まさかキムタクが出てくる夢を見るとは思いもよらなかった。
たしかに先日までテレビ放送していた『グランメゾン東京』は興味深く観ていた。しかし大ファンというわけではないし、特に気にかけたこともない。そもそもぼくは、あまりテレビを見ない。
ぼくとキムタクはぼくの家にいて、暖かい日差しがそそぐリビングルームでビールを飲みながら談笑している。どうやら夢のなかで、ぼくたちは気を許し合った友人のようだ。
「ソロアルバム、評判良さそうでよかったね」
とぼくが言う。
「そうなんだ、安心したよ」
屈託のない笑みを浮かべてキムタクが答える。
そんなふうに気楽に飲んでいると、妻が自分の身内ニ、三人を連れてバタバタと帰ってくる。そしてキムタクを発見して大騒ぎになる。
ぼくは、どうしてそっとしておいてやれないのかと怒るが、キムタクがさすがにそういうことには慣れていて、彼女たちに笑顔を向ける。しかしトイレに行くフリをして隣の和室に逃げ込む。
直後にぼくも居間に入り、小声で「悪かったね」と言う。
キムタクは「いいんだよ」と笑顔で言い、それから真剣な表情になって続けた。
「実は話したいことがあったんだ」
「じゃあ、外に出ようか?」
「いや、また今度にするよ」
そこで目覚めた。どんな話があったんだろう?
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