mixiユーザー(id:3669083)

2016年09月20日02:14

5038 view

【Tommy Rail Land】振り子車両の克服

Nゲージレイアウトの作製も一段落し、いろいろな車両を運転しているわけですが、

以前より鬼門となる車両が幾つか存在しています。

その中の大御所、E351系ことスーパーあずさ。

実物では、中央線で新宿〜松本を2時間半以内に結べる唯一の車両であり、

JR東日本初にして唯一の振り子車両です。



フォト フォト

フォト



個人的には、JR東日本設計の車両としては好きな車両の1つです。

中学の頃にデビューし、まだ「スーパー」が付く前の「新型あずさ」として走っていた頃に乗り、

駅弁食べたりして、とても印象深い列車です。




それから数年してNゲージ化されましたが、私が買ったのは2008年ごろです。




兼ねてより、振り子をNゲージで再現したという売りでしたが、

特に初回ロットは脱線がひどいという話を聞いていました。

しかし、2回めのロットで改善されたなんて聞いていたので、

それ以降の生産ロットにあたるから大丈夫だろうと買ってみたんですが、

これが何故か、よく脱線するんですね。

まぁレイアウト的に無理をしているところは非常に多いですが、

それでも、他の車両なら何も問題は起こらないのに、スーパーあずさだけはよく脱線…。



フォト





動画ではスピードが速いですが、速さの問題ではないです。

あと、これはポイントでの脱線ですが、カーブ終了後に脱線もよくありました。




インターネット上でも苦労されている方、そして対策して回復したという方もおり、

私も、大好きなE351をメインで使えるようにしました。




対策のポイントは、以下です。

1.台車を重くする。(モーター車以外)

2.床を重くする。(一部車両)

3.車体を重くする。(モーター車のみ)

4.幌を外す(基本的に各車両の片側)

ここまでは、最悪元に戻すことができる改良です。ただ、追加で、

5.車体を持ち上げる機構を一部解除

6.その場合に台車も削る。

という感じにしました。





1.台車を重くする。




そもそも脱線のメカニズムとして、いくつかの要因が考えられました。

まず1つは、振り子作用に伴って車体が通常以上に傾くのですが、

それに引っ張られて台車が浮いてしまうこと。



フォト



そこで、台車の浮きを抑えるために、台車を重くします。

もともとE351の台車は、プラで接続されているだけで、ネジ止めがありません。

これは振り子機構で車体の角度を台車の角度以上に曲げる必要があるためだと思います。

しかしその結果、台車そのものも非常に軽量です。

台車を入れた車体の重量を測ると、30g程度。

そこで、台車の裏側に、オモリを置くことにしました。




ネットなどでは、板オモリというキーワードで付けている人がいました。

釣具で、ヘラブナなど用に使うオモリですね。私は釣りをほとんどしないのでよくわかりませんが。

釣具だと、ハサミできれたり、加工性も抜群みたいですが、

鉛を使っていることを考えると若干躊躇。





仕事上、RoHS対応とか鉛フリー対応とかしているので、

鉛をゴミ箱にポイというわけにはいかないです…

ただ、きちんと管理すれば良いやということで、0.3mm厚のものを購入しました。






とりあえず、0.3mm厚、幅17mm程度の板オモリ(といくか帯オモリですな)を、

長さ10mm程度に切って1パーツとしました。

これでだいたい0.8gくらいかな?

これを台車に合う形で折り曲げて、台車に付けてみる。



フォト

↑切り出したところ




フォト フォト

左:Before、右:After




これで試してみましたが、まだ浮いてしまう感じ。

でも確実に良くなった。

厚さ的にまだ行けそうなので、もう一枚行ってみる。

ただ、今度は台車と干渉してショートしてしまうので、

ショートする部分はマスキングテープで簡易的な絶縁。




フォト

↑マスキングテープで端っこを絶縁




フォト

十字架状にして、台車に貼り付けました。




これで台車の浮きは、ほぼなくなった感じです。

1台車に0.8g×2、つまり1車両で0.8×4=3.2g程度のアップだと思います。





2.床下を重くする。

床下を重くするのは、良い方に転ぶか、悪い方に転ぶかわかりません。




脱線の原因の2つ目の要因は、

カーブで傾いた車両が直線区間になってもなかなか戻らないことだと考えています。

1のように、車体が傾くと、台車が釣られると書きました。

もっというと、改良前の構造では、車輪がカーブに入って車体に対して曲がると、

その曲がりによって車体を傾ける構造をしています。KATOの特許です。




しかしカーブが終わったときは、車体は傾きにより、台車が固定されて直線方向に戻れない。

その結果、脱線してしまうという感じです。

特になんの変哲もないカーブの出口で脱線するのは、これが大きな原因だと思います。




したがって、カーブが終われば、車体は早く戻したい。

そのためには車体の低い位置、かつレールとレールのちょうど中間の線上(中線上)に、

オモリを置くのが良いと思っています。




ただし床下は車体につながっているため、車体の重量アップにつながります。

その場合、台車が車体に引っ張られる方に力が働いてしまう可能性もあります。

なので、良いかどうか判別できません。




とりあえず先頭車の床下に、φ3mmの六角金属スペーサー(長さ15mm)が収まったので、

それを取り付けてみました。

他の車両はスペースが無いのと、効果はわからないので、付けていません。

これで、車体重量2.5gアップです。





3.車体を重くする(モーター車のみ)

いろいろなサイトを見てみると、車体を重くするというのも一つの方法と書かれていますが、

車体を重くすると重心が上がってしまうため、台車オモリの効果が薄れてしまいます。

特に天井にオモリを付けるのは、一番重心が高くなりますから、

車体の傾きのちから(モーメント)を最も上げてしまうと思っています。

これがあるので、将来的に室内灯を付ける際は、グランライトのような軽いものを使おうと思います。





一方モーター車は、十分な重さがあります。

なのでこちらは対策不要と思っていましたが、カーブの上り坂が登れない…

おそらく、振り子のために車体が浮いてしまい、十分に線路を踏んでいないのだと推測。

エネルギー効率を上げるためには、摩擦をなるべく減らすことが重要なのですが、

一方できっちり加速するためには、摩擦を大きくする事が重要です。

そもそも上り坂でモーターが空転してしまうので、加速以前の話ですが

空転した車輪をきちんとレールに落としてあげて、初めて空転が解消します。




摩擦は、F=μNで、摩擦係数と垂直抗力の積です。

摩擦係数は素材により傾くので、あとは垂直抗力です。

つまり上から押してやれば摩擦が上がり、登り始めます。




ということで、オモリを天井に貼り付けました。

おそらくBトレ用のオモリかな。知り合いから貰った部材の中にあった適当なのを選びました。

重さを測ると、11gでした。



上にも書いたように、モーター車以外は、これをやったら重心が上がり怖いとところです。

しかしモーター車は、そもそも低い位置にモーターがあるので、

多少上にオモリが付いても大丈夫だろうと思いました。

オモリが着くことで、全体的に重みが増え、垂直抗力がアップします。

結果としては成功。カーブの坂道で登ることができました。





4.幌を外す(基本的に各車両の片側)

これはインターネットで、どなたかが見つけた内容です。

確かにうちのもそうでしたが、きついカーブになると幌同士が干渉してしまいました。



フォト



この干渉によって、特にカーブ時に前の車両に変な力が加わっているのではないかと。

なので、全体的に片方の幌を外しました。



フォト



これで走らせてみると、たしかに若干の改善がありました。

特に我が家のレイアウトで一番脱線する箇所として、

TOMIX R280のカーブのあと、33mmの短直線をはさみ、ポイントがある部分があります。

最初の動画もそうですが、ここではカーブの傾き等が戻っていない状態で直線に侵入し

その直線も中途半端な長さなので、その先のポイントの切り替え部分に引っかかるという感じだと思います。

その部分の脱線の頻度が少なくなったように思います。




が、まだ脱線は続きます。




そしてここからは車体を削ったり、切ったりするので、後戻りができない領域です。

また集電性能を半減してしまい、室内灯などのチラツキが増大します。

正確には、KATOはASSYパーツという部品単位でものを調達できるので、後戻りはできますが、

いずれにしても、勇気が必要です。




5.車体を持ち上げる機構を一部解除

E351の台車は、1車両中に2種類のものがあります。

車体との接点が2つの車軸の中央にある台車と、片側に偏っている台車があります。

これは、偏っている台車の方です。

その台車こそ、車体に傾きを与える一方で、車体が傾いていると台車を戻せないものです。

台車を外すと、銀色の鉄板が見えます。




フォト




そして写真のように、鉄板には弧状の摩擦跡があります。

おそらく、台車の接点部とこの鉄板が擦れて、傾きを形成しているのだと思いますが、

一方で、これのお陰で、これまで書いたように車体の傾きで台車が直線に戻せないのだと思います。

実はこの考察は、インターネットで他の方がしています。

実際に台車をクネクネ回しながら、車体も台車に対して傾けてみると、

変な感じに台車がロックしてしまうのがわかります。




そこで、そのネットの方と同様に、台車の金属出っ張りぶを切ることにしました。




フォト




個人的には、これは非常に効果が高いと感じました。

これで、脱線が大幅に解消されました。

先程の、R280+33mm+ポイントや、R280のあとのシーサスクロッシングの渡りなどでも

だいぶ脱線が減りました。





6.その場合に台車も削る。

しかし、確実になくなったわけではありません。

おそらくばらつきだと思いますが、特定の車両は、相変わらず脱線します。






やはり原因は、接続部が片側に偏った台車です。




改めてクリクリすると、ある場所で突っかかる感じで、ロックする場合もありました。

それをじっくり何度も繰り返すと、



フォト

矢印で示した僅かな溝に



フォト

この矢印で示した部分が引っかかるような感じでした。




そこで、ヤスリでここを削りました。

フォト

グリグリした時に、ほとんど突っかかりがなくなりました。





↑編集時点では、まだ見れないみたいです。




結果、ほぼ脱線がなくなり、我が家のレイアウトをほぼ全区間走行できるようになりました♪

この脱線の多いポイント部分も、数周しても脱線がなくなりました。

もちろん、今後もたまに脱線すると思いますが、だいぶストレスが無くなると思います。



0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年09月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930