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2020年06月06日21:24

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愛知県刈谷市本刈谷貝塚FIN 土偶と土版

フォト

刈谷市郷土博物館には
本刈谷貝塚(もとかりやかいづか)から出土した
妙なものが展示されていた(写真左)。
それは楕円形の板を半分に割ったような形をしていた。
ネームプレ-トには『土版』とあり、以下の説明が入っていた。

「縄文時代晩期(※約3,300〜2,800年前)
 土偶と同様に、祭祀に使用されたと思われる。」

縄文時代の土製品というと、
赤ぽい土や暗い色の土を使用したものが多いのだが、
この半円の板は黄色っぽい白色という珍しい色をしている。
縄文時代は野焼きで、焼くと暗色になる傾向があると思われるので、
この土版は焼いてないものなのだろうか。
正確に対称ではないが、
この土版は両側の縁に平行に
同じ中心に向かうように2本セットの切れ目が入っている。
この切れ目は、切れ目を入れて製作したものではなく、
出来上がったものに後で切れ目を入れたものに見える。
また表面に縦横に長い線刻が後天的に入れてあり、
それとは別に縦に細かな線刻が入っている。
線刻はいずれも、装飾ではなく、
傷をつける目的で入れられたものに見える。
「傷」は呪詛を目的としたものだろう。
人を攻撃する目的の呪詛ではなく、
生まれてくる子供などを守るための身代わりを
土版に仮託する呪詛かもしれない。
現代で言えば、神社で発行する形代(かたしろ)のようなものだろうか。

さらに、同じコーナーには
平べったい頭部と思われるものが展示されていた。

フォト

使用した土は上記の土版と同じもののようで、
破損は無く、頭部だけで完結しているように見え、
土偶から割り取られた頭部には見えない。
しかし、ネームプレートには『土偶』とあり、以下の説明が付いていた。

「本刈谷貝塚(天王町)出土
 縄文後期

 祭祀に使われた土の人形で、多くの土偶は妊娠した女性を模しているといわれている。」

この面のような土偶は目と眉、口が造形されており、
頭部には眉間に向かう線刻が放射状に4本と、
耳から頬骨を通って鼻先に向かう左右にそれぞれ2本の線刻も入っている。
鼻だけが不明瞭だ。
鼻が人間の鼻と違い、不明瞭なのは縄文のヴィーナスとの共通点だ。
https://i1.wp.com/triglav-research.com/wp/wp-content/uploads/2018/07/1d741fd419371642d72e1a24bf588f83.jpg?ssl=1

耳の部分には輪郭に窪みがあり、
紐に引っ掛けるための役割があるように見える。
そして、全く別の見方をすれば、
頭部には自転車ヘルメットタイプの目から上の面付きヘルメット、
顎にはマスクをしている姿とも解釈できる。
口が丸い点で表現されているのは空気穴もしくは
チューブのつなぎ口だからかもしれない。
顎が尖り、顎先から耳に向かう直線的なラインと丸い口は
仮面の女神とも共通している。
https://i1.wp.com/triglav-research.com/wp/wp-content/uploads/2018/02/ca2ec0b932b1d1fe7d91b4a48baf228a.jpg?ssl=1

顔を隠したい生物が知多半島に現れるとしたら、ありえる姿だ。
もしそうなら、破損が無く、いずれ国宝に認定されるだろう。

この地域も縄文期に東北地方や近畿地方と交流があったらしく、
本刈谷貝塚から両地方の特徴を持つ土器片が出土している(写真中)。
プレートの説明には
「他地域の土器を模して作られたものと考えられる。」とある。
東北地方の特徴は細やかで不明快。
近畿地方の特徴は大胆で明快だが大雑把という印象。

前に紹介した盤状収骨墓の撮影ができたので再録(写真右)。
説明には以下のようにあった。

「本刈谷貝塚(天王町)出土 縄文時代晩期
 
 手足などの長い骨を四角く並べ、角に頭の骨を割って配置している。
 骨の特徴から、身長159cmの成人男性と推定される。」

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