危険予知

何年か前、加入している自動車保険にもロードサービスが含まれるようになったので、
それまで頼りにしてきたＪＡＦを退会するか、迷った。

数年前、車のバッテリー上がりで、続けてロードサービスを受けたことが有る。
最初の時は、林道の登山口付近だった。
迷わずＪＡＦに依頼した。
１時間ほどで駆け付けてくれた。
検査をして、処置をして、この後どうするのが良いかなど、
詳しく説明してくれた。

翌日の夜にまたしてもバッテリーが上がってしまった。
せっかく昨日ちゃんと丁寧に説明してくれたのに、連日とは。
きまりが悪くって、ＪＡＦを呼ぶ気になれなかった。

家からさほど離れていない場所だったので、
その駐車場に車を置いて、一旦バスで帰宅した。
翌日、自動車保険のほうのロードサービスも有ることに気付いて、依頼した。

保険会社が契約している、現場近くの自動車工場から派遣されて来る仕組みのようだった。
簡単な処置で終わった。

ＪＡＦのロードサービスはさすが専門にやっているだけの
内容の違いが有るのだとよく分かった。

そんな経験から、退会しないことに決めた。

※

毎朝、飼い犬ジーロくん14歳慢性腎不全に点滴するのを手伝いに来てくれる
友人Ｍが言う。
「今月のＪＡＦMate見た？」
ＪＡＦ会員に毎月送られてくる雑誌のことだ。

ああ、そういえば昨日届いたけど、見てないな。
「超ウケるよ！見れば分かるから。」
表紙？観光記事？連載？まあ全部連載か。
あれこれ言ってみるが、Ｍは「見れば分かる」としか言わない。
知り合いが写ってるとか？
「あー、近い。」

ふーむ。

※

危険予知のコーナーを、毎月楽しみにしている。
運転席から見た、路上のある場面の写真が問題だ。
この時、何に気を付けるでしょう？

例えば、よーく見るとロードミラーに脇道から自転車が来るのが映っていたり、
よーく見ると左前方の縦列駐車している車の右ウインカーが点灯していたり、
よーく見るとわきの駐車場出口のパトランプが点灯していたりする。

よーく見て、毎回ちゃんと考える。
大体、正答できる。

※

学生の頃、山奥の美大の連中と仲が良かった。
通学に車を使う学生も多かった。
みんなで集まってふざけて答えを出し合ったりしたという。
さて、何に気をつけますか？

電柱の陰から露出狂が現れるとか、
マンホールからジャン・バルジャンが飛び出てくるとか、
ヘリコプターが墜落してくるとか。
大喜利ですな。

※

友人Ｍのすすめに従い、さっそくＪＡＦMateのページを繰る。
危険予知のページが「見れば分かる」写真だった。
自宅のすぐ近くの路上の写真なのだ。

掲載写真を載せることはできない。
今日の写真は、今日の現場の写真である。
雑誌掲載の課題写真とそっくりに撮った。

ご近所のみなさまなら言わずと知れた場所だ。
左側は神代植物公園向けの広いコインパーキング、
右側のフェンスはドッグランだ。

課題写真では、左側の歩道を子どもと母親が自転車で進んでおり、
その奥の駐車場入り口に、対向車線から車が一台入ろうとしている。

ここで、"よーく見ると"発動である。
よーく見ると、駐車場の入り口の、入ろうとしている車の前にもう一台の車が止まっている。
だから、見えている車はすんなり入れずに、歩道を塞いでしまっている。

そこで、次の瞬間、自転車の子どもが歩道から車道に下りて出て来る、
というのが正解である。

※

いつも正解できるはずの私が、今回は正解できなかった。
友人Ｍの母Ｍ子様も、
「右側から犬が飛び出て来る！」と
得々と答えたそうだ。

地元の者としては、それが正解だ。
どう考えても、犬のことしか頭に浮かばない。

・右側のドッグランから犬が飛び出て来る。
・それを追いかける飼い主が飛び出て来る。
・興奮した他の犬が更に飛び出て来る。
・駐車場でケージから出された犬も左から飛び出て来る。
・車道で追いかけっこが始まる。
・大騒ぎ

※

毎朝の犬の散歩コースなのだ。
現に、散歩仲間の犬がここを勝手にひとりで渡ってしまったことも有る。
危険なのだ。
運転者諸氏には、犬の飛び出しと飼い主の追い駆けにぜひ注意して欲しい。

あーこれ、ＪＡＦMateに投稿すりゃいいのか。