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2020年10月24日07:07

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2020ブギー年 ヘイヘイブギ篇

「ヘイヘイブギ」を歌ったよ。見ろ↓
https://youtu.be/zUX3NpfnE70



2020年をブギーの年にする。

と志したのは1月だったが、それから
母の介護度変更申請、認定調査、要介護2→5に飛び級、
特養の申し込みのためにあちこちで健康診断、申し込み、
見学、面談、入居、そして
飼い犬ジーロくん15歳の看取りと
イベント目白押しだった。

練習もなかなかままならなかったが、やっと落ち着いた。

ほっとしたのも束の間、今度は保護団体から次の犬を一頭引き取ろうというので、
面会、散歩、審査、ハーネス等の購入、ゲートの設置、オンライン自宅訪問、
そして新しい犬を迎えると
緊張の連続だったり。

どうにか録画することができて、2週間前、皮切りに「東京ブギウギ」をアップした。
第二弾は「ヘイヘイブギ」。
笑う門には福来る。ラッキーカムカム。
理屈抜きの直球メッセージが私は大好きだ。



服部良一作曲で笠置シヅ子さんの歌った「ブギ」を、全部で4曲アップする予定だ。

ブギウギとは、ピアノの左手でランニングベースを倍テンポで弾きつつ
右手でアクセントやメロディを弾くスタイルのことだ。
服部は、そこからエイトビートとスイングの要素を使って
「ブギ」と銘打って曲を作った。

作詞は藤浦洸(ふじうらこう)。
洸の字は本名としては「たけし」と読むらしい。
読めないねえ、たけし。読めないから「こう」という名乗りにしたのかねえ。

作曲者の服部良一とは、他にも
淡谷のり子の歌った『別れのブルース』
霧島昇の『一杯のコーヒーから』などが有り、
後には高峰三枝子や美空ひばりへの作詞が数多く有る。



私は、「ブルース」という言葉は「別れのブルース」で、
「ブギウギ」という言葉は「東京ブギウギ」で知った。
戦後の日本人の代表みたいなもんだ。

後になって、ブルースとはアフロアメリカンの中で発祥した
音楽の一つのスタイルの名称だと知る。
それは、12小節が一単位で、I-IV-I-I-IV-IV-I-I-V-IV-I-Iという
独特のコード進行を持っている。

そう知ってみると、日本の「ブルース」は全く
ブルース進行に従っていない。
なんのこっちゃ。と思っていた。

「ブギウギ」にしたって同様だ。
左手でストンプする8拍のベースの様子は無いし、
ブルーノートの入った音律でもない。

なぜこれが「ブルース」で、なぜこれが「ブギウギ」なんだ。
というのが、長年の疑問であった。
実は、両方とも服部良一の仕業だったのだ。



服部良一の著書『ぼくの音楽人生』(1993年 日本文芸社)をめくると、
服部がどのようにブルースやブギウギを取り入れていったかが記述されている。
ブギウギ導入の前にブルース導入の話は欠かせない。
要所々々を引用してみよう。〔須山注〕


〔コロンビア〕入社の翌年、昭和12年2月8日に吹き込んだ『霧の十字路』(高橋掬太郎詞)が、
ぼくが初めて”日本のブルース”に挑戦した曲であった。

『霧の十字路』は日本語の歌だが、森山久〔森山良子の父〕のバタ臭い低音が
ブルースの雰囲気を出し、評判はよかった。

ぼくは、入社後すぐに妙に気が合い、相棒となった詩人の藤浦洸に言った。
「そうだよ、君、ブルースは魂のすすり泣きなんだ。
黒人も白人も、アメリカ人も日本人も区別はないよ。
むしろ、悲しい歌が好きな日本人はブルース的なんじゃないかな。
君はジャズの出身だし、ここでもう一歩つっこんだ日本人のブルースを完成したまえ」

「ぼくは本牧でブルースの曲想を得た。
それで、あなたも本牧へ行って、詩をつかんできて欲しいんだ。
二人で本牧ブルースを作ろう。」

ぼくは、参考のためと、愛読書の一つ、ウィリアム・C・ハンディのことを書いた
『ブルース』という本を渡した。
 W・C・ハンディは、1873年(明治6年)にアラバマ州・フローレンスの
教会牧師の子として誕生した。黒人である。
教会音楽から音楽の世界に深入りし、地元のブラスバンドに入った。―
極貧の南部を流れ歩きながら、ジャズの源泉の大きな一つである
ニグロ・スピリチュアルス(黒人霊歌)を採譜しはじめるのである。
ハンディは、これを音楽的に整理し、さらにオリジナリティーを加えて、
ブルースを完成した。「ブルースの父」と呼ばれている。

「できたよ、本牧ブルースが」―
「ブルースの小節の数や長さを、ちゃんと勘定して、作ったからね」
藤浦洸は、小鼻をうごめかせて、原稿用紙をぼくの目の前に置いた。
だが、文字は一行、
 窓を開ければ 港が見える
とだけしか書いていない。
ぼくが、けげんな顔を向けると、
「君なら、次をどうする」



あんまり長々と引用してもいけない。
面白そうと思ったら、ぜひ『ぼくの音楽人生』を読んだらいい。




「やっぱり、そのブルースというのが気に入らんな」
と、営業のおえら方が、むしかえしてきた。
「別れの曲、とか、別れの哀歌、別れ小唄、そんなふうにすべきじゃないのかい」
ここで、ぼくは憤然と立ち上がり、視聴盤を高くかかげて一世一代の弁論を試みた。
「それでは、このレコードが死んでしまいます。
ブルースが、ぼくたちの目的なんです」
ぼくは、ブルースの成り立ちから説きおこし、ブルースの真髄、
アメリカやヨーロッパで大いに流行っている現状などをまくしたてた。



みなさんご案内のとおり、淡谷のり子の歌った『別れのブルース』は
大ヒットとなるわけだが、
そこから先は、また明日。

つづく
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