mixiユーザー(id:35441980)
2019年08月14日11:25
248 view
8月14日(水) #1898 北陸旅行記��
おはようございます。木下藤吉郎です。
今から100年前の1919年の今日、ドイツ・ワイマール憲法が公布、施行されました。
■ワイマール憲法｜改訂新版・世界大百科事典｜平凡社
https:/
また、今から75年前の1944年(昭和19年)の今日は、俳優の杉 良太郎(すぎ りょうたろう)さんの生まれた日です。
■プロフィール | 杉良太郎オフィシャルサイト
https:/
8月14日 水曜日
(前回からの続き)
乗車予定の北陸新幹線の出発時刻は把握していたが、その前に土産物や献杯で飲む予定のお酒を買う事がすっかり頭から飛んでしまっていた。なので、喫茶店を出てからそのことに気づいた時には、もはや出発時刻が迫っていて、土産物は金沢で買う事にし、献杯に使う飲み物も酒ではなく麦茶で間に合わせるよりほかなかった。
富山、新高岡、金沢、このたった3つの駅にしか行かないちょっと変わった新幹線「つるぎ号」。東京を発着する「かがやき号」や「はくたか号」に比べて注目度は低そうだが、少しだけでも新幹線の味を感じたい人や、新幹線開業に伴うサンダーバードの金沢〜富山間廃止で不便になった人向けの便としては、機能していると言えようか。将来、福井、敦賀方面へ延伸すればそこも「つるぎ号」の運行範囲になるのかもしれない……。そんな複雑な思いを乗せ、列車は動き出した。
各駅に停まるとは言え、その駅間では時速260km近くのスピードで走り、結構あっという間に新高岡に到着する。
ここから先の終点金沢までの間に、かの「新幹線の見える丘公園」があるのだが、トンネルの合間であり、また日没が近づきつつある時刻でもあった為、車内からそうと感じさせる場所を見つけて献杯するのは難しいと思い、トンネルの中でひっそりと私はペットボトルの蓋を開けた。
……夢にまで見た「金沢に発着する新幹線」。
あの頃は東海道・山陽新幹線にもまだ乗った事がなかったし、乗る機会もなかっただけに、遠い存在に思えた。
あれから20年余り、修学旅行で初めて新幹線に乗った。会社の研修旅行でお世話になった事もあった。遊びに行くために使った事も少ないながらあった。そして今回、東海道・山陽新幹線以外の新幹線に初めて乗った。
少し長いトンネルにあたり、「そろそろかな？」と思って私は、軽くペットボトルを掲げた。
その時だ、少しだけだが、亡き伯父の声が聞こえた気がした。
「おう、よう来たな。いっちょまえに1人で新幹線乗れるようになったんやなぁ。けど、俺と酒を交わすにはまだまだ修行が足らないかな？ まあまたいつでも来いよ。いつでも待ってるからな」
トンネルを抜けると、終点の金沢駅にほど近いところまで来た。スピードが落ちていき、金沢の市街地にどんどん吸い込まれていって、20分程度の短い新幹線の旅は終わりを告げた。
（続
今から100年前の1919年の今日、ドイツ・ワイマール憲法が公布、施行されました。
■ワイマール憲法｜改訂新版・世界大百科事典｜平凡社
https:/
また、今から75年前の1944年(昭和19年)の今日は、俳優の杉 良太郎(すぎ りょうたろう)さんの生まれた日です。
■プロフィール | 杉良太郎オフィシャルサイト
https:/
8月14日 水曜日
(前回からの続き)
乗車予定の北陸新幹線の出発時刻は把握していたが、その前に土産物や献杯で飲む予定のお酒を買う事がすっかり頭から飛んでしまっていた。なので、喫茶店を出てからそのことに気づいた時には、もはや出発時刻が迫っていて、土産物は金沢で買う事にし、献杯に使う飲み物も酒ではなく麦茶で間に合わせるよりほかなかった。
富山、新高岡、金沢、このたった3つの駅にしか行かないちょっと変わった新幹線「つるぎ号」。東京を発着する「かがやき号」や「はくたか号」に比べて注目度は低そうだが、少しだけでも新幹線の味を感じたい人や、新幹線開業に伴うサンダーバードの金沢〜富山間廃止で不便になった人向けの便としては、機能していると言えようか。将来、福井、敦賀方面へ延伸すればそこも「つるぎ号」の運行範囲になるのかもしれない……。そんな複雑な思いを乗せ、列車は動き出した。
各駅に停まるとは言え、その駅間では時速260km近くのスピードで走り、結構あっという間に新高岡に到着する。
ここから先の終点金沢までの間に、かの「新幹線の見える丘公園」があるのだが、トンネルの合間であり、また日没が近づきつつある時刻でもあった為、車内からそうと感じさせる場所を見つけて献杯するのは難しいと思い、トンネルの中でひっそりと私はペットボトルの蓋を開けた。
……夢にまで見た「金沢に発着する新幹線」。
あの頃は東海道・山陽新幹線にもまだ乗った事がなかったし、乗る機会もなかっただけに、遠い存在に思えた。
あれから20年余り、修学旅行で初めて新幹線に乗った。会社の研修旅行でお世話になった事もあった。遊びに行くために使った事も少ないながらあった。そして今回、東海道・山陽新幹線以外の新幹線に初めて乗った。
少し長いトンネルにあたり、「そろそろかな？」と思って私は、軽くペットボトルを掲げた。
その時だ、少しだけだが、亡き伯父の声が聞こえた気がした。
「おう、よう来たな。いっちょまえに1人で新幹線乗れるようになったんやなぁ。けど、俺と酒を交わすにはまだまだ修行が足らないかな？ まあまたいつでも来いよ。いつでも待ってるからな」
トンネルを抜けると、終点の金沢駅にほど近いところまで来た。スピードが落ちていき、金沢の市街地にどんどん吸い込まれていって、20分程度の短い新幹線の旅は終わりを告げた。
（続
1
1
ログインしてコメントを確認・投稿する