賞済作品16本、J:COM基本チャンネルがベースでも、案外と稼げるものですね。

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