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2020年09月05日20:19

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木内一裕『飛べないカラス』

特に借りたい本があるわけではなかったけど、町の図書館にチョット入ってみた。
それで、選び出すのに少し時間かかったけど、二冊借りた。
横山秀夫の『クライマーズハイ』(これはだいぶ前に読んでいたけど殆んど忘れてるから)と、
木内一裕の『飛べないカラス』。
それで、『飛べないカラス』を、もう読んでしまった。

木内一裕に関して以前に書いたことある。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1967971743&owner_id=3672419

木内一裕の文庫本は全部読んでいたと思っていたら、違った。『ドッグレース』をまだ読んでいない、と判明。

さて。
『飛べないカラス』。
「俺は」との、一人称書きで話しが進む。&会話がなんとも、うまいexclamation
会話だけで、これまた話しが進む。
例えば、先日読んでいた相場秀雄の小説(『飛べないカラス』の前に買ってあった『ガラパゴス』を読んでいた)は、会話の合間にその時の話者の心情とか場景描写が入るのだ。正直なところ、うざったいと感じることが多々ある。と思う。
それに比べて、『飛べないカラス』は、会話だけで、なんら問題なく展開しえる。その会話がまたうまい。
そして、
情感たっぷりな文章はない。「俺」を含めて、登場人物たちは、それぞれみんな、問題を抱えているけれど、じめじめしていない。
こんな場面、例えば日本映画だったら(たっぷり)引っ張っていかにもな感情移入を強要してくる様なシーンになるところ。
『飛べないカラス』で木内一裕は、そんな書き方はしない。
とにかく、木内一裕の書き方がいい。
この様なこと、書いていたら、今野敏の小説を思い出した。私が今野敏の小説が好きなのは、きっとそのせいだと思った。
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