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2020年10月07日08:27

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三畳間箪笥の下紙

6月末に同居していた母が特別養護老人ホームに入居した。

8年前に亡くなった父の遺品の整理も、母があまりしたがらないのでほったらかしていた。
母の目も無くなったし、片付けようではないか。

台所から続いて三畳間が有る。
以前は、母が机を置いて仕事場にしていた。
その後、寝室である和室に置いていた箪笥二棹を入れ、私が使わなくなった細長いクローゼットを入れ。
通路を残すばかりの場所となった所を、犬のトイレとして使っていた。

片付ければ広くなる。

まずは細長いクローゼットを確認する。
亡父の背広やネクタイが入っている。
亡父は着道楽の全く無い人だったので、そもそも服が少なくてよろしい。
クローゼットの中は少しカビのにおいがした。
服は全て捨てた。

洋箪笥を開けると、母の服がたくさん吊ってある。
教員をしていたので、パリッとした服がたくさん有る。
コートも好きだったのか、何着も有る。
古い服はずっしりと重い。
これは、そのうち古着屋にでも持って行こう。
よそいきの服を着る機会は無いし、
古い重い服を着ると重たがる。

和箪笥には着物や帯や小物が詰まっている。
母はまったく着る習慣が無かったから、
母の母の物なのだろう。



友人Mは手芸のたしなみが有る。
好きな物が有れば、持って行ってもらおう。

「泥棒さんは下から順に引き出しを開けるんだよね」
などとホクホク笑いながら箪笥の中身を調べ始めている。
時々「わー」とか「反物が有ったよー」とか言うので、
私も様子を見に行く。

「これなんかカワイイ」と言って、
持ち帰る物として分類したりしている。

紙に「藍大島」と書いてあるのは、私も開くのが楽しみだったが、
まったく違うなにやら襦袢が入っていてガッカリした。

「これはさすがにどうにもならなそうだし化繊っぽいから捨てだね」
など、いくつかの物を分別してくれた。
ゴミ袋ひとつ分くらいは棄てる物が出た。
箪笥全体からしたら氷山の一角だが、
どうにもならない物だけでも処分してあったほうが、
後の作業がしやすい。
助かる。

「これも捨てだね」と厚紙をポイ。
拾って裏返すと、写真入れだった。
あぶないあぶない。
開いてみると、結婚記念の写真だった。
両親のものではない。
誰だっけ。
子どもの頃は時々会ったことのある、親戚の顔。

数時間後、思い出した。
亡父の先妻の両親だ。



「またなんか出てきたよ。これも写真かな」
と、厚紙の平たい包みを渡してくれる。
紐をほどいて、開いてみると、
何かの絵が薄紙に挟まれて何枚か重なっている。

「あ!これは、久々に出たんじゃん?」
出た。
春画である。
髷を結った男女が絡み合って、局部が顕わに描かれている。

「いいもんなんじゃないの?」
とんでもない。
江戸の枕絵をイメージして描かれた、とんでもないシロモノだ。
おもしろくもなんともない。
局部もなんだかちょっとリアルに描かれている。

版画の風合いとか、体の動きの表現とか、
着物の柄や色の美しさとか、室内の調度や小物の楽しさとか、
絵として見るべきものが、全く無い。

ゲエッ
ろくでもないものを見てしまった。



しかも、母の箪笥に有った、ってどうゆうこと?
今までの秘宝は亡父の荷物から出てくるばかりだったが。

とにかく、
おもしろみの無い絵ほど気分の悪いもんは無いな。
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