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2020年01月16日12:33

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縦棒と横棒

東大が「最年少准教授」の大澤氏を懲戒解雇 本人は「処分は不当」と主張
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=40&from=diary&id=5936390

ひとつ自戒の意を込めて、国際政治学者櫻田先生のコラムからシェアさせていただいた。

T字型人間のハナシは、ビジネスマンの心得として入社早々、新人研修かなにかで聴かされては「知るか、ボケ」とへそ曲がりぶりを発揮していたものだが、このように語ってもらうと、たいへん心に響く。

櫻田先生が同じことを言われるとむしろイヤミにさえ聞こえるが、我こそロクな縦棒も横棒も持たずに、賢しらげに底の浅い蘊蓄を振りまいているだろうから、よくよく気をつけねば。
とくに居酒屋で酔っ払ってるときが危ない。

蓋し、「壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず」である。


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‥ この件、英文記事として海外にも知られる噺になったのか。

https://www.japantimes.co.jp/news/2020/01/15/national/university-tokyo-fires-associate-professor-anti-chinese-twitter-posts/#.Xh_N6XlcWEd

  東京大学「最年少」特任准教授と称していた御仁が、ヘイトスピーチ騒動の科で懲戒解雇となった一件である。前に書いたけれども、この件に絡む不思議は、「ヘイトスピーチ云々以前に、何故、かくも『教養の貧しい』御仁が、東京大学に迎えられたのか」ということである。
  不肖・櫻田が常々、学生諸君に告げているのは、「知識は『T』の字で身に付けよ」ということである。「T」の字の横棒は、「知識の幅」を示す。人間の関わる総てを知るのは、不可能であるけれども、それでも広い領域で何かを知ろうとすることは大事である。「T」の字の縦棒は、「知識の深さ」を示す。人々は、その縦棒をどこに引くかに依って、自らの個性を主張し、社会での居場所を手に入れることができる。その「横棒」と「縦棒」を含めた総てが教養と呼ばれるものであろうと思われる。
  件の准教授職を喪った御仁の場合、彼は多分に人工知能に関する「縦棒」しか持たない人物であったような気がする。騒動発生以来の彼の言動に触れると、そういう評価になるであろう。
  翻って、昨日、知った話であるけれども、最近、YouTube上では、とあるお笑い芸人出身の人物が、政治、歴史にまつわる私見を披露し、その私見が正確性。客観性の怪しいものであることに批判が集まっているのだそうである。これは、「横棒」だけで何かを語っている典型的な事例といえるかもしれない。「物事を判りやすく伝える」ことでテレビに出ているNHK出身のジャーナリストと称する人物の亜流であろう。こういう人物に共通しているのは、「縦棒」を待たない故に、「横棒」が浮遊、動揺しているということである。彼らは、「横棒」を持たない故に、どういう価値基準で物事を語っているかが曖昧になる。彼らは、様々な知識を選別しないままに世に披露しているのである。
  もっとも、現代の社会では、総ての人々が「専門知識」に拠って世に向き合っているわけではないのであろう。だが、縦棒が「人生のスタイル」や「生き方の軸」を支えるものであるとすれば、「専門家」ならざる普通の人々も、「縦棒」を持っておくことが大事であろう。
  不肖・櫻田といえば、「横棒」も「縦棒」も全く長さや太さが足りない。日々、精進する他はあるまい。
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