2月19日(木) #843 製造業の簿記に準ずる簿記とは

おはようございます。木下藤吉郎です。


今から50年前の1965年(昭和40年)の今日、後に発足するJリーグの基礎となるプロサッカーリーグ、日本サッカーリーグ(JFL)が発足しました。

※ おもいッきりイイ!!テレビ - 日本サッカーリーグが発足した日
http://www.ntv.co.jp/omoii-tv/today/090219.html

※ 日本サッカーリーグ - Wikipedia
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0


また、今から45年前の1970年(昭和45年)の今日は、声優、歌手の笠原弘子(かさはら ひろこ)さんの生まれた日です。
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E5%BC%98%E5%AD%90
















2月19日 木曜日

今日は二十四節気「雨水(うすい)」であります。「空から降ってくるものがだんだん雪ではなく雨に変わってくる頃」を示しています。関東は南岸低気圧の影響で、西日本でもきょうに限っては冬型のために、雪になる所が多くなる見込みですが、ここ数日は気温が高い日も多く、雪ではなく雨が降った日本海側地域もそこここと見られました。大阪では今週末から翌週始めにかけては、雨で且つ気温が15℃を超えるとの予報が出ており、このあたりで春一番を観測する可能性も出てきています。梅が咲いている所も出てきており、春は確実に近づきつつある事を感じますねo(^_^)o

さて、今週は月曜日からきのうにかけて、製造業の会計、いわゆる工業簿記について話を膨らませてまいりました。けさは製造業ではないものの、その仕組みは製造業と殆ど同じか準ずるという業種の話をしたいと思います。

代表的なものが、建設業です。建設業もまた製造業と同じように、建材(材料)を仕入れて来て、大工さん(労働者)や機械・重機などの手を借りて建物を作り、それを売り渡すというサイクルですから、工業簿記に似た会計処理が行われる事になります。

ただ、建設業は製造業とは決定的に違う点があります。それは、製造業は比較的簡単に作れるものを数多く作って売る特徴があるのに対し、建設業は土地を借りて、大きな建物を作ったり、既にある建物を修繕したりして、土地を建物ごと元の地主に返す際に報酬を請求する、というのが仕事の流れであるため、例えて言えば「1個しか作らないが確実に売れるものを作る」という事になります。

また、建設業には「工事完成基準」と「工事進行基準」という2種類の会計方法があります。

工事完成基準とは、その工事が完了して地主に土地を返すまでは、その工事にかかった出費はすべて「未成工事支出金(みせいこうじししゅつきん)」という勘定科目(資産)で処理し、工事が終わると同時に、売上(完成工事高、工事売上)を計上して、未成工事支出金を各々の費用に振り替える、というものです。独特な勘定科目が出てきているので少々頭が痛くなった方もいらっしゃるかもしれませんが、未成工事支出金という科目は製造業における仕掛品と同じようなものだと思って頂いて大丈夫です。そんなに時間のかからない中小規模の修繕や、小さい建物を建設する場合などは、概ね工事完成基準で計算されていると考えて間違いないと思います。

一方で、何年もかかりそうな工事、例えば東京スカイツリーやあべのハルカスなどのとてつもなく高層のビルを建てるとなれば、工事完成基準では何年もの間費用も売上も書類上は上がってこない事になり、完成した年に莫大な収益と費用が突如発生するというたいへん混乱をまねきかねない事態が起こります。そのため、全体としては未成の工事でも、進捗度や段階に応じて工事売上と費用を計上してもよい、工事進行基準があるのです。ただ、この方法を具体的に示すとなれば、図を書いたり何ページにもわたって説明したりせざるを得ないですので、ここでは軽く触れるだけにしておきます(>_<)


建設業の他には、飲食業も製造業に準ずる会計処理が行われる事があります。食材を仕入れ、調理する人がいて、調理器具や機械を使って商品＝料理を完成させるわけですから、これはわかりやすい製造業に似た会計方法ではないかと思います。

といったところで、けさは製造業に準ずる会計処理が行われている業種として、建設業と飲食業の二つをさらっと紹介してまいりました。明日はこの製造業などが抱える問題について語ろうと思います。