[あらすじ] 庭に火鉢を置いて、土入れて水入れて、
蓮や沢瀉(おもだか)や鼈鑑(とちかがみ)や河骨(こうほね)を植えているよ。
孑孑(ぼうふら)がわいたので、一旦水を流した。
火鉢の口には幅が有る。
蚊というのは、水の有る場所の壁面や、蓋の裏っ側に止まるのが
落ち着くらしい。
だから、火鉢の口のあの形は、蚊にとってたいへん居心地良かろうと思う。
人間から見たら、火鉢の口のあの返しの部分の陰は見えないので、
蚊がいようが卵が産み付けれていようが、まず見つけることは無い。
火鉢を庭に置いて水を入れているのは、
蚊においでおいでをしているようなものだ。
※
いいのだ。
来ればいい。
来て、産卵すればいい。
一網打尽だ!
ボウフラを見付けたら、水を流す。
中の植物が小さいうちは、それでいい。
と思ったが、火鉢の口のあの部分に水が溜まって、
一気にザバーッと全部が流れ出ない。
案の定、少し残った水の中にまだボウフラがいる。
植木鉢に土を入れて、それを火鉢の水の中に沈めているものは、
植木鉢を取り出して火鉢をひっくり返すからまだいい。
火鉢そのものに土と水と植物を入れているものは、
ひっくり返すところまではできない。
どうしても水とボウフラが中に残る。
やはり、戦法に無理が有る。
※
近所のホームセンターへ行った。
メダカを買った。
近所の川で取ってくることも考えたが、
火鉢の環境で魚がうまく生きるか確信が無いので、やめておいた。
去年、火鉢にメダカを入れたのだが、次々と死んでしまった。
おそらく、水温が上がり過ぎたのだろう。
今年は去年よりも日陰に鉢を置き、
鉢の中の土に植木鉢を埋め込むことで、低温の逃げ場も作った。
これで多分大丈夫だろう。
ホームセンターのペットコーナー。
生体売買に疑問を持ちながらも、魚を買う。
[ブリーダーで安定供給ができなくなったため、
5月1日からメダカを1匹55円から66円に値上げします。]
と、水槽に貼り紙がしてある。
今日は5月1日なんである。
思わず「昨日来りゃ良かったよ。」とこぼしたら、店員さんはクスッと笑っていた。
「20匹買うから4匹オマケしてよ」と言ってみりゃ良かった。
※
ボウフラ火鉢にメダカを放った。
翌日にはボウフラはきれいさっぱり消えていなくなっていた。
私と目高の連合軍の勝利である。
ていうか食物連鎖
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