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2019年11月07日18:11

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2018年DVD邦画ランキング 1位〜5位

今日から去年観た邦画DVD(録画含みます)のランキングに移ります。全部で14作品、10位まではなんとか書きたいなと思っておりますが…。とりあえず、1位〜5位をどうぞ。

★2018年邦画DVDランキング 1位〜5位

ペンギン1位 『あん』

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(2015年 日本・仏・独 監督:河瀬直美 出演:樹木希林 永瀬正敏 内田伽羅 市原悦子 他)

原作は、ドリアン助川の同名小説。

小さなどら焼き屋の雇われ店長である千太郎(永瀬正敏)の元に、ある日徳江(樹木希林)という老女が「働きたい」とやって来ます。絶品のあんを作る徳江を千太郎は雇いますが、彼女はハンセン病患者でした…。

ハンセン病を扱った映画を観るのも、河瀬直美監督の作品を観たのもこれが初めてですね。もっと癖のある感じを想像していたのですが、案外癖はなく、思ったよりも優しい感じの作品でした。

人は、なぜ生きていくのか…。そんな普遍的な問いかけを徳江さんや店長を見ていると感じます。徳江さんは、小豆を炊く時、小豆に話しかけます。小豆がどんな思いでここに来てくれたのかを考え、豆たちに敬意を払いながら手間暇惜しまずあんを作るのです。そんな姿を見ていると、「私たちも陽のあたる社会で生きたい」というハンセン病の方々の真摯な日々が心に響いてくるんですね。小さな日常を大切に生きている姿が…。そして、それは店長やワカナ(内田伽羅←樹木希林の実孫)の心をも溶かしていくのです。

とても重いテーマを扱っている作品ではありますが、優しさの方が勝っている感じです。樹木希林演じる徳江さんから、勇気と優しさと哀しみと、命のはかなさをも感じ取ることができました。四季折々の美しい情景を背景に、桜で始まり桜で終わる美しい映画だと思います。

・旦那のランキング 4位

 


ペンギン2位 『駅/STATION』

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(1981年 日本 監督:降旗康男 出演:高倉健 倍賞千恵子 いしだあゆみ 烏丸せつこ 根津甚八 他)

有名な作品ですが、初めて最後まで観ました。しばれる感じの北海道、いいですねー。
で、スタッフが何気に重鎮ばかりで。。。監督が降旗康男、脚本が倉本聰、撮影が木村大作ですって!キャストも豪華。小さな役の俳優さんまで、顔と名前が一致しますわ…(笑)

北海道の増毛町や雄冬岬などを舞台に、射撃のオリンピック選手であり、刑事でもある三上英次(高倉健)の1968年から1979年ごろまでの出来事を描きます。

この作品は、3人の女性にちなんだ3部構成になっているのですが、最も出番の少ない直子(いしだあゆみ)の印象が強烈です。彼女の芝居の上手さなのか、演出の妙なのか。セリフもほとんどなく、「北の国から」かいっとツッコミたくなるような(倉本聰だけに…)

作品の核となっているのが駅。銭函、増毛、上砂川…。それぞれに出逢いと別れを繰り返す登場人物たちをどっしりと包み込みます。その情景に溶け込むかのような英次と桐子(倍賞千恵子)が素敵でした。

特に、倍賞千恵子は今までに観た作品とは印象が違って新鮮な感じがしました。彼女は松竹の所属ですが、今回東宝の作品に初めて出たのだそうで、役どころもスタッフも普段と全く違ったなかでの演技だったのだそうです。居酒屋での健さんとの長回し(9分30秒)は、自然な感じで良かったですね。

古い作品ではありますが、健さんの魅力と手作り感のあるロケの素晴らしさを感じさせてくれる秀作だと思います。八代亜紀が歌う「舟歌」も哀愁があっていいですね〜。

・旦那のランキング 2位



ペンギン3位 『遙かなる山の呼び声』 

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(1980年 日本 監督:山田洋次 出演:高倉健 倍賞千恵子 吉岡秀隆 他)

『駅/STATION』同様に、高倉健・倍賞千恵子の主演、舞台は北海道です。…が、当然ながら全く違った雰囲気ですね。倍賞千恵子の息子役は吉岡秀隆なので、思わず寅さんを想像してまいますが…。おまけに渥美清が友情出演してますし(笑)

北海道東部で小さな牧場を経営する民子(倍賞千恵子)と息子の武志(吉岡秀隆)。ある嵐の夜、突然田島(高倉健)という男が「馬小屋でいいので泊めてほしい」と現れます。その後、田島は牧場で働くことになるのですが…。

やはり、山田洋次監督は家族を描くのが上手いですね。夫を亡くし、無理をしながらも必死に牧場と息子を守り続ける民子と、北海道の大自然の中、のびのびと育つ武志が肩を寄せ合いながら暮らす姿に好感を持てます。

そこに突然現れた謎の男。初めはいぶかしげに警戒していた民子が、馬の扱いも上手く、牧場の仕事にも慣れた感じの田島に次第に心を開いていく様子が自然でいいですね。

ただ、ラストの列車のシーン、とても感動するし涙を誘うのですが、やっぱり今の時代からすると、この演出はないよな〜って思っちゃうんですよね。でも、この作品の健さんの男っぽさには惚れちゃいます(笑)男は無口な方がいいのかな〜。。。

・旦那のランキング 3位



ペンギン4位 『きみはいい子』

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(2015年 日本 監督:呉美保 出演:高良健吾 尾野真千子 池脇千鶴 喜多通枝 他)

原作は中脇初枝の同名小説。小説は、いくつかの短編に分かれているみたいですね。

とある街で暮らす小学校の新米教師、岡野(高良健吾)。夫が単身赴任中で、3歳の娘と2人暮らしの専業主婦、雅美(尾野真千子)。岡野が働く小学校の近くに暮らす老人、あきこ(喜多通枝)。この3人を通して、現代を生きる人々に共通した社会問題が、やさしい視点で描かれています。

監督は強烈な印象を残した『そこのみにて光輝く』の呉美保。前作とは打って変わって、泣けます(笑)様々な社会問題が取り上げられていて、モンスターペアレンツ、それに怯える学校、親に虐げられた子ども、認知症に怯える老人、自閉症をの子どもを持つ親、子どもに手をあげてしまう母親…。

それぞれに個々の問題があって、みんな生きることに悩んでる。おとなも、子どもも…。
でも、共通しているのはみんな不器用だということ。家族や、誰かに「大丈夫だよ」と本気の声をかけてもらうだけでも、心の荒波は静まるものだとこの作品を観ていて思いました。そして、「大丈夫だよ」と本気の声をかけている本人も、同時に心が安らいでいるのだと…。

少しだけ勇気を出せば、もっと生きやすい世の中になるのかもしれませんね。ちなみに、おばあちゃん役の喜多通枝さん、「フランダースの犬」のネロの声優さんだそうです。

・旦那のランキング 5位



ペンギン5位 『恋人たち』

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(2015年 日本 監督:橋口亮輔 出演:篠原篤 成嶋瞳子 池田良 光石研 他)

予告編によると、「飲み込めない想いを、飲み込みながら生きている人々」を描いた作品、ということですね。

突然通り魔に愛する妻を殺された男・アツシ(篠原篤)。退屈な毎日に辟易しているパート主婦・瞳子(成嶋瞳子)。ゲイの弁護士・四ノ宮(池田良)。それぞれが抱える葛藤と苦悩を見つめていきます。

有名な俳優さんは光石研と木野花、1シーンのみリリー・フランキーが出ているだけでした。でも、かえってよく知らない俳優さんの方が、普通に日常を感じられるようでリアルだなあと…。なぜならここに描かれている人々は、どこにでもいそうな人たちばかりで、表には出さないけれども、誰しもがみんな飲み込めない想いを胸に秘めているのではないかと感じてしまうからです。

瞳子はどこにでもいるような主婦に見えますが、退屈な毎日の中、非日常を追い求めてしまうのはよくわかります。そこに…現れたのですね、「恋人」が。アツシと四ノ宮には業のようなものを感じます。

逃れられないものを抱えて生きなければならない彼らの日常に胸が詰まる想いでした。それでも、それらを飲み込んで、生きていかなければならない。そこに気がついた時、光が差し込んでくるのかもしれません。

最近作られたものの中では、久々にどっしりとしたオリジナル脚本の映画を観た気がします。

・旦那のランキング 1位(旦那はこれがトップです)



★まとめです。

ひよこ2018年DVD邦画鑑賞作品ランキング

1位『あん』
2位『駅/STATION』
3位『遙かなる山の呼び声』
4位『きみはいい子』
5位『恋人たち』

6位〜10位はこちら↓
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11位〜14位はこちら↓
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