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2019年03月25日16:19

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チャンスと2001年宇宙の旅と全米トップ40

毎週土曜の夜に音楽業界誌ビルボードの全米シングルチャート
上位40位を紹介するカウントダウン番組「American Top40」。
その日本語版:ラジオ関東(現ラジオ日本)の「全米トップ40」を
1972年の後半から聞き始めた。
ぼくにとっては計り知れない影響をもたらしてくれた番組だ。

1973年2月17日付(1位はエルトン・ジョン「クロコダイル・ロック」)
に不思議な曲がランクイン、7週後の3月31日付では第2位まで上昇した(写真左)。
その曲は、リヒャルト・シュトラウスの交響詩
「ツァラトゥストラはかく語りき:Also sprach Zarathustra」
をブラジル出身のエウミール・デオダートがアレンジしたものだった。

「ツァラトゥストラ〜」をポピュラーにしたのは
スタンリー・キューブリック監督の傑作
「2001年宇宙の旅」(1968年)だろう。
この時使われたのはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団版。

*「ツァラトゥストラ〜」が使われた「2001年宇宙の旅」
の冒頭シーン(1:39)
https://www.youtube.com/watch?v=e-QFj59PON4

ただ、ぼくが初めて「2001年〜」を観たのは1980年代に入ってから。
だから「ツァラトゥストラ〜」初体験は、デオダート版だったのだと思う。

午前十時の映画祭でハル・アシュビー監督作「チャンス:Being There」(1979年)を観た。
タイトルすら知らなかったけれど、素晴らしい作品だった。

「古い邸の主人が、ある朝突然死んだ。後に残された中年庭師の
チャンス(ピーター・セラーズ)は、数十年間一歩も外に出たことがなく、
読み書きもできず、ひたすら庭いじりとTVを観る楽しみだけで生きてきた。
管財人に邸の外に追い出されたチャンスは、見るも聞くも初めての街の様子に
気をとられ、高級車と接触してしまう。車に乗っていた貴婦人イヴ
(シャーリー・マクレーン)は、チャンスを自宅に招いて
手当することになるのだが…」

チャンスが、初めて屋敷から出る時、びっくりすることが起きた。
デオダート版「ツァラトゥストラ〜」のイントロが流れてきたからだ。
しかも映画の進行に合わせてアルバムバージョン(9分)がほぼ全曲流れた。

*そのシーンがこちら(前半の約3分がそのまま観られます)。
https://www.youtube.com/watch?v=zACzE0u2r3Y&list=PLpOuedO-_Ug3iGZie4dpKMzWg7uF6af1t&index=2

映画には色んな音楽が使われる。
ハリウッド映画の中ではかなりの頻度で全米トップ40曲が登場する。
だから本来の物語とは別の視点で映画を楽しむことができるとも言える。
そう言えば、先ほど掲載したランキング1位のロバータ・フラック
「やさしく歌って:Killing Me Softly with His Song」。
この曲のフージーズによるカバーが
「ビール・ストリートの恋人たち:If Beale Street Could Talk」
の日本版予告編で使われている。ただし、本編では流れません。
https://www.youtube.com/watch?v=j46Jm9rD0WA

「チャンス」の予告編(2:44)
*デオダート版とカラヤン版(?)の両方が使われている
https://www.youtube.com/watch?v=oOOghKacg40&list=PLpOuedO-_Ug3iGZie4dpKMzWg7uF6af1t&index=5
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