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2021年02月22日17:55

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【ネタバレ4】『ツイン・ピークス　The return』シーズン３

【それは誰の夢？】
このシリーズを通して、重要なキーワードがいくつかあります。火・電気・音（異空間に関係する時、何らかの音がしています）、そして夢。オリジナルでもたびたびありましたが、夢を通じてブラック・ロッジとつながることが可能でした。

シーズン３の雰囲気って、なんとなくまったりしていると思いませんか？シーズン１・２はまだ夢と現実の区別がはっきりしている感じがしていました。でも、シーズン３は演出の遅さもあってか、全体的にぼんやりしている気がするのです。そう、まるで夢を見ているような…。

夢って、奇想天外ですよね。設定も奇抜で、時間も存在しない。普段話すこともない芸能人が出てきたり、突然場面が変わったり。モノクロだったり、カラーだったり。うーん、ひょっとして…ツイン・ピークスって夢オチなの？？？？？

そういえば、第１４章でゴードン・コールの夢の中に現れたモニカ・ベルッチが語ります。
「私たちは夢見人みたいなもの。夢を見て、夢の中に生きている。でも、それは誰の夢？」

クーパー捜査官も、第１７章で保安官事務所に戻ってきたときに「我々は、夢の中に住んでいる」って言ってました。

よくよく考えたら、シーズン３って突然わけのわからないシーンが展開されることがありました。例えば、RRダイナーに突然銃弾が撃ち込まれ、急にホラーのような意味不明の展開になったりとか…。ゴードン・コールがドアを開けたら、そこにいるはずのないローラが泣いていたり…。悪クーパーも、留置所にいる時に「俺は家から出たことがないんだ」って、急にわけのわからないことを口走ってましたねー。

もしかしたら、シーズン３の大部分は、何層にも分かれた夢というパラレルワールドなのかもしれません。

少なくとも、オードリーのパートは夢、パラレルワールドでしょうね。そして、彼女のいる世界とロードハウスは同じ次元であることは間違いなさそうです。ロードハウスの中の誰かの会話って、本筋とは関係ない感じがしますし、オードリーの会話とシンクロしている気がします。

【第１８章】
過去に戻ってローラを助けたクーパー捜査官は、ダイアンとともに書き変わった今へと時空を超えます。一夜明け、彼らはリチャードとリンダになっていました。ダイアン（リンダ）はクーパー捜査官（リチャード）の前から既に姿を消しています。

クーパー捜査官は、ローラを探します。立ち寄ったカフェで大好きなコーヒーを前にしても、反応しません。おっと、クーパー捜査官ならコーヒーに異常に反応するはずなのに、妙ですね。もしかしたら、このクーパー捜査官は、タルパ（化身）なのかもしれません。それとも、過去が変わってしまったので、趣向が変化したのかしら？

なんとかローラの家を突き止めますが、そこにいたローラは別の名前を名乗り、ローラ・パーマーではないといいます。セーラもツイン・ピークスも知らないと。ローラの家には男性の死体があり、壁の棚には白い馬の置物が…。白い馬…やはり過去が変わっても、セーラ（ジュディ）の支配下のもとにあるのかもしれませんね。結局同じことを繰り返してるのかも。負の無限ループだ…。

クーパー捜査官は、彼女をツイン・ピークスの昔住んでいた通り沿いの家に連れて行きます。そこにはセーラが住んでいるはず。…ところが、そこにはセーラの姿はありませんでした。

「今は何年だ」と言って頭をかかえるクーパー捜査官の横で、セーラのささやきを聞いたローラは絶叫します。

ここで、この物語は幕を閉じました。

【結局、謎だらけ…笑】
マジかー(笑)って感じです。結局謎のまま終わってしまったではないの…。まあ、途中からスッキリ終わるわけがないと思ってはいましたが…。

恐らく、ジュディをなんとかしなければ、セーラとローラの母娘を救うことはできない、ということだと思うのですが、クーパー捜査官の思惑通りにいかなかったわけですよね。まあ、これがオチといえばオチなんでしょうが、続きがあってもおかしくない終わり方だとは思います。

クーパー捜査官は、別れ際にゴードン・コールに言いました。「カーテンコールでまた会おう」

彼の性格からすると、言ったことは必ず守るタイプの人物だと思います。まだ、カーテンコールじゃありません。でも、主要人物を演じる役者さんの中には亡くなられた方もいますし、リンチ監督自身がご高齢だし、おまけにコロナ禍だし…。シーズン４はどうなるかわかりませんよね。

けれども、いつの日か昔好きだったガムがまた流行りだし、消えたテレビの電源がまた入る日がくるかもしれません…。そう、このシーズン３が２５年を経て撮影されたように。

これで私の妄想に満ちた戯言はおしまいです。長きにわたり、お付き合いくださった皆様、ありがとうございました。今後は、いつもの映画評に戻ります。。。