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2015年11月01日21:03

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mitakaに あかつき(Planet-C) の軌道データを入れてみた

2010年5月21日に打ち上げられた惑星探査機「あかつき」
軌道投入の再チャレンジは来月の7日。あと1ヶ月ほどとなりました。
2010年12月7日の金星の軌道投入失敗から5年。長かったですね……

さてさて、実は先日つぶやいたネタなのですが、あかつきの軌道データをJAXAが公開していることに気づきました。
http://www.darts.isas.jaxa.jp/planet/project/akatsuki/akatsuki_trajectory_data.html.ja

当時のmitaka plusにも「あかつき」は入っていましたが、ソフトの公開が2010年末なので、ちょうど投入失敗した日までのデータしか入っていないんですよね。
※純正mitakaに「あかつき」は入ってません。最新版も同様

ちなみにダウンロードしたTextデータはこんな感じ。
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mitakaのデータ形式と違うところを excelを使って変換していきます。

・変換その1 西暦→ユリウス日
 データの初日は打ち上げ翌日の 2010年5月22日から始まり、1日刻みのデータなので、単純に 2455338.5 から連番を振り直すことで解決しました。
 関数で変換しても良かったんですが、元々のデータがTextデータのため、Excelで日付と認識しないんですよねf^^;

・変換その2 距離[km]→天文単位[au]
 これも単純。
 元のデータ[km]を 149597870.7 で除せば天文単位になります。

ここまで変換してふと気づく。Z軸のデータがあり得ない値を示しています。
mitakaは黄道面(地球の軌道平面) を基準としているので、探査機や惑星のZ軸は殆どゼロになるはずです。
しかし、変換したデータは打ち上げ翌日で 0.35au。これでは約1日で5000万キロもワープしたことになってしまいます(笑)
とりあえずmitaka形式に変換して再現してみると……
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想像通り、軌道が傾斜していました。
それもそのはず。公開されていたデータの座標系は「太陽中心赤道面座標系(J2000)」とありました。
調べる過程で「太陽中心」は「日心」と読み替えた方が一般的なようですが、つまり…
太陽を中心とした直交座標データ (mitakaと同じ) ですが、
平面の基準が「地球の赤道」 (mitakaは黄道) なんですね。

ここから無い頭を振り絞ることになりますふらふら

工業高校卒 (普通科の2年生レベルしか習わない)で、数学はニガテな私。
電気・電子を専攻しているのに、微積はおろか三角関数すらマトモに理解してませんあせあせ
ネットで情報を集めるも、基礎が分かってる体で書いてあるのでワケワカメ(死語)

悩むこと数日…今日、相模原プラネのついでに寄った JAXA相模原キャンパス。
フォト

蔵書コーナーで天体計算の本を発見しパラパラめくってると、そのものズバリ「赤道座標と黄道座標の変換」なる記述が!

それによると
x,y,z を黄道座標。x',y',z'を赤道座標。εを黄道傾斜角 23.4392 (西暦2000年) とすると…

 x = x'
 y = y'cosε + z'sinε
 z = -y'sinε + z'cosε

だそうです。
早速 excel で計算してみると、mitakaに最初から入っていたデータと小数点2桁まで一致。
εの値を 23.4386 (2005年頃?) にすると小数点5桁まで一致しました。
この辺は計算の誤差なんですかね?
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とりあえずこの軌道データをmitakaに突っ込んで描画
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おぉ…ちゃんと金星の近くに居るではないか!!

ってことで、再投入の2015年12月7日に設定し、記念写真を一枚
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成功を祈っています
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