図書館の閲覧席が窓際に有る。
一面ガラス張りで、とても明るい。
ブラインドで調光できるようになっている。
ブラインドの隙間から、外を歩く人が見える。
窓のすぐ外が、図書館に出入りする道になっている。
水曜日はお話会が有る。
絵本などの読み聞かせをする。
子どもたちが集まる。
近所の幼稚園の子たちが、列になって手を繋いで帰って行く。
向こうの机に向かって本を読んでいた年配の男性が、
子どもたちに手を振っている。
この人は常連さんで、私もよく顔を合わせるが、
挨拶を交わしたことは無い。
ムスッとしている。
図書館の外で見かけることもある。
それでも挨拶したことが無い。
なんだかムスッとしているので。
その人が、ニコニコと子どもに手を振っている。
子どもたちも、外から室内を見て、手を振っている。
ほほう。
我もやってみよう。
ただニッコリ手を振ったりはしてやらんぞ。
閉めたブラインドの隙間から手をニュッと突き出して
ピラピラやったった。
「ああっ!手が出た!」
ウケた。
うひひ
※
外を歩くと、天気の良い日、
保育園児たちが散歩をしている。
手押し車にまとめて乗っけられた子どものうちの一人と、
目が合った。
かまったろ
手を振った。
その子はじっと私を見て、
手をゆっくり上げて指差し、
「じ…っちゃん…」
はいはいおじいちゃんですよー
(50歳・性別FtX)
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