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2021年04月14日09:51

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《電線絵画展》練馬区立美術館

2週間前のこと。

シゴトの都合でレンタカーを借りた。
荷台のたっぷり有るバンだ。
普段乗っているエクストレイルよりずっと運転席が高い。
座面の高さをヒップポイントと呼ぶそうな。
借りた車のヒップポイントは約84僉
私の車は多分60兮罎。

視点が高いと気分が良い。
バンドでツアーに行った時、機材車を運転させてもらったのを思い出す。

折しも桜は満開。
帰りに中野通りを走ってみる。
いい眺めだ。

早稲田通りやら新青梅街道やらを走りながら、ラジオを聞く。
練馬区立美術館のキュレーターさんがゲストで登場し、
開催中の展覧会の企画について語っている。
「電線」に着目した展覧会だという。
珍しいテーマだ。
そのテーマでひとつの展覧会が組めるというのが
不思議な気がする。

岸田劉生が代々木の風景を描いた、私の好きな絵も出展されるそうだ。
ペリーが来港した際に、日本で初めて電線の描かれた絵、というのも見られる。
そして白眉はミスター電線こと朝井閑右衛門の作品群だという。
なんだそりゃ。
未知の世界だ。

今走っている千川通りを戻れば美術館に行ける。
けれど、今日は車を返しに行かなきゃ。



風景の中に人工物が入ることは、
とくに風景写真の世界では避けられる。
電線は景観を損なうものだ、とされる。
私も、電線なぞ無けりゃ無いほうがいいと思ってきた。

ところがこの展覧会では、電信柱や電信線を描いた絵画が並ぶ。
なんなら、富士山の上に電線が描かれる。
日本一の山よりも主役は電線なのだ。

私は里山が好きだ。
丘陵地を歩いて谷地に出た時に、
人の掘った溝が有ったり、人の刈った草が有ったり、
小屋が有ったり、煙のにおいがしたりすると
風情を感じる。
人々の行いというのは、情感を呼び起こすのだ。
それは山中でも海岸でも同様だ。

同じことが電信柱や電線にも言える、
ということに気付き始める。
夕映えに並ぶ電線、水面に映って揺らぐ電柱。その美しさ。



電信から始まった電柱と電線が、明治から大正にかけて電力化が進んでいく。
はじめ、人々はなかなか受け入れられなかったようだ。

明治の初期には、電信柱には、処女の生き血が塗られている、だから黒い、
という迷信が有ったりしたとか。

明治24年に帝国議会の議事堂に漏電が原因で火事が起きる。
「電力は危険である。」ということが盛んに言われたそうだ。
それでも電力化は進む。
今ではそれが原子力発電の是非のようなレベルの問題になっているわけだ。



電線を思いっきり描いたのは朝井閑右衛門という画家だ。
作品タイトルは《電線風景》ってんだから間違い無い。
電線に色を付け、くっきりと輪郭を描いている。
ごんぶとである。
それが、交差している。
もう、織物である。

アトリエの近くで横須賀線と京浜急行の高架が交差している。
その写真も展示されている。
この景色を毎日見てりゃあこの絵を描くことにもなるか。と納得させられる。



展覧会を見終わる頃には、風景画に電柱電線が描き込まれていないと
さびしい
と感じるようになっている。

意識が変わる。
刺激的な展覧会でした。学芸員天晴。


4月18日(日)まで!!!
10時〜18時
練馬区立美術館(西武池袋線中村橋駅すぐ)
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/5142
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