『ダージリン急行』

『ダージリン急行』を観た。

（２００７年　米　監督：ウェス・アンダーソン
出演：オーウェン・ウィルソン　エイドリアン・ブロディ　ジェイソン・シュワルツマン
アンジェリカ・ヒューストン　アマラ・カラン　カミーラ・ラザフォード　ビル・マーレイ）

前からなんとなく気になってたので、レンタルしてみた。

【父親が亡くなって以来、疎遠になっていた３兄弟。ところが突然長男フランシス
（オーウェン・ウィルソン）の呼びかけで３兄弟のインドの旅が始まった。
ダージリン急行に乗り込んだ彼らは次々と珍事に見舞われ…】

たぶん、実際のインドは違うんだろうな。（行ったことないけど）
この作品で描かれているインドの風景は、カラフルでどこか温かい。
３兄弟が旅するダージリン急行も色彩豊かでおしゃれな印象だ。
寝台列車かぁ、いいなあ…。

なんつーか、この兄弟は子どもがそのまんま大きくなったような感じがする。
些細なことですぐケンカになるけれど、気がつくと仲直り…（笑）
お互いを知らないようで、理解してるし、尊重もしている。

三人三様、どこか変わってて、会話もちくはぐ。
長男は怪我をして包帯だらけだし、（治ってから旅すればいいのに…）
二男は毒蛇を買って列車に持ち込むし、三男は美人乗務員をうまく口説くし…（笑）

そんなデコボコ兄弟が目指すのは、母親が暮らす修道院。
彼らの母親は…やっぱり変わってた…（笑）
長男が母親の血を受け継いでるのがわかるのが可笑しい。

長男フランシスは妙にスピリチュアルで、寺院で３人で祈りをささげようとする。
「心の旅」がしたかったんだろうなあ…。
まあでも、こんな調子だから悟りを開いたとも思えないケド（笑）

３人の押しつけがましくないユーモラスな「心の旅」が心地よい。

同じインドを描いた『スラムドッグ＄ミリオネア』との作風の違いが面白い。
『スラムドッグ…』はインドのスラム街に迷い込んだ気分になってドキドキしたけど
こちらはダージリン急行に乗って、ぼけっと「世界の車窓から」を楽しんでる気分。
このギャップを感じるのが、また楽しい。

ツボは、冒頭のシーンかなあ。てっきりビル・マーレーが主役かと思いきや…。
あとから走って来たエイドリアン・ブロディに並ばれ、二人が顔を見合わせた瞬間
主役交代って感じで、けっこうインパクトがあって好きだ。

３人がちょっぴり成長してゆく様をぼけーっと観るのが心地よかったな。
大したお話じゃないんだけど、このゆる〜い感覚がたまりましぇん。
けっこう後味もよかったし。

ゆるゆるの、あったかいロード・ムービーって感じ、かな。



『スラムドッグ＄ミリオネア』
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