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2022年03月16日19:39

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2021年公開の新作やらピンクやら、いろいろ。

 3月11日(金)、CS録画にて昨年1月公開の「新 感染半島 ファィナル・ステージ」を観る。

「新 感染半島 ファィナル・ステージ」(ヨン・サンホ)
ゾンビ ウイルスが蔓延し、人は退避して無人(ゾンビは人でないから)となった韓国。韓国難民は、ウイルス保菌者の疑いから差別され、惨めな生活を余儀なくされる。香港マフィアが、その弱味につけ込んで、韓国人に闇ドル札を積んだトラックを韓国から搬出するミッションが、多額の報酬と引き換えに与えられる。そこに、暗闇で眼が見えないが、音には鋭敏になるとの「クワイエット・プレイス」もどきの、新たなゾンビ設定が加わる。だから、暗闇に乗じて一夜限りで終わるはずのミッションのはずだったが…。かつての韓国映画は語り口が粗っぽかったが、こういう基本設定を整理してキチンと提示するのが、本当に上手くなった。(撮影所システム崩壊後の日本映画の方が、その点がはるかに杜撰になり、今や完全に韓国に負けている)韓国内では取り残された民間人救助軍が私兵化して凶暴化し、我が物顔に振る舞っており、ドル札の争奪戦に発展する。部隊の中での、叩き上げ軍曹と指揮官の大尉との、権力逆転現象も興味深い。照明弾などの光を利用して、ゾンビを自分に有利に動かしていくユニークで苛烈な戦闘に至る。クライマックスのカーチェイスは、敵・味方・ゾンビが複雑に入り乱れ、ビジュアル的にもなかなかの見物。終盤のこれでもかこれでもかこれでもかの見せ場の乱打は、四天王時代の全日本プロレスもかくやで、韓流ならではのしつこさに圧倒される。ヒーローやヒロインが無敵すぎない?との疑義も、徴兵制の韓国ならば軍隊上がりということで、何となく納得させられてしまう。仮に、日本では自衛隊経験者にしても、ここまで説得力は持たせられまい。パニック アクション スペクタクルで、当面は日本映画は韓流に及べないのかなあ。(よかった)

 また同日の3月11日(金)、東日本大震災11年目の日、やはりCS録画にて昨年2月公開の「二重のまち 交代地のうたを編む」を観る。

「二重のまち 交代地のうたを編む」(小森はるか,瀬尾夏美)
画家で作家の瀬尾夏美が、2031年の未来からの視点で書かれた原作に基づいた一篇。津波対策で嵩上げされ、足元の地下に埋もれたかつての故郷へ,10年後から想いを馳せる内容だ。それを読んだ4人の若者が、その土地の人々から10年前の話を聞き取り、思うことを語り合う。震災の爪痕を二重のフィルターをかけた間接描写で捉えようとしているのだが、私にはユニークな視点というよりは、事実を紛らわしくしているだけのドキュメンタリーとしか思えなかった。(あまりよくなかった)

 3月13日(日)、CS録画にてピンク映画「恋人百景 フラれてフって、また濡れて」を観る。

「恋人百景 フラれてフって、また濡れて」(竹洞 哲也)
ピンク映画の助監督から後にAV監督となった津田篤に、関わった3人の女、友田彩也香・加藤ツバキ・樹花凛がスケッチされていく。描写の特長は、相手の男たちの津田篤・山本宗介も絡めて、男女のモノローグが頻繁に流れることで、そこに恋のややこしさと、それでもそこに焦がれる人間心理の綾が淡々と浮き上がる。久々にシットリした男と女の描写が際立つ竹洞演出が観られた。当方ボーカルの脚本も今回はグッド。ただ、オムニバス形式のためやや薄味になったのは否めない。それに3組の恋模様で「百景」は羊頭狗肉だろう。(まあまあ)

 ここまでで、前回日記以降に観た映画は次の12本。でもピンク映画を観た後、「アンパンマン」2本に加えて「銀魂」とアニメ三昧、なんか我ながら笑っちゃいますね。

「BUNRAKU」「獅子座」「ブレイン・ゲーム」「あぶく銭」
「バーバラと心の巨人」「新 感染半島 ファィナル・ステージ」
「二重のまち 交代地のうたを編む」「恋人百景 フラれてフって、また濡れて」
「うたって てあそび アンパンマンともりのたから」
「それいけ!アンパンマン すくえ!ココリンと奇跡の星」
「劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なり」「ヲタクに恋は難しい」

 キネマ旬報3月下旬号、大高宏雄さんの「2021年映画業界総括」で、配信優位に舵を切ったディズニーに関し、こんな記述があった。

「映画が軽くなった。映画館という重々しい確固たるポジションをはみ出して、ふわふわしてきた。映画はまるで、どこかに漂っているかのような気さえしてきた。どこでも観られるということは、どこでも観ないということにつながる。そう考えてもおかしくないのではないか」

 すでに、映像創作物をNetflixがリードして席捲し始めた頃からその兆候があった。さらにコロナ禍が劇場離れにとどめを刺した。そして今や映画界の中核であるディズニーも配信優位に舵を切ったのである。映画というものは、私がイメージしたものから、どんどんかけ離れていくのだろう。もの凄く寂しい事態である。

 せめてもの救いは、個人的事情であるが、2021年に身体障害者となった私にとって、映画は自宅観賞中心にならざるをえなくなったことだ。私が、劇場芸術を中心に、映画を堪能し尽くすのは2020年でエンドになったわけだが、その頃から映画の持つ意味合いも大きく変貌したことである。私は今後も映画を愛し続けるが、キリの良いところでの状況変化であったとは思う。(やや、いや、かなり自己満足に近いが…)

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