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2015年01月21日16:31

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『誰も守ってくれない』

映画『誰も守ってくれない』を観た。

(2008年 日本 監督:君塚良一
出演:佐藤浩市 志田未来 松田龍平 石田ゆり子 佐々木蔵之介 佐野史郎 津田寛治
東貴博 冨浦智嗣 須永慶 ムロツヨシ 柄本時生 木村佳乃 柳葉敏郎)

たまたまBSプレミアムでやってたので、録画鑑賞。

【平凡な4人家族の船村家で、ある日、一家の未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は容疑者家族の保護を命じられ、保護マニュアルに従って15歳の沙織(志田未来)をマスコミの目、そして世間の目から守るため、ホテル、アパート、マンションと逃避行を始める。(シネマトゥデイより)】

あら、これってオリジナル脚本なのね。君塚良一監督って、主に『踊る大捜査線』シリーズの脚本担当か…。

製作にはフジテレビが名を連ねている。観た後で知ったことだが、この作品が公開される前に、連動作品として『誰も守れない』というドラマが放送されたそうだ。映画は、ドラマの4ヶ月後という設定だということだ。

作品の中で、木村佳乃が精神科医として登場するわけだが、佐藤浩市との間になんともいえない間のようなものを感じた。主人公勝浦は、ドラマの中では被害者の家族である尾上(木村佳乃)を守り、その4ヶ月後には映画の中で容疑者の家族となってしまった沙織を守る。うまいこと考えたものよね〜。ドラマを観てたら、佐藤浩市と木村佳乃のシーンに、もっと深みが加わっただろうに…。今さらしょうがないんだけど、ドラマを観れなくて、ちょっと残念。

フォト


普通に暮らしていた4人家族の長男が、殺人事件の容疑者として逮捕された。残された家族は、突然「容疑者の家族」となった…。

この作品の中で、「容疑者保護マニュアル」というものが出てきた。これって、本当に存在するのかしら? この中には容疑者の家族の保護も含まれていて、警察とその関係者は、家族に有無を言わせないような感じで、たたみかけるように、かつ事務的に処理を進めていく。中学生の沙織に対しても、就学義務免除の手続きをとるなんて、ビックリだ。

マスコミが未成年の容疑者の写真を1万円で買うと言ってるシーンなんかもあって、ありそうだけど、どうなんだろうと妙に考えてしまう。そして、容疑者保護といいながら、マスコミに嗅ぎつかれて沙織の自宅周辺が大騒動になるわけだが、実際にこんなことになるだろうか…。

でも、執拗なネットユーザーの追跡や嫌がらせはありうるよね。言葉の暴力、容疑者の家族に対しての誹謗中傷。そんな世間から保護するために勝浦は沙織を安全な場所へ移動させるのだが、どこへ行っても追跡されてしまい…。

これはオーバーかなと思われるような演出もあるけれど、それぞれのキャラクターの苦悩は充分に伝わってくるし、容疑者側だけでなく“被害者”側の言い分も垣間見ることができて、そこそこ面白かったのではないかな〜。

うーん、重い。容疑者の家族として生きていかなければならない沙織もつらいけど、過去のトラウマと闘いながら生きている勝浦も、またつらい。また、志田未来と佐藤浩市の演技が良いのだ。志田未来は、映画ではほぼ初めて観たけど、ほんとに上手いのねぇ。

勝浦の相棒役の三島刑事を演じた松田龍平も、自然な感じでよかったな〜。佐々木蔵之介が演じた記者もよかったんだけど、もう少し記者と勝浦のエピソードを掘り下げてほしかった。

沙織と勝浦を観ていて思う。それでも、生きていかなければならないのだと…。そして、ネット社会の怖さを憂いつつ、ターゲットは日々移り変わるのだとも思った。

世間では酷評する人もいるみたいだけど、いろいろ考えさせられた作品、かな。



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